写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る標高750mにある東平ゾーンは、新居浜市内からもう一つの端出場ゾーンまで車で30分、さらにそこから30分ほど山を登った場所にあります。しかし、単純に山を登るといってもメイン道路からそれ、車1台ぎりぎり通れるか通れないかくらいの細い山道を走ることになるため、天気がいい日は問題ないですが、山の天気は変わりやすく、少し雲が広がるだけで視界が悪くなり、かなり運転が危険になります。
そこで、山道の運転に自信がない人におススメしたいのが『東洋のマチュピチュ「東平」定期観光バス』。
端出場ゾーンから地元のボランティアガイド付きでマイクロバスを運行しています。出発時間は11時と13時の2回で所要約2時間。細い山道を恐る恐る運転しなくていいのと、なにより地元のガイドさん付というのが魅力。ガイドブックに書いてないレアなネタもたくさん披露してくれますよ!
また、バス利用の人は端出場ゾーンの坑道観光が半額になるセットもあるので、端出場と東平ゾーンのどちらも行かれる方は先にバスのチケットを買うとお得です。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る東平ゾーンは大正5年(1916年)〜昭和5年(1930年)まで別子銅山の採鉱本部が置かれていた場所。特に大正時代は一番の賑わいをみせ、鉱山で働く人やその家族を含め3800人もの人がここで暮らしていたと言われています。
昭和43年に東平坑休止で無人の地となりましたが、その後は撤去した施設跡地に植樹が行われ、自然へと帰っています。
しかし、今でも、大小さまざまな痕跡は残されており、森の中に眠る鉱山施設はさながら”東洋のマチュピチュ”として注目を浴びています。
車で東平ゾーンに向かうとまず最初に見えるのが東平小学校・中学校です。現在は銅山の里 自然の家としてさまざまなイベントや宿泊施設として利用されています。
そして、いよいよメインの地へ。駐車場の奥には当時の保安本部があり、現在は東平マイン工房として使われています。そして、保安本部の反対側には、東平ゾーンを上から見下ろす絶景スポットが!手前に規模が大きい東平貯鉱庫跡、下に東平索道停車場跡を見ることができます。
上から全体像を眺めたところで、早速、天空都市の中へ潜入していきましょう。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る駐車場横には旧インクラインがあります。これは、傾斜面にレールを敷き、トロッコのようなもので生活用品や資材を引き揚げたり、降ろしていたりしていた場所で、現在は、産業遺産の中へ入る階段の役割をしています。長い220段の階段を下りると目の前には”東洋のマチュピチュ”との異名をもつ東平ゾーンの全景が広がります。
まずは一番下まで階段を下り、「東平索道停車場跡」へ。明治38年に完成した赤レンガ造りの巨大な停車場跡は、鉱石・生活用品・資材などを端出場へと運ぶ主要機関でした。現在は遺構の周りにドウダンツツジなどが植栽され、季節により彩りを加えています。
また、その上の部分は「東平貯鉱庫跡」で、東平ゾーンにある代表的な産業遺産。ここは、鉱石を端出場へと運ぶまでの間、貯蔵されていた場所。重厚な石造りの貯鉱庫跡を見上げるとその高さに圧倒されるはず。時代とともに風化し、茶色や黒になった色合いが時代を感じます。
「東平索道停車場跡」から「東平貯鉱庫跡」へは横に小さい階段があるのでそこを登っていくと近くで見ることができます。
通気口のような窪みから緑が生えている様子などは、さながら天空の城ラピュタのようにも!歩いているだけで、異次元にきたかのような不思議な感覚が味わえる場所です。ゆっくり写真を撮るもよし、緑と空と遺跡のコントラストを楽しむもよし、思い思いの時間を過ごしてみてください。ちょっとした東屋もあるので、そこで座りながら見学することも可能です。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見るベストショットを狙うなら展望台がおススメ。
先ほど下った旧インクラインを登り、駐車場に戻ります。駐車場の奥にある東平歴史資料館の前が展望台。
森の中に突然現れる巨大な建造物!こんな僻地で人々は暮らし、採掘していたのかと驚かされます。
晴れた日には遠く新居浜市内や瀬戸内海も見られるので絶景も楽しむことができますよ。
時間がある人は、その奥に続く渓谷遊歩道を歩いてみてはいかがでしょうか。よく整備された歩道は、深緑がとても気持ちよくマイナスイオンたっぷり。途中、苔に覆われた石橋なども通り、リラックスすること間違いなし。
遊歩道終点は広場になっていて、赤レンガ造りの変電所や第三通洞の入り口も見ることができます。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る実際に産業遺産を見た後は、駐車場横にある東平歴史資料館でさらに知識を深めましょう!東平の歴史や地形の模型、当時の写真や映像も流れ、鉱山の町として賑わった様子を垣間見ることができます。
資料館で昔の映像や写真を見た後に、もう一度、「東平貯鉱庫跡」「東平索道停車場跡」を見ると感慨深いものがありますよ。
【東平歴史資料館】
開館時間:10:00-17:00
入館無料
世界遺産に登録されているペルーのマチュピチュは標高2400mの高地に人が住み、それが遺跡として残っています。別子銅山は、標高750mと本家マチュピチュに比べれば低い山ですが、同じように山中に人が住み町として栄えていたことから「東洋のマチュピチュ」と呼ばれるようになったそうです。
山深く静かに眠る東洋のマチュピチュを感じに出かけてみませんか。
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(2024/3/29更新)
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