写真:もんT
地図を見る今回紹介する観光スポットは北京駅(北京站)の近く。北京駅を目印とすると分かりやすいので、ここを起点に目的地を目指します。
北京駅は1959年完成の首都のターミナル。現在は、北京西駅・南駅・北駅と、さらに巨大なターミナル駅が次々と開業し、やや“小さく”なった感がありますが、それでも列車がひっきりなしに発着していきます。
鉄道ファンなら特に、ぜひこのターミナル駅に入って、ホームにて駅の風景や列車の写真をいろいろと撮りたいところでしょう…。しかし、中国の駅はどこも、実際に列車に乗車する人しかホームに入れません。送迎などを目的として駅の入場券を購入しても、入れるのはホームに降りる手前のコンコースまで。しかもその入場券も2014年3月から販売を中止しており、駅に入ること自体が非常に厳しくなりました…。
そこでおススメなのが、今回紹介する「北京城東南角楼(北京城东南角楼)」。北京駅のすぐ南側に今でも残る、明の時代の城壁で、そこからならば北京駅を発着する列車が一望!自由に好きなように写真が撮れます。
その目的地に向かう前に、駅構外の売店で食料や飲み物を調達しておきましょう。中国の鉄道時刻表がほしい!という方は本・雑誌の売店をのぞいてみて!入手困難な中国全土の時刻表、ターミナル駅の売店にはよく置いてあります。
写真:もんT
地図を見る「北京城東南角楼」への行き方ですが、駅舎を背に北京駅東街(北京站东街)を右(東)へと向かい、高速道路も走る大通りに出ます。ここまでが約10分。そこで右へ曲がり南に進路をとると、線路をくぐります。さらにそのすぐ先を右(西)へ曲がると、城壁と角楼が…。北京駅からは徒歩20分ほどで目的地に到着です。
城壁に大きなトンネルがあいているところに、角楼の入場券売り場があります。入場券は10元。早速階段を上がって城壁の上に出ましょう。東の方を向くと、写真のような感じで北京駅へと入線する列車を観察できます。北京駅は主に東北方面への長距離列車のターミナル。新旧さまざまな車両がひっきりなしに発着します。鉄道ファンには本当におススメの撮影ポイントです。
写真:もんT
地図を見るさて城壁や角楼にも注目しておきましょう。この城壁は、紫禁城を守るために、明代の1436年に建築が始まりました。清代には、この城壁と城門の防衛は正規軍である八旗が担当し、これより内側のエリアは支配者階級の居住区域。このような城壁がぐるっと市の中心部を取り囲んでいました。現在ではそのほとんどが取り壊されて大通りへと姿を変えてしまいましたが、わずかに残ったこの一帯が公園として整備・保存されています。
城壁の上にそびえ立つ角楼は、高さ29m。114ある小窓は射撃用の穴で、首都の重要防衛施設であったことがうかがえます。ちょうど城壁の東南角に築かれたので、「東南角楼」と呼ばれています。角楼の中では唯一、取り壊されずに残った貴重な歴史遺産…。中は吹き抜けの3階建てになっていて歴史資料館になっています。こちらもしっかり見ておきましょう。なお東南角楼と城壁の開館時間は9:00〜17:00です。
写真:もんT
地図を見る角楼のあたりから西側に目を向けると、まだ修復中の城壁が数100m続いているのが見て取れます。城壁の北側(写真の右側)には北京駅が…。現在は城壁の北側にターミナル駅と線路がありますが、実は今から60年ほど前までは、線路は城壁の南側(写真の左側)に敷かれていました。先ほど角楼に入るためにくぐった城壁にあいたトンネルは、環城鉄路が通っていたトンネル!そして城壁南側の緑地帯は、かつて北京と奉天(現在の瀋陽)とを結ぶ京奉鉄路の線路が敷かれていた跡…。1954年までは確かにそこを列車が走っていました。
現在は「明城墻遺址公園」として整備されていますので、角楼と城壁を出た後、ぜひ散策してみましょう。城壁に沿って、公園を西へ600mほど行くと、京奉鉄路信号所とポイントやレールの一部が保存されています。
首都としては13世紀からの歴史がある北京ですが、近現代の戦乱やその後の再開発などにより、歴史的な遺構は思いのほか限られています。そんな中で今回紹介した場所は、王朝時代から近現代までの北京の変遷を物語る貴重な遺構。そして鉄道撮影に何かと制限がある中国にあって、自由に写真が撮れる貴重な撮影ポイント。北京を訪れた際には、皆さん、ぜひ「北京城東南角楼」へ出かけてみてください。
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(2024/3/28更新)
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