写真:乾口 達司
地図を見る「地蔵会」とは、その名のとおり、お地蔵さまに感謝する宗教行事。街の入口や辻に立つお地蔵さまにお供えをし、その功徳をたたえるという風習に特徴があり、関西や西日本中心に広くもよおされています。奈良市内でも7月23日前後に各地区でとりおこなわれますが、ご注意いただきたいのは、元興寺の「地蔵会」がひと月遅れの8月23日・24日の両日におこなわれること。「地蔵会」にお出掛けになる方はお間違えのないように。
「地蔵会」の夜は境内が一般に開放されるため、夕方になると、境内はたくさんの人で賑わいます。当日は午後5時から国宝・極楽堂(曼荼羅堂)の内陣に地蔵菩薩立像が安置され、法要がとりおこなわれます。その後、法要は無数の石仏や石塔が集められた境内の「浮図田(ふとでん)」と呼ばれる区画に場所を移し、水塔婆供養などがおこなわれますが、それが済むと、浮図田をとりかこむように並べられた灯明皿に菜種油が注がれ、藺草の芯に火がともされます。いよいよ「地蔵会」の本番です。
写真:乾口 達司
地図を見る灯明皿には祈願者とその祈願内容が墨書されています。そこに菜種油を注ぎ込み、藺草で作られた灯芯に点火すると、ご覧のように明かりが灯ります。
ちなみに、地蔵会の両日、境内の一角では来年用の灯明皿作りを体験することができます。誰でも気軽に参加できるため、興味のある方はふるってご参加ください。
写真:乾口 達司
地図を見る日中とはまた違った表情を見せる浮図田の石仏・石塔群。ときにはご覧のような幻想的、非現実的な姿を私たちに見せてくれます。これだけたくさんの五輪塔が一度に浮かび上がると、不思議な感覚にとらわれませんか?境内ではこういった光景が各所で見られるため、ご自身で境内を散策し、お気に入りの光景を探してみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る夜空が群青色から桎梏の闇に移行するにともない、光の道はよりいっそうあざやかにあたりを照らし出してくれます。灯りに照らされるお地蔵さまもあたたかな光に包まれ、あたりは幽玄の世界を現出します。ただし、境内には段差もあるため、あたりが暗闇に包まれるにともない、足許にはくれぐれもご注意ください。
写真:乾口 達司
地図を見る光の道にばかり目を奪われず、国宝の極楽堂に安置された地蔵菩薩にもお参りしましょう。内陣にも灯りがともされているせいで暗闇のなかに内陣が浮かび上がり、荘厳な雰囲気をただよわせています。堂内には各界の名士揮毫による行燈絵も多数並べられており、元興寺の地蔵盆がいかに多くの人たちに信仰されているかが、おわかりになるでしょう。
いかがでしたか?境内ではほかにも元興寺と深い関わりを持つ社会福祉法人宝山寺福祉事業団のスタッフによる模擬店が出るほか、盆踊りや児童映画の上映、奉納演奏などもよおされます。地蔵盆といえば、堅苦しい印象を持たれる方もいらっしゃるかも知れませんが、庶民主体の宗教行事であるため、決して堅苦しさはありません。元興寺の地蔵盆で、過ぎ去る奈良の夏を体感してください。
2023年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/24更新)
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