葡萄造り発祥の地〜勝沼ぶどう郷、歴史と葡萄とワインを楽しむ散策ガイド

葡萄造り発祥の地〜勝沼ぶどう郷、歴史と葡萄とワインを楽しむ散策ガイド

更新日:2014/07/28 15:59

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター
山梨県甲州市(旧勝沼町)は日本の葡萄栽培発祥の地。明治になると西洋の技術をいち早く導入して、ワイン醸造も盛んになりました。鉄道の駅名もまさしく「勝沼ぶどう郷駅」!駅周辺は葡萄畑が広がり、葡萄にまつわる近代化遺産めぐりや、シーズン中は葡萄狩りも楽しめます。そしてもちろんワインのテイスティングも!今回は山梨県甲州市にある勝沼ぶどう郷駅周辺を散策し、歴史と葡萄とワインを味わう旅を紹介します。

駅からの眺望もすばらしい…勝沼ぶどう郷駅から散策スタート!

駅からの眺望もすばらしい…勝沼ぶどう郷駅から散策スタート!

写真:もんT

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今回の旅はワインの試飲もあるので、ぜひとも電車利用でまずは勝沼ぶどう郷駅を目指しましょう。中央本線の高尾駅から普通列車で1時間10分ほどです。
土・休日になると特急「かいじ号」の大半の列車が勝沼ぶどう郷に臨時停車。また、2階建て車両を使用した「ホリデー快速ビューやまなし号」も運転され、アクセス良好。新宿から直通で1時間半から2時間弱で到着可能です。
中央本線の線路は甲府盆地へ向かうための最適な勾配を考慮したため、勝沼盆地を迂回するかのように建設されました。そのために列車は勝沼の中心市街は通らずに山の中腹を走っていきます。勝沼ぶどう郷駅から次の塩山駅までの間は、進行方向左側に座ると、勝沼盆地のすばらしい風景が車窓に展開…。夜景もきれいですよ♪

そんなすばらしいロケーションの勝沼ぶどう郷駅。駅周辺はそこかしこに葡萄畑が…。さっそくまずは駅舎を背に右へ行って見ましょう。昭和43年(1968)まで使用されていた勝沼駅の旧ホームが見えてきます。勾配区間であるこの地には鉄道開業当初、駅がありませんでした。しかし葡萄やワインの鉄道貨物輸送のために、大正2年(1913)、スイッチバック方式で駅が開業。この地が交通の難所であった時代、この駅から勝沼の葡萄やワインが鉄道貨物で全国へと出荷されていきました。
この場所からはこれから向かう「勝沼ぶどうの丘」や甲斐駒ケ岳(2967m)などの山々を一望…。しばし遠い昔に思いを馳せながら、勝沼の美しい風景の中で佇みましょう。

葡萄畑を抜けて…「勝沼ぶどうの丘」へ

葡萄畑を抜けて…「勝沼ぶどうの丘」へ

写真:もんT

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勝沼駅の旧ホームを抜けて階段を下っていくと、そこは葡萄畑…。案内表示にしたがって「ぶどうの丘」を目指しましょう。
葡萄畑の間を抜けていくと、「ぶどうの丘」の麓にたどり着きます。ここまでは駅から徒歩10分ほど。丘の麓には「ヤマサ農園」や「ぶどうばたけ」などの観光農園・直売所が数件あり、シーズン中は葡萄狩りが楽しめます。7月末〜8月半ばはデラウェア、8月半ばからは巨峰、9月はピオーネにシャインマスカット、そして10月は国産ワインの原料種でもある「甲州」…。葡萄好きはシーズン中、何度も足を運びたくなります!
さらに丘へと続く道路を7分ほど上っていくと、「勝沼ぶどうの丘」に到着。ここは甲州市が運営する観光施設。宿泊施設と共に美術館、温泉「天空の湯」、ワインレストラン、それにワイナリーもあり!思い思いにここでたっぷりと時を過ごしましょう。
2階のテラスや3回のワインレストランからは勝沼盆地を眼下に一望できます。

甲州ワインに舌鼓…地下ワイナリー

甲州ワインに舌鼓…地下ワイナリー

写真:もんT

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「ぶどうの丘」の施設内で一番にぎわっているのは、地下のワイナリー。甲州ワインを常時150〜200銘柄取り揃えてあり、1100円で専用の容器(タートヴァン)を購入すると、ほぼすべての銘柄をいくらでも試飲できます!ただし、チーズなどのおつまみ類は持ち込みできませんので、ご注意を…。
コースの出入り口に近いところには辛口、奥のほうに甘口のワインが並びます。また最高級の「右八」や「YASUMASA」は最後のほうです。
甲州ワインのすべてを味わい尽くせる究極のワイナリー♪ワインは初めて…という方にも、ワイン通の方にも、ここはおススメのスポットです。

ぶどうとワイン輸送を支えた…旧大日影トンネルへ

ぶどうとワイン輸送を支えた…旧大日影トンネルへ

写真:もんT

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再び勝沼ぶどう郷駅へと戻りますが、このまま帰ってしまうのはもったいない…。駅周辺にはもう一つ貴重な産業遺産が…。駅舎を背に今度は左へ行ってみましょう。
すぐに実物の電気機関車EF64が鎮座する広場に出ます。その先の階段を上ると、レンガ造りのレトロな鉄道トンネルが…。明治35年(1902)貫通、そして平成9年(1997)まで使用されていた旧大日影トンネルです。隣に新トンネルが開通した後は、遊歩道として整備され、トンネル内を散策できます。
内部は中央本線や勝沼の歴史を物語る写真パネルも展示されていて、ちょっとした資料館…。猛暑時でもトンネル内は気温20度台の前半で、快適そのもの。夏の暑さにまいったときは、ここで一息…。トンネルの全長は1367.8m。およそ20分で通り抜けられます。
このトンネルを抜けるとすぐに、同じようなレンガ造りの旧深沢トンネルがありますが、こちらは「勝沼トンネルワインカーヴ」、有料のワイン貯蔵庫となっています。入り口付近のみ見学可能で、観光案内所や休憩室、それにワインの販売もありますが、帰りの時間に気をつけて!旧大日影トンネルの通行時間は9時から16時まで。トンネルが閉まる前に帰りましょう…。

おわりに

本当に風光明媚な勝沼ぶどう郷駅周辺…。今回の記事で紹介した以外にも、駅から歩ける範囲内で観光葡萄園や直売所がたくさんあります。葡萄栽培にかけたこの土地の歴史にも思いを馳せながら、美しい風景と共においしい葡萄やワインを思い思いに楽しんできてください♪

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/12 訪問

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