目黒大黒天「大圓寺」で開運出世、病気治癒、悩み事解消…!

目黒大黒天「大圓寺」で開運出世、病気治癒、悩み事解消…!

更新日:2020/01/27 15:00

大宮 つるのプロフィール写真 大宮 つる 開運ライター、台湾愛好ライター
東京・目黒の行人坂を下った途中にある「大圓寺」は、開運出世祈願などで信仰の篤いお寺です。ご利益は開運出世のほか、「とろけ地蔵」があることから“悩み事解消”や、「薬師如来」に金箔を貼り付けて体の良くないところについて祈願する“病気治癒”、「八百屋お七と吉三の墓碑」があることから“縁結び”などといったご利益もあります。江戸城の裏鬼門を守護する寺社の一つで、大黒天もお祀りされています。

行人坂を下っている途中にある「大圓寺」

行人坂を下っている途中にある「大圓寺」

写真:大宮 つる

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JR目黒駅西口を出て、左方向に行くと「三井住友銀行目黒支店」があり、そこから行人坂が始まります。「東京にこんな急な坂があるのか!」と驚くほどの、長さは約150mの平均勾配が約15.6%になる急な坂です。

行人坂の由来は、今回ご紹介する「大圓寺」にあります。寛永年間に、このあたりに住む住民を苦しめていた“不良の輩”がいたそうで、この場所の治安を良くするために徳川家は奥州(湯殿山)から高僧行人の「大海法師」を勧請し、開山しました。

「大海法師」は、無事に“不良の輩”を一掃。その功により徳川家康から「大圓寺」の寺号を与えられたとのこと。当時、この寺に「行人」が多く住んでいたことから、この坂道は行人坂と呼ばれるようになりました。

その行人坂を下っている途中にあるのが「大圓寺」。江戸城の裏鬼門(南西)を守護する寺社の一つで、開運出世祈願などで信仰の篤いお寺です。裏鬼門守護のために「大黒天」が祀られ、現在もご本堂に祀られています。霊験あらたかでその当時から“江戸の三大黒天”の一つとして崇拝されていたそうです。

寛永元年に再建されたご本堂

寛永元年に再建されたご本堂

写真:大宮 つる

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ご本堂は寛永元(1624)年に再建された当時のもので、寺伝によると芝白金あたりの寺のご本堂を買い受けて移築したとあり、文政・天保期の建造物と推測されているようです(平成2年に補修・改修)。

ご本堂には「開運招福大黒天」と「十一面観音像(区指定文化財)」が安置されています。開運招福大黒天は、薩摩藩主の島津候から寄進されたものと伝えられており、家康公の顔をモデルに天海上人が彫ったという伝承もあるとか。

寛永元年に再建されたご本堂

写真:大宮 つる

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写真のむかって右側にご鎮座する「薬師如来」像。真言「オンコロコロ センダリ マトウギソワカ」を唱えながら、体の良くないところに金箔を貼り祈願するとご利益があるそうです。金箔は500円で授与いただけます。

東京都指定有形文化財「大円寺石仏群」

東京都指定有形文化財「大円寺石仏群」

写真:大宮 つる

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大圓寺はそれほど大きなお寺ではないのですが、寺内には歴史を伝える史跡が多くあります。そのうちの一つが「大円寺石仏群」。

釈迦三尊像を中心に、十大弟子像、十六羅漢、491基の五百羅漢像が安置されています。見る者を圧倒する石仏群ですが、こちらは明和9(1772)年に起きた江戸市中を焼く大火「行人坂の火事」により亡くなった人々を供養するために建立されたものと記録が残っているそうです。

羅漢像を一つ一つ見ると、表情が異なっているのがわかります。

石仏群のなかにある「とろけ地蔵」

石仏群のなかにある「とろけ地蔵」

写真:大宮 つる

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石仏群のなかにあって目を引くのが「とろけ地蔵」です。こちらのお地蔵さまは、江戸時代に品川沖で漁師の網にかかって出現したものとのこと。保護のためか、赤い布をまとっています。

ご利益は「悩みをとろけさせ、解消してくれる」と言われている有難いお地蔵様です。

「生身釈迦如来像」が安置されている釈迦堂

「生身釈迦如来像」が安置されている釈迦堂

写真:大宮 つる

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ご本堂のむかって左側にあるのが、「生身釈迦如来像」が安置されている釈迦堂。こちらの釈迦堂は、地震、火事、水害などあらゆる災害にビクともしない堅牢な建物です。

生身釈迦如来像は京都の清凉寺(せいりょうじ)式の釈迦如来像で、国の重要文化財に指定されています(旧国宝)。こちらを厳重に保護する目的でこのような造りとなっています。大圓寺の釈迦如来像には、白銅菊花双雀鏡や女性の髪の毛などが納められており、このことから生身(しょうじん)の釈迦如来像と言われる理由です。

ご開帳日は下記のとおり。大晦日以外は、ご開帳の時間は午前8時〜午後8時です。

【ご開帳日】
・大晦日(午後11時〜午前2時まで)
・お正月1日〜7日
・花祭り(お釈迦様の誕生日)4月8日
・甲子祭(年6回)
・東京都文化財ウィークディ期間


以上、江戸の歴史と深く関わりのある「大圓寺」の見どころや史跡などをご紹介しました。なお、本文中ではご紹介できませんでしたが、「八百屋お七と吉三(西運)」の墓碑や行人坂敷石造道供養碑、目黒川架橋供養勢至菩薩像などといった指定文化財もあります。

また、近くには目黒雅叙園、目黒寄生虫館、蛸薬師成就院、目黒不動尊などといった観光スポットもあるので、あわせて足を運んでみてはいかがでしょうか?

東京「大圓寺」の基本情報

住所:東京都目黒区下目黒1丁目8−5
電話番号:03-3491-2793
アクセス:目黒駅から徒歩3分

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/24 訪問

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