海外旅行に警鐘!渡航前に知るべき恐怖・横浜クイーンの塔

海外旅行に警鐘!渡航前に知るべき恐怖・横浜クイーンの塔

更新日:2014/09/19 14:22

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 神社・グルメナビゲーター
昨今、覚せい剤や危険ハーブの使用、及び不正密輸の発覚などの不祥事が多発しています。世界各国同じような事態ですが、本来、日本ほど薬物に厳しい国はそう多くないのです。
その取締りの厳しい日本において、この由々しき実態と常に向き合い、日々、厳しい視線を投げかけている機関が税関です。

今回は、海外旅行での無用のトラブルに巻き込まれない為に、薬物や密輸の知識と見識を広める横浜税関をご案内いたします。

美しいバラには棘!

美しいバラには棘!

写真:Naoyuki 金井

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横浜の観光資源にキング・クイーン・ジャックの「横浜三塔」があります。キングは神奈川県庁本庁舎、ジャックは横浜開港記念会館、そしてクイーンが横浜税関庁舎です。
高さ51mの五階建ての庁舎であるクイーンの塔は、イスラム寺院を思わせる緑青色のドームを持ち、「ロマネスク」「ムーリッシュ」「古代インド」風などの様々な建築様式がブレンドされた美しいフォルムの建物です。

このクイーンの塔は、失業者救済のための公共事業として建てられ、当時あったキング(高さ49m)、ジャック(36m)よりも高く、港ヨコハマのシンボルに相応しい優美さを、とのことから1934(昭和9)年に建てられた三代目庁舎で初めてお目見えし、これを全面改修したものが、現在の四代目庁舎です。

先ずは、この美しいクイーンの塔をじっくり眺めて、横浜税関と言う未知の世界へ踏み込むことにいたしましょう。

瓢箪から駒!

瓢箪から駒!

写真:Naoyuki 金井

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クイーンの塔には、「クイーンのひろば」と呼ばれる横浜税関の資料展示室があり、税関の歴史や仕事の概要を知ることができます。
横浜税関の歴史はペリー来航と共に始まります。1859(安政6)年に横浜開港と同時に税関の前身である「神奈川運上所」が設置され、明治になり運上所の呼称が「税関」に統一され、現在に至るのです。

税関の役割には、貿易の円滑・関税の徴収の他に密輸出入の取締りがありますが、これは開国時に結ばれた欧米との条約「安政の五カ国条約」に端を発します。日本に非常に不利な条件で半ば強制的に結ばされた、と学校で習った記憶がある「不平等条約」のことです。しかし、このような不平等条約でも「阿片の輸入厳禁」という条項があったおかげで、今日まで薬物の国内持込を禁止できたのです。

当時の弱小国・日本が、薬物にまみれなかったのは、まさしくこの不平等条約のおかげなのです。

白い粉の恐怖!

白い粉の恐怖!

写真:Naoyuki 金井

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次は、その禁止されている代表的な薬物についてご説明しましょう。特に私たちが良く耳にする「覚せい剤」です。

白色の粉末や無色透明の結晶で、俗に「シャブ」「クスリ」などと呼ばれ、一般的には水溶液を注射しますが、煙を吸ったり飲み物に混ぜる方法もあります。
神経を興奮させ、眠気や疲労感をなくし頭が冴えた様な感じになることから、主にアーティストなどが創作活動に活かす為に、またプレッシャーから逃れる為、手を染めてしまうというケースも少なくありません。
特に依存症が強く、使用し続けると幻覚や妄想が現れ、錯乱状態となり凶暴性をまし、更に大量に摂取すると急性中毒で、最悪の場合、脳出血で死亡にいたることもあります。
また、最近クローズアップされている「危険ドラッグ」も、規制薬物と同等の作用を有する成分を含むものがあるので大変危険なのです。

より正しい知識を持ち、絶対に手を出さない強固な意志を持つことが肝心なのです。

オイッ、におうぞ!

オイッ、におうぞ!

写真:Naoyuki 金井

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禁止にも関わらず手を出す愚か者がいる為に、供給する愚か者もまた出現するのです。
しかし、本来はそれを食い止めるために日夜、税関が眼を光らせているのですが、写真のように供給側も非常に手の込んだ密輸を行い、税関もなかなか摘発できないのも事実です。

そこに登場したのが「麻薬探知犬」で、日本では昭和54年から導入され、現在、全国では120頭余りが配備されており、ここ横浜税関には9頭配備されています。
麻薬探知犬の犬種は、主にジャーマン・シェパードと、ラブラドール・リトリバーというよく知られた2種で、タイプとしては、貨物などの検査の際に麻薬の入った貨物を引掻いて知らせる「アグレッシブドッグ」と、入国検査場で隠された麻薬を座って知らせる「パッシブドッグ」がいます。

現在ではかなりの貢献度を示しており、人間や機械に代わって薬物密輸の重要な眼となっているです。

ニセモノは許さない!

ニセモノは許さない!

写真:Naoyuki 金井

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密輸出入品は薬物だけでなく銃器もあるのですが、最後にご紹介するのはもう少し私たちの身近な世界です。
税関は薬物・銃器だけでなく、知的財産侵害物件やワシントン条約違反物件などの取締りも行っています。つまりコピー商品・偽キャラクターグッズの摘発や、貴重種である野生生物を乱獲から守る規制をしているのです。

こうした摘発・規制にも関わらず、やはり税関の目をすり抜ける密輸品は沢山あります。
こうした密輸品に対する最後の砦が、私たち消費者なのです。単純、明解なことで買わなければ良いのですが、文字通り見分けがつかないといった理由で購入することもあるでしょう。したがって信用の置ける店舗での購入や、怪しそうな店舗や個人からは購入しないことが犯罪の減少に役立つのです。

クイーンの広場では、そのような本物と偽物比べや禁止野生生物の展示がされていますので、日頃のショッピングなどの参考になさってください。

人生、終わりやで!

最近の薬物事犯の傾向は、海外で初めて薬物を体験したという事例が目立っています。
これは、海外ではコカイン、マリファナ(大麻)等の、日本では規制されている薬物が安易に入手できるからです。また、第三者が巻き込まれる事例もあり、薬物を高級茶などといって売りつけたり、薬物を素知らぬ振りして荷物に紛れ込ませ「運び屋」にしてしまう事件も起きています。

犯罪に無関係であっても自分の所持品の中に薬物が発見されれば、幾ら無罪を主張してもそれを実証することは難しく、世界各地で薬物所持のなどのために刑務所に収容されている日本人は少なくないのです。
違法薬物には絶対に手を出さないことはもちろんのこと、危険な場所には近づかず、近づいてくる人を冷静に見る習慣が必要なのです。

海外旅行ビギナーは勿論のこと、ベテランであっても手口は巧妙になってきているので、くれぐれも楽しい海外旅行が、人生の墓場になってしまわないよう、税関で知識と見識を広めて、素敵な海外旅行をお楽しみ下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/16 訪問

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