南米のトスカーナ、ウルグアイの農園でオリーブに出会う旅

更新日：2014/07/29 17:15

南米のブラジルとアルゼンチンに挟まれた小さな国、ウルグアイ。首都モンテビデオから2時間ほど海岸沿いを車で進むと、リゾート地のプンタデルエステに到着。そこから更に車で１時間ほど北へ進むと、のどかな田園地帯が現れてきます。そこは“南米のトスカーナ”とも呼ばれ、ブドウ畑やオリーブ畑が広がります。その広大な農園「Colinad de Garzón コリナス・デ・ガルソン」のオリーブ畑を巡る旅をご紹介。

オリーブ農園の歴史からオイル生産まで驚きの連続

写真：市川芽久美

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農園の門から広い農地を進み、受付にたどり着いてまず驚くのは、赤石で作られたモダンで洗練されたデザインの大きな建物のオリーブオイル工場。不思議と自然と調和し、敷地内の池や畑、そして動物達と一体化して農園全体が素敵な風景になっています。
受付を済ませると、まずは、農園の歴史や取り組みを、100人ほどは収容できる広さの映画館でビデオ鑑賞。
この農園のはじまりは、1999年。イタリアのグルメの精神を受け継いだAgroland SA（アグロランド株式会社）が、高品質と健康をテーマに4200ヘクタール以上のこの高原一帯の開発をはじめました。しかも、そこに暮らしていた600人の住民と一緒に！

イタリア系ウルグアイ人が産み出す黄金のオリーブオイル

写真：市川芽久美

次は大きな暗い部屋に移動、突然両サイドの引き戸が開き、一面大きなガラス張りの窓、そこからオリーブオイル精製所を眺められる仕掛けになっています。
オリーブオイルは、オリーブを採ったらいかに早く搾油するかがキーポイント。ここの製品はすべてエキストラバージンオイルで酸度0.2％未満。酸度とは、オリーブオイルの酸化の度合いを示す言葉で、この数値が低いほどそのオリーブオイルは新鮮だということ。
新鮮なオリーブの深い黄金色と、強烈なフルーティーでクリーンな香り。苦みと、喉を通るときのスパイシーさ。この絶妙なバランスが、世界最高品質の称号を受賞し続けるに値するウルグアイに住みついたヨーロッパ人の努力の結晶なんだと感心します。

広大なオリーブ農園を専用車で巡ります

写真：市川芽久美

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次はいよいよ、畑の中へ。
青々としたオリーブの実をつけたオリーブ畑が延々と続くのですが、ある一部分、よく見ると継ぎ木された木の一帯がありました。この土地では育たないとされたアーモンドの木です。農園のオーナーの奥様がアーモンドが大好き。そこで、品種改良を重ね、桃の木に継ぎ木して作ってみせたんだそう。
そんな話を聞きながら、農園内を巡っていると、南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息するカピバラや、ウルグアイの鳥、セアカカマドドリ（Fumaridos）やその巣などにも出会います。
農園の中は本当にリラックスムードです。

異なるオリーブの品種から出来るオイルを飲み比べ！？

写真：市川芽久美

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そして、クライマックスはいよいよオリーブオイル・テイスティング。まずは品種の異なるオリーブオイルをテイスティング。
手順は以下の様な感じで…。

1. 香りをかぎ、口に含む。
→フルーティーさ(かおり)を判断します。
2. 口の両端からたくさんの空気を含ませる（大きな音をたてて）。
→ビターネス(味)を感じます。
3. 飲み込む。
→スパイスネス(喉越し)、喉をさすような辛い感覚を覚えます。
この感覚が強いほどポリフェノール含有量が多いとのこと。

新鮮すぎる香りや味の苦みもそうですが、飲み込んだ時の感覚は驚きです。

ワイナリー好きの方にもお勧め、オリーブオイルの世界

この農園では、オリーブの品種の異なる４種類のオリーブオイルを生産しており、欧米の高級スーパー等で販売されています。
ワインテイスティングと似たオリーブオイルテイスティング。是非最高品質を産み出す、ウルグアイの「Colinad de Garzón コリナス・デ・ガルソン」で体感してみてください。
お肉料理に合うオリーブオイル、お寿司のお醤油代わりなるオリーブオイルなど、オリーブオイルといっても品種によって合う食材が異なります。
また、チョコレートはココアバターと混ぜて作られているのが普通ですが、この農園ではオリーブオイルを混ぜたチョコレート商品を製作し、注目を集めているのだとか。本当に奥深いオリーブオイルの世界を発見できます！