日本最南端の国宝!熊本にある「青井阿蘇神社」の茅藁屋根は美しい

日本最南端の国宝!熊本にある「青井阿蘇神社」の茅藁屋根は美しい

更新日:2014/08/19 11:11

熊本県には、日本三大急流のひとつに数えられる球磨川があります。その近くに位置する「青井阿蘇神社」は、平成二十年六月九日に熊本県で初の国宝に認定されました。茅葺の社寺建築では全国で初めて。また神社が国宝として認定されたのは、この時実に四十七年ぶり。
熊本が誇る、日本最南端の国宝・青井阿蘇神社の見どころをご紹介します。

青井さん

青井さん
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「青井阿蘇神社」は、平安時代初期の806年に建てられました。
その名の通り阿蘇の地名に由来していますが、阿蘇から遠く離れる人吉地方の守り神です。地元の人には「青井さん」と呼ばれ、多く人が幸福を祈る開運のご利益のある神社なのです。

現在の社殿群は、人吉藩二十代藩主・相良長毎により1610年に造られたもので、5棟からなります。
鳥居をくぐってすぐ傍には楼門、向いには拝殿と、どの建物にももっさりと茅葺が覆いかぶさっているのが特徴的です。そして、この茅葺は常に綺麗に手入れされているので、とても美しいではありませんか。

鳥居から茅葺屋根の楼門がお出迎え

鳥居から茅葺屋根の楼門がお出迎え
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鳥居をくぐり階段を上ると、楼門。
今来た道を振り返ると眼下に広がるのは、蓮池と禊橋。真っ赤な禊橋と真緑色の蓮の葉のコラボが情緒あふれます。

楼門を含めこの神社には独特の様式があります。
軒下の隅にまるで何かを守るようにして嵌め込まれている鬼面や、天井の龍の絵が描かれているのがこの地方ならではの文化。この手法は、地名を取って「人吉様式」と名付けられました。
ちょっと怖い鬼ですが、守り神として今も昔も参拝客や地域の人たちを見守り続けていることでしょう。

茅葺屋根の拝殿でお参り

茅葺屋根の拝殿でお参り
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一番多くの方が訪れる拝殿。
ここでも人吉様式が大活躍。いたるところで鬼面や龍を見ることができます。
高さ12メートルの拝殿。日頃、高層ビルに囲まれているとやや物足りない高さかもしれません。しかし、忘れてはいけないのがこの建造物は千二百年前のもの。それを考えると感動すら覚えますね。
そして特徴的な茅葺屋根がなんとも可愛らしく見えるのは私だけでしょうか。
あいにくの空模様でも、観光客が意外と参拝に訪れます。人が入らない神社だけの写真を撮ろうとすると苦労するほど。それほど絶え間なく、多くの人が訪れる神社なのです。

神社への散歩道

神社への散歩道
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青井阿蘇神社のもう一つの見どころは、社殿周辺の蓮池です。
蓮は、六月〜七月が見頃。白い花が咲く頃には、初夏を感じさせる景色となります。また、蓮池横には桜並木なので三月には桜が満開。、四季折々を感じることのできる風情ある散歩道です。
鳥居の向かいには、真っ赤な禊橋。これもまた、蓮の葉の緑と良い塩梅で調和していて良いですね。

おわりに

熊本市内から列車で揺られること3時間弱で辿り着く人吉。
小京都も呼ばれる人吉エリアにある青井阿蘇神社は、熊本で初の国宝に認定されました。さらには、日本でも類例がない建築方式や綺麗に手入れされた茅葺屋根の神社はここでしか見ることができません。
境内には他にも、継承殿、弊殿と歴史をたどる痕跡がたくさん。熊本の違った一面を見るには絶好のスポットです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/14 訪問

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