鉄道地図はまもなく激変!JR北陸本線乗り撮り歩きは新幹線開業前に!

鉄道地図はまもなく激変!JR北陸本線乗り撮り歩きは新幹線開業前に!

更新日:2014/09/13 15:10

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター
2015年3月14日に開業する北陸新幹線。北陸路への旅がいっそう便利になる一方で、並行する在来線はJRから経営分離され、地元主体の第3セクターのローカル線となります。特に、北陸本線の金沢から直江津の区間は、立山連峰や日本海の美しい風景を楽しめる風光明媚な区間。今回は、新幹線では味わえない!この区間ならではの風景、そして今だからこそ味わえる雰囲気を満喫する鉄道の旅をご紹介します。

加賀から越中へ…倶利伽羅峠越え

加賀から越中へ…倶利伽羅峠越え

写真:もんT

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今回の旅の起点は金沢駅。新幹線開業に向けて駅は新しくなり、高架ホームから福井・富山・能登方面への列車が発着しています。
富山方面への列車に乗車しましょう。進行方向右手側に座ると、新たに開業する北陸新幹線の高架線を見ながら、ほどなく列車は金沢の市街を抜けていきます。
津幡駅で能登方面へ向かう七尾線の線路が左に分かれていくと、列車はやがてちょっとした峠越えの区間にさしかかります。古くからの交通の難所であった倶利伽羅峠です。
各駅停車の旅であれば、倶利伽羅(くりから)駅でちょっと途中下車してみましょう。
鄙びたローカル駅ですが、実はここは鉄道写真の有名な撮影地…。峠を駆け抜ける列車を風景と共に記録に残しておきましょう!駅を背にしてすぐ右、線路に沿った小道を5分ほど進んだところにある「笠谷踏切」がおススメ。踏切脇から、峠に向かってカーブしてくる列車をちょうど良い構図で撮れます。在来線を特急列車が頻繁に行き交うのもあとわずか…。旅の記念にぜひ記録しておきたい風景です。

かつての急行型車両も最後の活躍…レトロな雰囲気も楽しんで

かつての急行型車両も最後の活躍…レトロな雰囲気も楽しんで

写真:もんT

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倶利伽羅駅の先、トンネルを抜けるとそこは越中富山県。高岡、富山とターミナル駅が続きます。今回の旅は、風光明媚な風景以外にも“お楽しみ”があります。

まずは駅弁♪停車時間があれば、高岡や富山でぜひ駅弁を買い込んでおきましょう。昔から有名なのは「ますのすし」。通常のものは、包装もしっかり、量もたっぷりで、列車の中で食べるお弁当としては食べにくいかも…。それならば「ますのすし小箱」など、コンパクトなサイズのものがおススメ。富山駅のホーム売店には他にも一口サイズの「ますのすし」まで、販売されていて、富山の逸品をお手軽に味わえます。

もう一つの注目点は、この区間を走る鉄道車両。普通列車から特急列車に至るまで、実にバラエティに富んだ車両が現在運行中…。新幹線開業に伴ってなくなる特急列車のうち、特に「北越」号に注目です。今や数を急激に減らしつつある国鉄時代からの車両485系を使用しています。また、かつて急行列車として活躍した車両475系も、普通列車として最後の活躍をしています。特急列車がまだ少なかった時代、昭和40〜50年代はこのタイプの急行列車が北陸本線の名脇役でした。現在はごくわずかに、金沢〜富山の朝夕の通勤輸送で運用中ですが、時々、富山から先、直江津までの日中の運用に入ることも…。普通列車の旅でこの475系にめぐり会えたら、ちょっとしたタイムスリップですね♪
写真がその475系電車です。

越中から越後へ…日本海に沿って

越中から越後へ…日本海に沿って

写真:もんT

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富山駅を出て左に大きくカーブすると、右手車窓には立山連峰の山々が…、そして魚津駅に近づくと、左手にいよいよ日本海が見えてきます。ここから終着の直江津までは、進行方向左側、日本海の風景から目が離せません。背後に険しい山崖迫る中を、列車は海沿いに進みます。海岸風景がもっとも楽しめるのは、泊駅から青海駅までの県境あたり。特に、市振駅や親不知駅はホームの向こうが海!のんびり海の風景を満喫するなら、ここでぜひ途中下車してみましょう!ただし、普通列車は1時間に1本程度の運行なので、時間に気をつけて…。

海の幸をお土産に…というのであれば、親不知駅がおススメです。駅から歩いて15分ほどの、「親不知ピアパーク」を目指しましょう。駅舎を背に右(富山方面)へまっすぐ、「ピアパーク前」の信号を右折し、北陸自動車道の下をくぐり抜けると到着です。ここは「道の駅」でもあり、食事や休憩ができるほか、「おさかなセンター」で新鮮な海の幸も手に入ります。のんびりとたたずむのにもおススメの場所です。

ターミナル駅のにぎわいもあとわずか…終着駅直江津へ

ターミナル駅のにぎわいもあとわずか…終着駅直江津へ

写真:もんT

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再び列車に乗り込み、終着直江津を目指します。糸魚川から直江津までの区間は大部分がトンネルで直線的に貫かれています。
途中の筒石駅はまさにこの区間の象徴…、全国的にも珍しいトンネル駅です!特急列車では気づかずに通過してしまいますが、普通列車はすべて、トンネル内でそろそろと速度を落とし、この駅に停まります。ちなみに海岸の筒石集落までは、ホームから高低差約40mの階段を上り、地上に出てからさらに1kmも山を下っていかなければなりません。

筒石駅を過ぎると、有間川と谷浜付近で再び日本海が迫ってきますが、ほどなく終点直江津駅に到着です。
直江津は信越本線や北越急行ほくほく線の列車との接続駅。古くからの鉄道ターミナルで、1日に上下合わせて36本もの特急列車がこの駅で小休止。また、曜日によっては早朝と夕方、大阪と札幌を結ぶ寝台特急「トワイライトエクスプレス」も停車…。しかし、この賑わいも残りあとわずか、2015年の3月13日までです。北陸新幹線の上越妙高駅は、ここから10kmほど内陸の地に開業。特急列車や「トワイライトエクスプレス」が、新幹線開業と共になくなってしまうと、ずいぶんと寂しくなることでしょう。鉄道ターミナルの賑わいと雰囲気を、旅の締めくくりとして記憶に刻んでおきましょう。

おわりに

今回紹介した北陸本線の金沢〜直江津の区間は、北陸新幹線開業と同時に、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道へと、それぞれ県ごとにJRから経営分離されます。鉄道路線図が大きく塗り変わる前に、ぜひ訪れておきたいものです。快適な特急列車で駆け抜けるのも良し、のんびりと各駅停車で旅するのも良し…、今しか味わえない風情や旅情をぜひ楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/02 訪問

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