写真:渡部 洋一
地図を見る見るものを圧倒する、ロマネスク建築の傑作シエナ大聖堂。その外壁は、白と黒の大理石の縞模様。イタリアの強い陽射しに輝く白と重厚感のある黒、その見事なコントラストに目を奪われます。素材といい、大きさといい、品格といい、なんと豪華な縞模様なのでしょう。
また、数々の聖人たちの像や絵で装飾されたファサード(大聖堂前面)は、「イタリアで最も美しいファサード」とも称えられます。
大聖堂の内部に入る前に、まずはその外観をじっくりと楽しみたいですね。
写真:渡部 洋一
地図を見る大聖堂の内部に入ると、内装も白と黒の縞模様となっていることに驚きます。オセロの駒を積み上げたような柱も、もちろん大理石です。ここが祈りの場であることを忘れ、ついつい見入ってしまいます。
13世紀(12世紀末との説も)に起工され、14世紀の完成まで100年以上を要したこの巨大建築は、時間だけでなく費用も莫大なものだったことでしょう。
写真:渡部 洋一
地図を見るシエナ大聖堂は、床までもが豪華です。多色大理石の象嵌によって構成された床には、56の宗教場面が描かれています。床に立ったままではその全体像を把握するのが難しいほどのスケールで描かれる芸術作品もまた、シエナ大聖堂の大きな魅力です。
写真:渡部 洋一
地図を見るシエナ大聖堂の床の大理石象嵌にのみを入れる男性。修理・修復を繰り返してきたことで、作成から数百年を経過した芸術作品を現代の私たちが観賞することができるのです。床の宗教画に限らず、この大聖堂全体が、きっと多くの人々の力で守られてきたのです。素晴らしい遺産を現代に残してくれた、人々の努力に感謝したいですね。
写真:渡部 洋一
地図を見るシエナ大聖堂の内部には、なんと図書館があります。「ピッコローミニ家の図書館」は、15世紀末教皇の蔵書を保管するために作られました。その天井は美しいフレスコ画で飾られ、現在は華麗な装飾を施した聖歌本が展示されています。
大聖堂の中に図書館がある不思議さとその美しさで、観光客を惹きつける希有な図書館です。
私がシエナ歴史地区の中でこのシエナ大聖堂をオススメする理由。それは、その外観や内部が豪華絢爛で美しいというだけではありません。
大聖堂後部から伸びる塔の高さは102メートル。これは、同じシエナ歴史地区にある「世界一美しい広場」と称されるカンポ広場に建つマンジャの塔と全く同じ高さです。それは偶然ではなく、教会と政府が持つ権力はどちらが上でもどちらが下でもなく全く同じであるという、シエナ市民たちの思いから同じ高さにされたと言われています。
イタリアの歴史における教会と政府。その歩み寄りの1つの形を、この場所に見ることができるのです。
シエナは観光地としてローマやヴェネツィアほど知名度はありませんが、その美しさはもちろん、中世イタリアを現代に伝える場所として、とてもオススメのスポットです。
(マンジャの塔については、『「世界一美しい広場」を見下ろす塔!イタリアの古都シエナ、マンジャの塔に登ってみる!』で詳しく紹介しています。記事下部にある「MEMO」よりご覧ください。)
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(2024/3/29更新)
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