ちょっと変わった森林浴ウォーキング〜安曇野・旧国鉄篠ノ井線廃線敷きを歩く

ちょっと変わった森林浴ウォーキング〜安曇野・旧国鉄篠ノ井線廃線敷きを歩く

更新日:2018/05/29 13:28

えんべるのプロフィール写真 えんべる
明治35年に開通、昭和63年に廃線となった篠ノ井線の廃線敷き。86年間地元の足として活躍してきた旧線跡が、ところどころに当時の面影を残しつつ、なかなかノスタルジックな遊歩道になっているのだった。

全長6km。戻りのことも考えてゆるーく出発!

全長6km。戻りのことも考えてゆるーく出発!

写真:えんべる

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安曇野市街から北東、ちょっと不安になりそうな山道のR403をを車で走り続けると、遊歩道散策者用の駐車場がある。車で行くならここに駐車して、この旧第2白坂トンネル入口というポイントがスタート地点となる。
ここからゴールのJR明科駅までの約6km、マイナスイオンを浴びながらレッツウォーキング☆・・・といきたいが、「廃線敷遊歩道」の文字をなんでわざわざちょっと怖い感じの字体にするのか。心霊スポットじゃないのかという不安を煽る看板。

看板には、各所までの距離やトイレなどが地図で案内されているので、体力と相談しながら、適当に戻ってくるのも重要。何しろ、途中でタクシーなど捕まらない田舎なので、来た道を引き返すことになる。
ちなみに、明科駅まで走破すれば、そこでタクシーで戻ってくることも可能。

なんだ?このゴロ石は?

なんだ?このゴロ石は?

写真:えんべる

遊歩道に入っていきなりお目見えするのが当時の架線柱。先のない、朽ちたようなものから、当時の金具がそのまま残っているものまで。

歩き始めの数百メートルほどはゴロ石が敷き詰められた道。よく見たら、線路の枕木の下に敷かれてあるあの石。
いきなりこんな歩きにくい道を、と思うが、じきに歩きやすい道になるのでご安心を。

架線柱に挟まれて延々と

架線柱に挟まれて延々と

写真:えんべる

だから、こういう心霊スポット的な立札はやめてほしいと、この日、全く人がいなかった小雨の遊歩道で不安になった私だが、ここの遊歩道には随所にこういった立札があるので途中で遭難することはまずない。
それどころか簡易トイレまで設置してあるという親切設計。

最初は少し不気味に見えた架線柱も、慣れてくれば近寄ってみる。当時のパーツが残ってたりして、なかなかに味わい深い。
ここはひたすら歩くというよりも、適当に放置された鉄道残骸を見つけながら歩く方が楽しいかもしれない。

とりあえずここまで来よう漆久保トンネル

とりあえずここまで来よう漆久保トンネル

写真:えんべる

歩き続けると、前方に謎の穴が。
遠くから見ても、近寄っても、最初はやっぱり少し不気味な漆久保トンネル。

何しろ明治時代の遺物である。明治30年開通、わずか53mの長さながら、当時は大変な思いをして掘ったらしい。煉瓦造りのこのトンネル、入ってみたら幅も高さも「こんな狭いところを?」と思うくらいの小ささ。でもここを当時はSL機関車が通っていたのだ。その名残として、トンネル外壁が煤で黒く変色しているのが分かる。
明治時代の典型的な鉄道トンネルで、保存状態もとてもいいものらしい。

そんな思いを馳せながら、見事なアーチ状に作られた漆久保トンネルを眺めると、廃墟の不気味さは消え、しみじみした気持ちになる。なるはず。なりましょう。

もっと歩いてもいいけれど、このへんで引き返しても

もっと歩いてもいいけれど、このへんで引き返しても

写真:えんべる

漆久保トンネルから、来た道を望む。
トンネルの天井も、黒い煤で変色。86年間お疲れ様と言ったら、このまま通り抜けて歩き続けてもいいし、このへんで折り返してもいい。

ちなみにここまでが1.7km。往復すれば3.4kmなので、軽いウォーキングで考えるなら漆久保トンネルを折り返し地点にする人も多い。

このあたりも、秋深くなれば左右が紅葉のトンネルになる。
明治時代の煉瓦のトンネルと、平成の紅葉のトンネルをくぐりながら、秋の安曇野の隠れスポット、篠ノ井線廃線敷きウォークを楽しんでみては?

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/17 訪問

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