伝説が残る「西山本門寺」は、B級グルメの富士宮焼きそばで有名な街、富士宮市の芝川地区にあります。富士山麓の西側に位置し、田園風景に囲まれた、のどかな場所。こちらは、そんな寺の参道入り口にある黒門です。ここから、信長の首が埋設されているという「首塚」や、本堂まで約135段の石段があります。参道は、樹齢約450年もある杉並木が続き、歩くだけでも木からパワーをいただけてしまうような雰囲気が漂っています。
ちなみに、こちらの寺の山号は「富士山」。日本一の富士山が、山門の傍らで「ひょっこり」顔を覗かせているのが見られます。
石段を登りきると、本堂に到着。
勇ましく構える本堂は見事で、大きな屋根瓦が特徴。お寺は富士山麓の五大寺院「富士五山」の一つになっています。日蓮上人から与えられた手紙「日蓮筆法華證明鈔(にちれんひつほっけそうみょうしょう)」・常子内親王が両親の菩提のために書写し納めた「紙墨法華経(しぼくほっけきょう)」などの寺宝は、国指定重要文化財になっています。その貴重な文化財は、毎年4月の「お虫干し」で一般公開され、見学することができますよ。
本堂の前に、樹齢400年もある立派な銀杏の木があります。黄金色に輝く秋は見事な紅葉が見られます。本堂にかかるのは、その銀杏の枝。四方に幾筋もの枝を伸ばし、枝でさえも支えが必要なほど大きな枝。樹高は約35mもあって、毎年この銀杏が色づく頃に「信長公黄葉まつり」が行われます。
こちらは、歴史に名高い武将「織田信長」の首が埋まっているとされる首塚。この寺を訪れたら、絶対に外せないスポットで、本堂を正面に左側へ進むと首塚入口があります。
木を揺らす風の音と、鳥のさえずりだけが聞こえる自然豊かな場所。そんな中に、ひっそりと佇んでいます。昼間でも人気がなく、静寂に包まれた不思議な空間。まるで時が止まったかのような感覚に陥ってしまいます。沈黙を続けながらここに眠る信長は、何かを語りかけているようです。ここを訪れて、何かを感じてみてはいかがでしょうか?
伝説によれば、本能寺の変の当日、信長のお供をしていた原志摩守宗安が、囲碁の名人と言われた本因坊砂算の指示によって、ここ西山本門寺まで運んで供養したそうです。首塚の左側には、ここを築いたときに植えられた樹齢500年もの柊の木があります。この柊には、何故かトゲがなく、とても珍しい柊です。実際に行って、是非確かめてみて下さいね。
先程もご紹介しましたが、伝説に由来する「信長公黄葉まつり」が毎年11月に開催されます。まつりは、信長の首塚前で行われる「信長公供養祭」からスタート。参道は、露店が軒を連ねる「信長夢の食街道エリア」などに様変わりし、ご当地グルメ「富士宮やきそば」をはじめ、県内のグルメが一堂に揃います。
武士の格好をした「武士行列」も行われ、まつりのメインはやっぱり、この「火縄銃の演武」。信長と言えば、火縄銃を伝えたのは有名な話。そこで、火縄銃の実演が行われます。
写真に見える柵は「馬防柵(まぼうさく)」。騎馬軍団に対抗するため、馬の侵入を防ぎ、火縄銃で攻め入る敵を迎えうったとされる柵。戦国時代に信長が考え出した作戦と伝えられ、そんな柵に向かって撃たれます。
縄に火が付けられると「パチパチッ」と燃え上がり、弾が放たれると火花を散らしながら「ばぁーん」と轟音と共に上がる大量の煙。
放たれた後、硫黄の香りが辺り一帯に漂い、迫力満点!
現代では、火縄銃を見ることは滅多にありません。是非この機会にいかがでしょうか?
「第15回 信長公黄葉まつり」
開催日:平成26年11月9日(日曜日)
開催時間:9時から15時
※詳しい内容は下記のMEMO【第15回信長公黄葉まつり】よりご覧下さい。
富士山麓にある西山本門寺から30分ほど車を走らせると、世界遺産構成資産の一つの「白糸の滝」や、牧草地帯が広がる「朝霧高原」があります。高原には、富士ミルクランド・まかいの牧場など、動物と触れ合えるスポットが点在。晴れの日は、目の前に雄大な富士山が見られますよ。
伝説の地を訪れて、歴史の謎に触れる旅は案外面白いものですよ。春は桜・秋は紅葉など、季節が織りなす風景も素敵です。是非一度足を運んでみませんか?
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