愛知県碧南市にある碧南火力発電所は、1号機から5号機まであり、4号機と5号機の出力は100万キロワットと国内最大級。出力が高い発電所はほかにもありますが、燃料の多くは石油やLNGを使っていることが多く、碧南火力発電所のように1号機から5号機まですべて石炭のみで発電している発電所はなかなかないそう。中部電力の火力発電所の中でも、石炭を燃料にしているのは、この碧南火力発電所のみだそうですよ。
こちらの発電所は13.6ヘクタールもの広大な敷地があり、「たんとピア」と名付けられた電力館とヒーリングガーデン、エコパークなどで構成された地域共生施設となっています。
それでは、まず電気や石炭火力発電について学ぶことができる電力館を訪れてみましょう。
電力館は、碧南火力発電所の4号機や5号機を中心にした発電の仕組みを、わかりやすく解説してくれる施設です。発電所で働く人たちのパネルや音声で、新しい技術などを解説しています。
石炭という化石燃料が、どうやって電気を生み出しているのか、また、環境にどのように配慮しているのかなどを、カラフルなボールを使って説明する「へきなんボールマシン」、無煙炭、歴青炭、亜歴青炭の3種類の石炭を実際に触って、形や重さを知ることができるコーナー、コイルの中に電流を実際に流してLEDを光らせたり、回転式発電機で自分で電気を起こしたりできる装置などがあり、日ごろ使っている電気がどのように作られるか、また石炭をどのように発電に使っているかなど、詳しくてたのしい展示物がたくさん。
「テーマシアター」では、電気が人々の生活にとってなくてはならないもので、人々の生活を豊かにしてくれるということが、18分間の映像で伝えられます。これを見ると、何気なく使っている電気について考えることができ、節電の意識も高まること間違いなし。大人でも見ごたえがある映像となっていますよ。
電力館では毎月1〜2回のペースで、碧南火力発電所の施設を見学できる「発電所探検ツアー」が催されています。見学できる施設は毎回さまざまで、発電所の水めぐりコースでは、降った雨水を貯炭場で使っている様子や、石炭山への迫力満点の散水シーンなどが見られ、貯炭場見学ツアーでは、火力発電で使われる石炭山を間近に見ることができます。ナゴヤドーム10個分もの広さがある広大な貯炭場にある山積みの石炭。外国から石炭を輸入する際に使用する石炭運搬船。日ごろ見られないものが見られるので、ツアー開催日はぜひご参加を。
電力館の正面玄関からバスで出発し、バス内ではガイドさんの、クイズ形式の楽しい解説があります。石炭運搬船で運んできた満載の石炭は、この火力発電所ではわずか3日で使いきってしまう、なんていう驚きの話も聞け、勉強にもなります。
発電所見学ツアーのバスは、火力発電所の敷地内をゆっくりと進みます。アスファルトで舗装された道や道路標識などもあり、工業地帯の中を走っているかのようですが、これは碧南火力発電所の敷地内なんですよ。敷地があまりに広いので、中で働く人が自転車で移動する様子なども見られます。
バスは火力発電所の敷地内のほとんどを通ってくれますので、どのツアーに参加しても貯炭場やタービン建屋の外観などは見られます。石炭運搬船が停泊しているかはその日次第ですが、頻繁に運搬しているとのことですので、見られる可能性は高いようですよ。
電力館で行われる無料のバスツアーは、日時が限定されていますが、2名以上の参加があれば、あらかじめ予約をして発電所の見学をすることもできます。2名から7名までであれば電力館のワゴン車で、団体の場合は来訪者のバスを利用して案内してもらえます。バスツアーでは見学できない、タービン建屋内の中央制御室の見学もできるので、あらかじめ訪問が決まっている場合は、予約制の見学もおすすめです。
「たんトピア」は電力館とヒーリングガーデンとエコパークからなっており、電力館見学やバスツアーのあとには、約7ヘクタールの広さのヒーリングガーデンに足を運んでみてください。中央には広い芝生広場、じゃぶじゃぶ池やウォーターガーデン、季節の花々が咲き乱れるワイルドフラワーガーデンなどがあり、整備された緑地公園のような充実した施設が広がっています。
芝生広場ではボール遊びもできますし、夏場であればじゃぶじゃぶ池で遊ぶ子どもたちの姿も見られます。お弁当を持ってくればピクニック気分も味わえますよ。
小高い丘のような展望台からは碧南火力発電所の全容が見え、いかに巨大な発電所であるかがわかります。
ヒーリングガーデンの南東には、約5ヘクタールの面積を誇るエコパークがあり、ガーデンから連絡橋が架けられています。木道を散策しながら野鳥の声に耳を傾けたり、エコパーク全体が見渡せる「櫓展望台」から野鳥が飛び立つシーンを眺めたり、野鳥を驚かせないように半地下式に造られた野鳥観察舎もあります。
写真にあります「グリーンセンター」はヒーリングガーデンとエコパークのすべてがわかる施設で、コミュニティスペースや多目的スペースなどが無料で使えるようになっています。
火力発電所の見学をし、ヒーリングガーデンやエコパークで遊びながら過ごすと、あっという間に1日が過ぎてしまう施設です。楽しく勉強でき、節電意識も高まり、無料で遊べるスポットですので、天気のいい日にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
ちょっとしたお休みの日に無料で遊べるスポットとして、とても有意義な1日が過ごせるのがここ「碧南火力発電所」。「たんトピア」の電力館で発電の仕組みを知り、発電所見学ツアーで日本最大級の発電所の建物の大きさに驚き、広大なヒーリングガーデンの芝生広場でのびのびとボール遊び。また、エコパークで野鳥の観察をしていると、1日があっという間に過ぎてしまいます。次のお休みの日に、お弁当を持ってお出かけになりませんか。
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(2024/4/23更新)
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