「のれ!みれ!さわれ!写真撮れ!」の福山自動車時計博物館

「のれ!みれ!さわれ!写真撮れ!」の福山自動車時計博物館

更新日:2014/09/16 12:00

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
広島県の福山駅から車で5分、徒歩で12分の場所に、おしゃれな時計台のある洋館が建っています。この洋館が、「福山自動車時計博物館」です。福山八幡宮や水野家2代藩主の菩提寺妙政寺からも近い場所にあり、観光の際に立ち寄るのに便利な立地!また、自動車や時計、特に和時計のコレクションは美しくて必見です。尺時計という、面白い日本ならではの時計も見ることができます♪映画の撮影に使われた自動車もご覧下さいね。

時計台のあるおしゃれな煉瓦造りの建物が目印です!

時計台のあるおしゃれな煉瓦造りの建物が目印です!

写真:村井 マヤ

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福山自動車時計博物館は、地元の企業経営者で、自動車愛好家でもある能宗孝(のうそう たかし、1943年 - )氏らが、1966(昭和41)年より収集したコレクションを元に1989(平成元)年7月4日に開館。公益財団法人「能宗文化財団」によって運営されています。

「のれ!みれ!さわれ!写真撮れ!」は、福山自動車時計博物館のモットーなんだそうです・・。博物館の館長である能宗孝氏は、博物館のパンフレットにも、次のように述べられています。

「五感を使うことこそ、人が自信を得ることができると思います。福山自動車時計博物館は、・・自信を得ることができる体験博物館です。」
上記の博物館のモットーは、もともとは岡山弁の「のられ、みられ、さわられ・・」のら抜き言葉なんですって!

日本語の乱れとして語られることの多い可能表現の「ら抜き言葉」は、岡山弁言語圏で定着しています。
これは、尊敬の助動詞「られる」を用いた命令形「○○せられー」を日常的に多用することの多い岡山弁言語圏の方々が、「乗られる」「見られる」「さわられる」を聞いたときの印象に関係します。
というのも、他の地域の方以上に強く「尊敬」か「受け身」と感じ、可能の意味として用いることに抵抗を感じるからなのです。この地域にとって、日本語の乱れというより便宜上そうした感がありますよね。

博物館の道路を挟んで向かいの建物にも、「消防車コレクション」「ボンネットバス」の車庫があります。またその他の車の収蔵車庫が平成13年に完成しています。

和時計のコレクションは必見!珍しい尺時計も見応えあり!

和時計のコレクションは必見!珍しい尺時計も見応えあり!

写真:村井 マヤ

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博物館に入館してすぐ左手に、美しい和時計のコレクションがあります。ここで目を引くのが「尺時計」と言われる日本ならではの時計です。

尺時計とは、和時計の中で最も日本的で、庶民的な時計と言えます。和時計には「やぐら時計」「枕時計」「印籠時計」などがあります。これらが、ヨーロッパからの技術を手本にして作られ発展したのに対し、尺時計は日本独自のものです。

江戸時代の時刻制度「不定時法」は、節気(陰暦の季節区分:立春、冬至や大寒などの24節気)ごとに昼夜の長さが変動します。和時計はさまざまな方法によって、昼と夜、また季節により刻々と変化する時間を見事に表現しているのです。

尺時計の構造ですが、30cmから40cm程度の縦長な箱の上に真鍮製の時計機械が置かれています。尺時計は文字板を工夫することにより、不定時法に対応するタイプの時計です。尺時計の文字板(目盛板)は、3種類あります。

1.割駒式(わりこましき)・・時刻を記した小さな割駒(目盛)の位置を文字板上で動かし節気(半月)ごとに時刻表示の幅を調節します。動力となる重錘に時刻を示す針がついており、それが下降しながら割駒式の時刻板を示すという仕組み!文字板には、江戸時代の時刻を表わす「九、八、七・・」という文字が刻まれています。

2.節板式・・あらかじ不定時法に対応した文字板が用意されていてそれを付け替えるタイプ。

3.波板式・・節板式の文字板交換の手間を省くため、取り替えが不必要なタイプで、24節気が1枚の曲線グラフ状の目盛板にまとめられています。

博物館には、そのほかにも高価だったと言われる枕時計や印籠時計なども展示されていますので、じっくり見たいものですね。もちろん撮影可能ですから、バシバシ写真を撮りましょう!

江戸時代の時計師たちの技と知恵は見事で、唸るばかりです。そしてシンプルな形ではありますが、細かな部分に美しい細工がなされており魅力的です♪

映画の撮影にも使われたベンツ!!美しい形にほれぼれ♡

映画の撮影にも使われたベンツ!!美しい形にほれぼれ♡

写真:村井 マヤ

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写真のベンツは、映画に何度かお目見えします。最近では、2009年11月公開の映画「ゼロの焦点」(犬堂一心監督作品)の撮影に使われています。

このほかにも、博物館の自動車は「スパイゾルゲ」(2003年:篠田正浩監督)のゾルゲが乗った車としてダットサンセダン(1936年式/日本製/日産自動車株式会社:屋根は鉄板製の4人乗り)が使用されました。

※写真:メルセデスベンツ170S-D/1954年式(昭和29年)/西ドイツ製/ダイムラー・ベンツ社。戦後、ダイムラー・ベンツ社が最初に生産を再開した小型乗用車です。

意外な蝋人形にも出会えます♪ずらっとクラッシックな館内

意外な蝋人形にも出会えます♪ずらっとクラッシックな館内

写真:村井 マヤ

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写真向かって左の赤い車は、フェアレディーです。1961年式SPL213、左ハンドル、輸出用のダットサンフェアレディZのルーツなんだそうです。デザインがすごく素敵なのでぜひ見て触ってみてください!鍵が開いているものは乗って撮影もできるそうですから、丁寧に開け閉めして体感してくださいね。
 
蝋人形は、座っているのがリンカーン!そのほかにも、クリントン元大統領もいます。実は和時計コーナーのある入口付近には、オバマ大統領の蝋人形があり来館者を迎えてくれるんですよ!

小回り効く三輪タイプ!今でも新しいデザイン、色使い♪

小回り効く三輪タイプ!今でも新しいデザイン、色使い♪

写真:村井 マヤ

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写真手前の車は、マツダK360で丸ハンドルで乗用車並み!奥の黄色い車は、三菱三輪ペットレオです。果樹園や狭い道などの作業用補助車として利用されました。坂の町で、狭い道が多い広島県の尾道や鞆の浦などは、こんな車が便利かもしれません。最近は農業が流行っているということなので使えそうです!なんだか今でも乗れそうな気がしませんか?

さらに奥に見えるのは、ダイハツミゼットです。色使いやデザインがとっても素敵です♪なんだか可愛い顔してますよね!

コレクションの多さに圧巻!ボンネットバスの試乗会も♡

博物館所有のボンネットバスは、試乗することができます。実は、こちらのボンネットバスは期間限定ではありますが、福山〜鞆間を実際に運行しています。詳しくは下記MEMO「ボンネットバス 運行情報 鞆鉄道株式会社(トモテツバス)」参照。

博物館での試乗会も期間限定できます(下記博物館HPをご覧ください)。期間外でのボンネットバスの試乗は、15名様以上の社会見学や団体旅行で来館される場合、10日前までに予約をすれば可能です。もしくは、ボンネットバスでの福山駅北口までの送迎なんかもしてもらえます♪

福山観光に大人数で来られる際には、利用されたらどうでしょうか?

行かれる際は、必ず下記博物館のHPをご覧下さい!お得情報がありますよ・・(*^_^*)

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/09/07 訪問

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