大自然と共生する街「釧路」、圧巻の湿原と丹頂鶴に出会う旅

大自然と共生する街「釧路」、圧巻の湿原と丹頂鶴に出会う旅

更新日:2014/08/29 16:21

日本最大の釧路湿原に代表される釧路。
北海道の東に位置し、海流の関係で夏場は涼しく、また霧も多く発生することから「霧の街」とも言われています。
湿原に生息する道鳥「タンチョウ」は、国の特別天然記念物に指定されており、自然保護にも力を入れています。
また、北海道三大市場の一つ「釧路和商市場」もここにあります。

まるでサバンナ?!日本最大の湿原は想像を遥かに超える広さ。

まるでサバンナ?!日本最大の湿原は想像を遥かに超える広さ。
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1987年、日本で28番目の国立公園として「釧路湿原国立公園」が誕生しました。
19,000haを超える面積を有する釧路湿原は、釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村の
4市町村にまたがる日本最大の湿原公園です。

特別天然記念物の「タンチョウ」をはじめ、この湿原に生息する動植物は2,000種にも上り、豊かな自然体系が守られています。運がよければ、散策中に野生のタンチョウやオジロワシ、エゾシカなどに出会えるかもしれません。

釧路湿原は、塘路、コッタロ、細岡・達古武、茅沼・シラルトロ、岩保木、北斗・温根内と、大きく6つのエリアに分かれていて、各エリアに散策用の木道や展望台が設けられています。何せ山手線の内側の3倍の広さがある場所ですから、体力や目的に合わせて、ある程度エリアを絞ってじっくり散策することをお勧めします。

体力に自信のないお子様やお年寄りにお勧めなのが、「くしろ湿原ノロッコ号」です。およそ45分かけて釧路駅から塘路駅を結ぶ観光列車で、のんびり走る車窓から湿原の景色を堪能しつつ、周辺に生息する野生の丹頂鶴を探してみるのも楽しみの一つです。

釧路湿原を短時間でシンプルに楽しみたい方には、釧路湿原展望台がお勧めです。湿原に群生する「ヤチボウズ」という植物をモチーフに造られた建物で、湿原の景色と調和しつつもモダンな外観が目を引く3階建ての展望台です。
館内には、湿原の構造がわかるジオラマや、湿原の四季を映すモニター、日本最大の淡水魚「イトウ」などが展示されていて、釧路湿原の「今」がわかる造りになっています。
屋上展望台からは、360度パノラマの絶景が楽しめます。地平線まで広がる釧路湿原、日本にもこんな広大な景色があったのかと思わず息を飲みます。

釧路湿原展望台を起点とする遊歩道は1時間ほどで散策が可能。所々に案内板が設けられていて、見所が解説されています。途中のサテライト展望台からは、サバンナの大草原を思わせる景色を楽しむことができ、撮影スポットとしても人気です。

【釧路湿原で見られる動植物】
タンチョウ、オジロワシ、シマフクロウ、エゾシカ
クシロハナシノブ(6月〜7月)、ツルコケモモ(6月〜7月)、ヤチボウズ 等

【くしろ湿原ノロッコ号】
運賃:釧路〜塘路 540円(小人半額)※指定席料金別途310円
運休日あり 要確認

【釧路湿原展望台】
入館料:一般・大学生470円 高校生250円 小中学生120円
開館時間:8:30〜18:00(5月1日〜10月31日)
     9:00〜17:00(11月1日〜4月30日)
アクセス:釧路駅から車で約40分
     阿寒バス鶴居線・幌呂線 温根内ビジターセンターバス停下車徒歩5分

特別天然記念物の「タンチョウ」、釧路では街中にも姿を現します。

特別天然記念物の「タンチョウ」、釧路では街中にも姿を現します。
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日本人が鶴と聞いてまず思い浮かべるのがこの「タンチョウ」でしょう。
頭頂部だけが赤く、白色と黒色の美しい羽を持つ「タンチョウ」は折り鶴のモデルと言われ、また、昔話や民話にも度々登場します。
江戸時代までは各地に生息していたようですが、乱獲により個体数が激減。その後、大正13年に釧路湿原で十数羽の生息が確認されてから保護活動が進められ、昭和27年には国の天然記念物に指定されました。現在では千羽を超える「タンチョウ」が確認されているそうです。

「タンチョウ」と言えば、雪原で求愛のダンスをしている姿を思い浮かべませんか?冬の鳥と思われがちですが、道東部では1年中その姿が見られるようです。
国道を通行中、道路脇に「タンチョウ」のつがいを発見した時は一瞬目を疑いましたが、地元の方に言わせると日常のことだそうです。

