妙高山の懐に抱かれた混浴の露天風呂 燕温泉「河原の湯」

妙高山の懐に抱かれた混浴の露天風呂 燕温泉「河原の湯」

更新日:2014/08/11 11:42

妙高山の中腹に無料の露天風呂が2つある。一つは混浴の「河原の湯」。もう一つは、湯のまわりに落ちる葉で黄金色に輝くといわれることから名付けられた「黄金の湯」。雪の季節にはクローズ。山の夏は短い。良い季節に、燕温泉街からさらに奥にある、風情のある風呂を訪ねてみよう。

「河原の湯」は標高1、100m 温泉街から15分の山の中

「河原の湯」は標高1、100m 温泉街から15分の山の中
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百名山の一つで「越後富士」とも呼ばれるのが新潟県の妙高山(標高2、454m)。その中腹に、明治時代に開かれた燕温泉がある。妙高山の温泉街としては、いちばん標高の高いところで、ざっと標高1、100m。つま先上がりの急坂に並ぶ5軒の宿からなる温泉街から、さらに山手をめざす。

薬師堂で二手に分かれる辻を右手へ進み約10分。「妙仙橋」と銘板のある吊り橋を越えたところを、さらに左にとり、小川に沿って小道を登っていくと、突き当りに「河原の湯」がある。

出かけたときには橋桁はなく工事中で、人の迂回路と仮の橋が組まれていた。ここまでの道は平坦だが、大田切川を見下ろし、切り立った崖伝い。補修が繰り返され、道幅は広げられているので、通行に問題はないが、ガードレールがあるわけではないのでご注意。

「混浴」に知恵もの女性は水着姿 男性陣の方がナイーブ?

「混浴」に知恵もの女性は水着姿 男性陣の方がナイーブ?
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「河原の湯」は、地元では「混浴」が売り物。大きくはないが、更衣室は男女別に仕分けられ、脱衣ができるように設けられている。

といって、なかなか若いお嬢さんが、混浴の露天風呂に裸で入っていくのは勇気がいる。バスタオル巻きも許容の範囲だが、水着を用意すれば安心だ。

たまたま出合わせた2人連れの女性たちは、ちゃんと水着を用意して入っていた。関西から前日やって来て下の赤倉温泉に泊まって、この露天風呂を楽しみに来たといい、「準備は万端」と涼しい顔。

むしろ、そんな水着女性に対して、若いイケメン男性の方が、ナイーブだ。エメラルド色がかった乳白色の濁ったお湯に、入っているうちは良いが、なかなか出られない。

泉質は硫黄泉。湯温も体温よりやや高め程度の微温だから、長湯することはできる。とはいえ、一般的に、この「混浴」、男性軍の方が興味はあっても、なかなか心を含めて準備は不十分のようだ。対抗上の水着準備も悪くないかもしれない。

湯船は、ざっと15人程度が一度に入れるほどの広さ。石組みで、底の部分が凸凹だったりするので、滑ったり足を引っ掛けないように気をつけよう。

湯船のすぐ脇に目を移すと、先ほどの小川が小さな滝を作るせせらぎ。自然を満喫しながら、ゆっくりと浸かることのできる湯だ。

もう一つは男女別「黄金の湯」 登山者の基地らしい姿も

もう一つは男女別「黄金の湯」 登山者の基地らしい姿も
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先ほどの薬師堂まで戻る。薬師堂の階段を上り、さらに妙高山を目指すように、急坂を登る。「約5分」と案内板にあるが、実際にはもう少しかかる。スキー場のゲレンデのような斜面。そこに、もう一つの湯、「黄金の湯」がある。

ここは大きな岩で囲った露天風呂で、入口から男女別々になっている。秋になると、いちめん黄金色の葉が舞い落ち、黄金色に輝く、というところからこの名がついたという。

湯船は「河原の湯」に比べ、一回り小さく10人も入ればいっぱいか。泉質は硫黄泉で、
白濁して見える。硫黄泉特有の湯の花が多い。湯温は「60度くらい」と地元の案内だが、それほどの温度には感じられなかった。

妙高登山の基地になっているから、腰に鈴をつけ、重たげなリュックを背に山へ向かう登山者の姿が絶えない。したがって、山を降りてきて、ホッと湯に浸かって快い疲れを癒す人たちの姿も多い。

「日本の滝100選」の「惣滝」も見ていこう

「日本の滝100選」の「惣滝」も見ていこう
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「黄金の湯」を出たら、せっかくだから「日本の滝100選」に名を連ねる「惣滝」を見ていこう。「湯」からさらに数分、坂を登ったところに展望台がある。

この「惣滝」は、妙高山から流れ出る大田切川の源流部の大倉谷から落ちる。滝の標高は1、300mで、まわりには「『つばめ溶岩』と呼ばれる輝石安山岩が切り立つ」と案内にある。落差80mの高さから流れ落ちる眺めは豪快だ。紅葉の時期の眺めは格別らしい。

「惣滝」の近くへ行く道は、土砂崩れのために通行できず、復旧の見通しもたっていないというから、滝見はここに限る。手前の木が、ちょっと邪魔な気もするが。

山の天気は変わりやすい 雲行きにも注意が肝要

紹介した「河原の湯」「黄金の湯」はいずれも無料。
月曜日と金曜日の午前中は、清掃のためにクローズとなる。もちろん冬の1月から5月までも閉ざされている。ことに「河原の湯」の方は、6月でも年によっては入れないこともある。事前に確認した方が良い。

山の天気は変わりやすい。朝のうち快晴でも、あっという間にガスって雨に見舞われることもある。午前中の方がお勧め。降ってきたら逃げ場がないだけに、雲行きに気を配って、黒い雲が増えてきたりしたら、早目の撤収も肝要だろう。

アクセスでは、車で18号線から入る際に、「関・燕入口」もしくは「坂口北」の交差点から県道39号線で、関温泉を経由する道を登った方がよい。燕温泉まで30分程度、その手前の関温泉まで20分程度の距離。一方、赤倉温泉側から入ると、標識には「燕温泉」方面への案内があるものの、土砂崩れでトンネルが通行止めになったままで、復旧の見通しはないようだ。手前の交通標識にも注意書きはあるものの、要注意。

電車を利用する場合は、JR信越線「関山」駅から頚南バスの「関・燕温泉線」が、1日6往復。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/02 訪問

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