クバール・スピアンは、シェムリアップ川の源流にある遺跡です。この遺跡が作られた11世紀という時代を思うと、源流に作る遺跡の意味に想いをめぐらせることが出来るのではないかと思います。源流や水源は、今もそうですが、ライフラインが整っていない時代ではより意味が大きいもの。
そして、この遺跡は水の中にレリーフが掘られています。にもかかわらず、信じられないほど美しく、時の流れを感じさせない姿で残されている彫刻の数々がここにはあります。人々の想いと神様の力?そんな目に見えない何かを想像してしまう神秘的な遺跡です。
クバール・スピアンの遺跡までは、世界遺産アンコール遺跡群の構成要素のなかの主要な遺跡があるシェムリアップの中心地から車で一時間ほど。駐車場からさらに一時間ほどのトレッキングが必要になります。トレッキングといっても、歩きやすい靴以外は、季節によって雨に備える程度の軽装で見学することが出来ます。
しかし、ここはカンボジア。シェムリアップの中心地の遺跡でも、観光が許された道を反れることは地雷の危険性から注意が促されています。クバール・スピアンが長年公開されていなかった理由のひとつでもあるので、ルートやルールはきちんと守ってください。
大自然のなかのトレッキングは、規則さえ守ればとても素敵なものです。
クバール・スピアンのメインは、このヴィヌシュ神のレリーフ。ヒンドゥー教の神の一人で、アンコール遺跡群にはよく登場するのですが、大自然のなかにゆったりと佇む様や水に打たれる姿は、なんとも言えない美しいものです。
このレリーフに辿り着いたら、あとは降るだけ。周辺は、マイナスイオンに溢れた美しい自然ときれいな水にうっとりしてしまう空間なので、思う存分のんびりしてみても◎。
帰りは川沿いの道を降りながら、いろいろな遺跡の続きを探します。
この、丸がたくさん並んでいるのはリンガといって、アンコールをはじめとするヒンドゥー教遺跡には欠かせないモチーフ。男性器をモチーフにしており、豊穣多産の象徴となっています。川の流れに沿って、ずっと続くリンガは、そんな人々の願いです。
このほかにも、何種類かのレリーフや彫刻が見られます。プロットされた地図を持っていても、自然に溶け込んでいるので見つけるのは至難の技!時間をかけて探してみてください。
こちら、何だと思いますか?
横たわるカエルの彫刻。こちらは遠目から見るとただの石なので、とくに見落としがちです。でも、レリーフとは一風変わった存在なので、見逃せませんよね!
クバール・スピアンは、往復に二時間程度掛かるということで、入場開始時間に規制があります。また、アンコール遺跡群の入場券が必要になりますが、こちらでは購入することが出来ないので、市街地を出る前に準備してください。
入場時間やチケットについては、少しずつ変化があるようなので、事前にご確認をお願いします。
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