ガリレオの伝説を追え!世界遺産、ピサの斜塔と1つのランプ

ガリレオの伝説を追え!世界遺産、ピサの斜塔と1つのランプ

更新日:2019/08/02 10:50

渡部 洋一のプロフィール写真 渡部 洋一 フリーライター、カメラマン
イタリア北部の町、ピサ。斜塔の町としてあまりにも有名なこの地は、あの天才物理学者ガリレオ・ガリレイの生まれた町でもあります。ピサの象徴、ドゥオーモ(ミラーコリ)広場には、ガリレオの世紀の大発見を今に伝える、2つのエピソードがあるのです。
この地でガリレオが発見した2つの法則とは?
ガリレオ伝説に中世のロマンを感じる、ピサをご紹介します。

ガリレオが鉄球を落とした塔

ガリレオが鉄球を落とした塔

写真:渡部 洋一

地図を見る

誰もが知る、ピサの斜塔。この塔の立つ「ピサのドゥオーモ広場」は、1987年世界遺産に登録されています。しかし、世界遺産登録の遥か前から、この塔はその傾きと「落下の法則」のエピソードによって、世界中にその名を知られる存在でした。

今から約400年前、ガリレオはこの塔から大小2つの金属玉を落としました。その2つの玉が同時に地面に着地した時、「重力による落下速度はその物体の質量の大きさに依らない」という「落下の法則」は証明されたのです。これが、まず1つ目のエピソード。確かに、この傾いた塔は、その実験に最適だったことでしょう。

比べるとはっきりわかる!斜塔の傾き約3.99度!

比べるとはっきりわかる!斜塔の傾き約3.99度!

写真:渡部 洋一

地図を見る

写真が傾いているのではなく、塔が傾いている。他の建物と比較すると、それがはっきりとわかります。

かつて約5.5度傾いていたこの塔は、1990年から2001年の工事によって、約3.99度に修復されました。3.99度と数字にするとそれほど大きい感じはしませんが、実際に目で見ると、建っているのが不思議なほど大きく傾いています。

斜塔が「真っすぐ」に見える角度

斜塔が「真っすぐ」に見える角度

写真:渡部 洋一

地図を見る

トリック写真ではありません。当たり前ですが、斜塔には真っすぐに見える角度があります。見る角度によって、塔の傾き加減が変わる、不思議な感覚を楽しむことができます。
是非、塔の周りをぐるっと一周歩いてみましょう。あなたの好きな角度が見つかるかもしれません。

斜塔だけじゃない!ドゥオーモ広場の建築物

斜塔だけじゃない!ドゥオーモ広場の建築物

写真:渡部 洋一

地図を見る

世界遺産「ピサのドゥオーモ広場」は「奇跡の広場」とも呼ばれ、斜塔の他にも魅力的な建築物があります。

写真は、ピサ大聖堂。50年の歳月をかけて作られた、ロマネスク建築の傑作です。そして、白く輝く壮大なこの大聖堂の内部に、もう1つのガリレオ伝説があります。

「振り子の法則」のランプ

「振り子の法則」のランプ

写真:渡部 洋一

地図を見る

ピサ大聖堂の内部の天井から吊り下げられた、巨大なランプ。このランプが揺れる様子を見て、ガリレオはあることに気がつきました。「振り子の揺れが大きい時も、揺れが小さい時も、往復にかかる時間は同じではないか。」と。
この「振り子の法則」の発見が、今回ご紹介する2つ目のエピソードです。
天才とは、普通の人が気づかないことに気づくということなのかもしれませんね。

伝説の真相は?

今回ご紹介した2つのエピソード。ガリレオの、いや、世界史の分岐点となった瞬間を今に伝えるものですが、その真偽には疑いもあります。
ガリレオは本当にピサの斜塔から鉄球を落としたのか?本当にランプの揺れに振り子の法則を発見したのか?その謎は、永久に解明されることはないのかもしれません。しかし、ガリレオの死後400年近く経つ今なお、人々はその伝説にロマンを感じ、この場所に足を運んでいるのです。
イタリアを訪れる機会があれば、あなたも是非ピサで中世の歴史ロマンを感じてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2009/03/14 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -