写真:東郷 カオル
地図を見る京都の蓮華寺へは出町柳から叡山電車に乗るのが便利です。叡山電車は都会の電車とは違い輸送力に限りがありますので、紅葉シーズンに利用する場合はなるべく朝早くから出かけましょう。ピーク時には、乗れなくて1本見送るなんてことはザラにあります。
途中、一乗寺、修学院、宝ヶ池でパラパラと乗客が降りていきますが、八瀬比叡山口まで乗られる方が多いです。
今回訪れる蓮華寺は八瀬比叡山口の一つ手前の三宅八幡という小さな駅で下車します。降りる人が少ないので、かなりの視線を感じるかもしれません。でも大丈夫です。悪意のある視線ではなく「あの人はこんな駅で降りて、どこに紅葉狩りに行くんだろう?」「この駅で降りたら、もしかしたら穴場があるのかな?」という興味の眼差しなのです。
写真:東郷 カオル
地図を見る駅を降りたら、迷わず蓮華寺を目指しましょう。できれば同じ電車に乗って来た人たちよりも早くお寺に着いて、人が写らない状態の写真を1枚。地図はあらかじめ頭に叩き込んでおきたいものです。
蓮華寺は幹線道路から少し入った場所にあるのですが、道路を歩いていると写真のような、蓮華寺に続く小さな小道がありますので、ここを入ります。クリアフォルダーに手書きの文字が緊急案内板となっているところが、このお寺が穴場であることを物語っています。
京都に紅葉を求めて来たら、あまりの質素さに「エッ?」と思うかも知れませんが、いかにも穴場らしい、有力寺社にはない雰囲気を醸し出しています。
写真:東郷 カオル
地図を見る叡山電車・三宅八幡駅から5分少々。蓮華寺の山門をくぐると美しい黄金と赤のコントラストが広がります。訪れる時期によってはイチョウの黄色が勝っていたり、カエデの赤が勝っていたりと、ワンシーズンに何度か訪れても、その都度違った色合いの景色が楽しめます。
京都の紅葉といえば、繊細なイロハカエデ(イロハモミジ)の「赤」をイメージする人も多いと思いますが、蓮華寺ではカエデはもちろん、石畳の上のイチョウの「黄金」目当てで来るカメラマンも多数。
イチョウの絨毯と、空には赤いカエデ。コントラストがとても美しい光景です。
写真:東郷 カオル
地図を見る蓮華寺で有名なのが、詩仙堂を造営した石川丈山もしくは小堀遠州の作庭ではといわれる池泉廻遊式の庭。庭を見渡せる書院に座り、池に映る紅葉を眺めるのもいいですね。
先ほどご紹介した、山門を入ったところのイチョウ・カエデの色づきよりも、お庭のカエデの色づきのほうが遅いので、割と長い期間見頃が楽しめるお寺です。同じ日の撮影なのに、書院からの眺めは山門付近と比べるとまだまだ青いですね。
京都の紅葉が愛される理由は、カエデの種類にあると言えるでしょう。京都で多く見られるのがイロハモミジ。葉の大きさはカエデ属の中では最も小さく、それが繊細さを演出し、京都の町や寺社に映えるのでしょう。山全体が紅葉する東日本に比べ、京都の紅葉にはまるで職人の技のような細やかな美しさがあります。
人が写らない写真を撮りたい人は、朝一番の拝観をおすすめします。三脚を立てたカメラマンが数人いるとは思いますが、その横で撮影すると人の入らない写真が取れたりします。
観光客の活動が活発になる時間帯は、記念撮影をする人が多いので、どうしてもその人たちが景色に入ってしまいます。
取材日は、土曜日の朝。叡山電鉄は大混雑ですが、蓮華寺は人の入り込まない写真が撮れるほど、人がまばら。恐らく数年かけて徐々に混雑するのではないかと予想されますので、できれば平日の朝を狙いたいものです。
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(2024/4/19更新)
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