金沢市内からほど近い場所に建つ箔巧館。ここは、金箔の文化や歴史を学び、箔移しを体験し、金箔を味わうことのできるミュージアムです。
館のB1階には、前田利家公の黄金のレプリカ。金箔がもたらす輝きと美しさが、さらに存在感をもたらしています。
前田利家公は、戦国時代から安土桃山時代に生きた武将です。加賀藩初代の藩主、北陸方面部隊の一員として、能登一国23万石を拝領しました。
北陸、特に石川で今でも愛される武将だからこそ、金の輝きがよく似合います。
北陸はお米の産地、関ヶ原の戦いの時には約百ニ十万石を所有していました。江戸幕府に分封を命じられ、富山に十万石、三代目藩主に三万石、大聖寺に七万石を分封し、結果百万石になりました。
この百万石、前田利家公は戦争に使うことなく石川県の娯楽、文学、文化や教育に使用されたそうです。そのため今でも、石川県では、能や漆器など歴史の長い文化が今でも受けつがれているのです。
七段階の工程を経て箔が作られます。
一、金合わせ。金に微量の銀や銅を溶かします。
二、延金。合金した金を圧延機で帯状に延ばします。100分の2〜3ミリまで延ばし、6センチ角に切ります。
三、澄打ち。できた小兵をさらに薄く延ばします。12センチ角まで延ばし切りを繰り返し100分の3ミリにします。
四、引き入れ。これを1000分の1〜3ミリにさらに薄くします。
五、打ち前。さらに10000分の1ミリの薄さになるまで機械で打ちます。
六、抜き仕事。打ち上がった金箔を広物帳に移します。
七、箔移し。広物帳に移した箔を竹製の枠で切りそろえて完成です。
とても精巧な細かい作業を繰り返し、きめ細やかな金箔が出来上がります。
館内には、はくいちカフェがあり、金箔を使ったスイーツを味わうことができます。アイスクリーム消費量日本一の石川県。アイスやあんみつ、コーヒーと様々なものに金箔をふりかけます。
ふりかけのようになっている金箔をめいいっぱいかけてもらえます。
金箔が持つ輝きと美しさに古くから誰もが魅了されてきました。
日本の重要文化財や、漆器や加賀友禅にも使用される金箔は、日本では欠かすことのできないもの。贅沢な金箔を惜しげもなく使う土地柄は、なんとも粋です。
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