スペイン・カダケスの美しい海に臨むシュールな「ダリの家」

スペイン・カダケスの美しい海に臨むシュールな「ダリの家」

更新日:2014/10/13 15:16

小林 理沙のプロフィール写真 小林 理沙 日本語教師、翻訳家
サルバドール・ダリは、夢の中にいるかのように非現実な「シュルレアリスム」の世界を絵描いたことで知られています。
ダリはマドリッド、パリ、アメリカ合衆国と居住地を何度か変えましたが、生涯で唯一買ったのが、このスペイン、カダケスの漁村「ポルトリガト」にある家です。現在は「サルバドール・ダリの家」として公開されています。

一見シンプルながら、シュールさが隅々に混在するダリの家にぜひ行ってみましょう!

美しく大きな白い邸宅!

美しく大きな白い邸宅!

写真:小林 理沙

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ダリは1904年に、カタルーニャ州フィゲーラスで生まれました。
生まれ故郷のフィゲーラスから1時間ほど車を走らせ、ピレネー山脈を超えると、カダケスの漁村ポルトリガト(Portlligat)に到着します。
現在カダケスは、スペイン北東部のカタルーニャ州からフランス国境まで続く地中海沿いの「コスタ・ブラバ」海岸を代表する人気のリゾート地です。

ダリは、夏のバカンスを過ごしてきたカダケスがとても気に入っており、家の購入に至ります。
1930年に漁師の小屋だった建物を買い、改築、増築を繰り返し、現在の大邸宅にしました。

写真中央、海辺にあるのが「サルバドール・ダリの家」(Casa de Salvador Dalí)です。山に点在する他の白い家々と同調し、景観を乱すことない、まばゆい白さの大邸宅です。

しかし、目を凝らして見ると、屋根の上に「たまご」が乗っています。この「たまご」のように一見美しい家を非凡にしている、楽しいトリックをたくさん見つけることができます。

また、家から見える海や岩などの自然は、ダリの作品によく登場しています。

天才のアトリエ

天才のアトリエ

写真:小林 理沙

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ダリが絵を描いていた場所です。自然光に満たされ明るい部屋は、2つの窓があり、その1つからは海が見えます。
ダリはとても勤勉な芸術家で、毎日同じ日程で仕事をしました。早起きし、朝食後すぐに仕事に取りかかり、昼は10分間泳ぎ、昼食後はまた仕事。それから、午後7時からは来客の接待をしていたそうです。アトリエの隣の部屋は、モデル用の更衣室になっています。

ユニークな丸い部屋

ユニークな丸い部屋

写真:小林 理沙

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何度も改築を重ねた家ですが、こちらは大きい部屋の中では、一番最後に作られました。ダリの妻ガラのプライベートなスペースで、読書をしたり、来客を接待するのに使われました。外から差し込む光が、赤いカーテンを通して部屋をピンクに染めます。
また、暖炉もダリのデザインによるものです。ダリは絵画だけでなく、宝石やソファーを初めとする家具、電話などのデザインで、その芸術的才能を発揮しました。

ダリらしさ炸裂の中庭!

ダリらしさ炸裂の中庭!

写真:小林 理沙

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庭からは、屋根上の「たまご」が間近に見られます。遠くからも形が確認できるだけあって、実物はかなり大きいです。

遠くからは「たまご」に見えても、近くで見ると、「人の頭」のオブジェもあり、ダリ流のユーモアがあふれる庭です。

また、「殻の割れた卵」もあり、中に入ることができます。卵の中に入って、おもしろい写真を撮るのも、旅の思い出になること間違いなし!

シュールだけじゃない!ポップアートな噴水

シュールだけじゃない!ポップアートな噴水

写真:小林 理沙

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中庭はいくつかあり、長細い形のプールがある中庭もあります。
この中庭は、グラナダの「アルハンブラ宮殿」を意識した作りとなっています。
長細いプールとつながる噴水には、アルハンブラ宮殿の「ライオンの中庭」にある噴水のレプリカが置かれています。
そのライオンを取り囲むのが、闘牛士の人形。スペインの土産物屋で、よく売っているワインやサングリアなどの瓶に似ています。
この噴水は、「アメリカン・ポップアート」の影響が顕著に現れていて、キッチュなおもしろさがあります。

最後に

この「ダリの家」の見学は、公式サイトからの予約が必要となっています。この家には、紹介しきれないほど至る所に、ひねりの利いたデザインがあり、驚きの発見の連続です。こんなに興味深い家は、他にありません。ぜひ、カダケスのポルトリガトまで行き、ご自分の目でお確かめください!

掲載内容は執筆時点のものです。

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