街中でも出会える可能性のある「タンチョウ」ですが、確実に見たいと思ったら「釧路市丹頂鶴自然公園」がお勧めです。

1年中「タンチョウ」の姿が見られる「釧路市丹頂鶴自然公園」

1年中「タンチョウ」の姿が見られる「釧路市丹頂鶴自然公園」
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「釧路市丹頂鶴自然公園」は、絶滅の危機にあった「タンチョウ」の保護増殖を目的としていて、昭和33年の開園以来、自然孵化や人口孵化を成功させ、「タンチョウ」保護増殖事業の一役を担っている公園です。

まずは入口近くにある展示室を見学しましょう。卵からヒナ、成鳥になるまでの成長過程や生態が、剥製やパネルによってわかりやすく解説されています。大きな翼を広げた「タンチョウ」の剥製は、その美しさに思わず目を見張ります。

屋外には大きな区画に分けられたケージが並び、そこで十数羽の「タンチョウ」が自然に近い形で生活しています。ケージには屋根がなく、自由に出入りができる造りになっているため、翼を広げて翔び立つ瞬間が見られることも。逆に外からの侵入者である鳩やサギ、鷹なども給餌場の常連で、「タンチョウ」に威嚇される様子には自然界の厳しさを感じずにはいられません。

ケージには30センチほどの穴が開いていて、そこからカメラを入れれば、金網に邪魔されることなく美しい「タンチョウ」の姿を撮影できます。時にはかなりの至近距離まで寄ってきてくれることもあるので、シャッターチャンスをお見逃しなく。

「タンチョウ」は春から秋頃が繁殖の季節です。可愛らしい雛鳥を見るなら、この時期を選ぶと良いでしょう。おぼつかない足取りでチョコチョコと親鳥を追う姿はとても愛らしく、心癒されます。また、「タンチョウ」は夫婦で協力しながら子育てを行うそうで、親鳥の甲斐甲斐しい子育ての様子も一見の価値があります。

また、四季折々の様々なイベントも行っていますので、お子様からお年寄りまで、年間を通して楽しめる施設です。

【釧路市丹頂鶴自然公園】
入園料:一般(高校生以上)470円  小学生・中学生 110円
開園時間:夏季 9:00〜18:00(4月10日〜体育の日)
     冬季 9:00〜16:00(体育の日の翌日〜4月9日)
交通アクセス:たんちょう釧路空港から車で約5分
       JR釧路駅より阿寒バス阿寒湖畔行きで55分 鶴公園バス停下車すぐ

見てビックリ!食べて満足!!釧路市民の台所「和商市場」

見てビックリ!食べて満足!!釧路市民の台所「和商市場」
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「札幌二条市場」「函館朝市」と共に、北海道三大市場に名を連ねる「釧路和商市場」。釧路市民の胃袋を支えるこの市場は、JR釧路駅から徒歩1分という好立地で、観光客からも大変な人気です。

一歩市場に足を踏み入れると、そこには新鮮な海の幸を扱うお店が軒を連ねています。お店の方々の活気ある掛け声に、自然と気持ちが高揚してきます。

お土産を購入するのもいいですが、やはりここはお腹をすかせて行って、和商市場名物の
「勝手丼」を頂きましょう。

お惣菜店で丼に入った酢飯か白飯を購入し、鮮魚店で好きな魚介類を選んで乗せてもらったら、オリジナル「勝手丼」の出来上がりです。市場内の常設テーブルでゆっくりと召し上がれ。

具材は旬の魚介や卵焼きなどが切り身で売られているので、予算の心配や、好き嫌いのある方でも安心です。聞きなれない魚の名前があったら、気軽にお店の方に聞いてみましょう。味や食感などを丁寧に説明してくれます。
(市場の方によると、勝手丼の相場は1,500円〜2,000円位だそうです)

市場では、当然カニも大人気です。ボリューム満点の茹でガニが手頃なお値段で楽しめます。お店の方にお願いすれば、食べやすく切ってくれますので、手を傷めることなくその場で頬張れます。

市場には、焼き魚や煮物などのお惣菜も豊富に揃っているので、色々目移りしながら、お好みの定食を作って楽しんでください。

お店によって、魚介の種類やお値段に多少の違いがあったり、日によっては希少な種類の魚介が入っていることもあるので、市場内を隈なく見て回ることをお勧めします。

【釧路和商市場】
営業時間:1月〜3月 8:00〜17:00(月〜土)
     4月〜12月 8:00〜18:00(月〜土)
     日曜の営業日(要問合せ) 8:00〜16:00

交通アクセス:JR釧路駅より徒歩1分

釧路の見所は他にもたくさん。

釧路には、季節を問わずたくさんの見所があります。
軽く見て回るも良し、じっくりと時間をかけて堪能するのも良し、様々なプランの立て方が可能です。
北海道全般に言えることですが、レンタカーを利用すればスケジュールも組み易く、時間にもゆとりが生まれるのでお勧めです。

雄大な大自然と豊かな食材を味わいに、是非一度訪れてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/04 訪問

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