大正時代にできた釜田醸造所。平成元年に改装し、「みそ・しょうゆ蔵」と名付けられました。
玄関から見える佇まいは民家そのもの。一歩足を踏み入れたその先は工場です。工場内からは、往時から変わらぬ醤油の香りがたちこめ、大正時代にタイムスリップしたかのようです。現在、この蔵では十数名が働き、今も変わらない釜田のしょうゆ・味噌を造り続けています。
入口にあるタヌキの置物が道標する脇道を10歩ほど行くと、そこからが工場です。まるで探検ゴッコをしているみたいでワクワクしますね。
工場は全長おおよそ100メートルの蔵。そこには、諸味室や製菊室、瓶詰め室など各工程で必要な部屋があります。ガラス張りや手の届く場所に器械は置いてありますので細部にわたって見ることができます。また、油圧器、NK式蒸煮缶、瓶詰機、水圧機など製造に必要な機械も現役で動いているので見ごたえありますね。100年以上もの間、この機械と共に醤油や味噌を製造しています。
ご存知の通り、醤油や味噌は大豆・小麦からできています。ここ釜田醸造所でも原料は同じです。
・醤油ができるまで
小麦を引き割り、そこに蒸した大豆を入れて混ぜます。こうしてできるのが糀。糀に塩水を混ぜて、発酵し熟成させるとうまみ成分の諸味が出来ます。諸味を絞り加熱。色や香り調えて醤油の完成です。
・味噌ができるまで
大麦を蒸して麦糀をつくります。大豆を蒸して柔らかくなったらつぶし、麦糀に塩を入れて混ぜ、熟成させたら完成です。
醤油も味噌も、大豆と大小の麦がかかせません。
この蔵にはいくつもの機械があります。
その中でもひと際目に止まるのが、「油圧器」。一見するとヒノキ風呂に見えなくもないですが、しょうゆをしぼる機械です。この油圧器は、ここでは「船」と呼ばれています。
船の底に、1年もの間寝かせた諸味が入っている麻袋を丸1日放置。
その次の日からさらに3日間、油圧器で圧力をかけていきます。圧力は最大で150トンもあります。この圧力を耐えてできた絞りたての醤油は、なま醤油と呼ばれます。このなま醤油を更に火にかけて出来上がり。たちこめる湯気がなんとも言えない香りです。
工場見学がおわったら一休み。入口にお茶処があり、ここで醤油の試飲や商品を購入することができます。全てオリジナルの商品なのですが、暑い日などは特にみそアイスにそそられてしまいます。
中は最中になっており、中身のアイスには、みそ。ほんのりとみその香りとしょっぱさがミルクアイスの甘味に良い塩梅。お茶とも良く合いほっこり気分です。
熊本県人吉市は、蔵造りがたくさん。人気の鍛冶屋町通りには職人の町とも呼ばれるほど、古くから、醤油や味噌、お酒やお茶が作られ、城下町を賑わせていました。今でも、石畳や風情ある町並みは残っており小京都と言われるのも納得です。
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