くず餅を食べつくせ!東京・池上本門寺探訪と甘味処3選

くず餅を食べつくせ!東京・池上本門寺探訪と甘味処3選

更新日:2014/07/24 18:33

東京都大田区に、「日蓮宗大本山 池上本門寺」があります。街の中にありながら、非常に広大な敷地で緑も多く、ちょっとした散策に、気持ちの落ち着くいいスポットなんです。
JR京浜東北線蒲田駅から東急池上線で2駅。東京駅からも羽田空港からも近いため、東京へ観光に来られた方には、ぜひ足を運んでほしいですね。参道にあるスイーツが楽しめるお店もご紹介します!

日蓮宗大本山 池上本門寺

日蓮宗大本山 池上本門寺
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池上本門寺は、日蓮宗の開祖・日蓮が61歳で最期を迎えた霊跡です。日蓮が病気療養で常陸の湯に向かう途中、この地、郷主である池上宗仲の館で亡くなりました。日蓮入滅後、池上宗仲が約7万坪の寺域を寄進したことから、ここを池上本門寺と呼ぶようになりました。
なかでも、石畳の道の先にある大堂の大きさには驚かされます。
建物自体は、昭和20年の空襲で焼けてしまい再建されたものですが、旧大堂は、戦国武将加藤清正による建立でした。ぐっと迫りくるような入母屋造りの瓦屋根が圧巻です。

建造物として見ておきたいのがもう一つ、五重の塔。五重の塔は、幕末以前のものは関東エリアに4基現存し、その中で、もっとも古い塔がこの池上本門寺のものです。初層だけ和様で二層以上が唐様等、独特の建築様式が用いられています。

そして、池上本門寺の見どころとしては、此経難持坂(しきょうなんじざか)も外せません。表参道にある石段で、これも加納清正が寄進したものとされています。96段あり、そしてなかなかの勾配で、参拝客が息を切らしながら段数を数える姿が見られます。散策とはいいましたが、ここだけは少し運動して下さい(笑)。

加藤清正だけじゃない!ここ池上本門寺に眠る猛者、力道山

加藤清正だけじゃない!ここ池上本門寺に眠る猛者、力道山
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由緒ある池上本門寺ですので、建造物だけでなく、歴史上の人物のお墓などもあります。加藤清正の供養塔をはじめ、紀州徳川家に所縁ある面々や絵師、狩野探幽など。
また、文学の世界では幸田露伴、俳優・歌舞伎界では、市川雷蔵や7代目松本幸四郎…。
その中でも今回は、ファンにはたまらないというところで、日本プロレス界の父と呼ばれた、プロレスラー力道山のお墓を紹介しましょう。
力道山といえば、関取からプロレスラーに転向し、プロレスブームを呼び、テレビというものを普及させた偉人ですよね。この近くに住んでいたことから、墓所が池上本門寺になったようです。墓石の横には、腕組みをする力道山のブロンズ像があり、ちょっとした人気スポットになっていますよ。

「池上池田屋」の久寿餅

「池上池田屋」の久寿餅
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さて、みなさんは「くず餅」を食べたことありますか?
私は関西出身なので、はじめは葛粉で作られた半透明の和菓子「葛餅」のイメージしかなかったのですが、葛粉ではなく、小麦粉のでんぷんを発酵して作られる「久寿餅」というものがあるのです。「久寿餅」は江戸発祥のもので、出来上がるまでに2年近くかかります。
「葛餅」と「久寿餅」とはルーツが全く異なるスイーツということがお分かりいただけたと思いますが、「久寿餅」は、この池上が発祥とされています。

その「久寿餅」を食べに、まずは江戸時代創業の老舗「池上池田屋」を訪れましょう。リニューアルし建物は比較的新しいですが、老舗の貫録を感じます。店頭販売もしていますが、ゆったりした店内でも久寿餅をいただきましょう。

はんぺんのように白っぽく、三角形にカットされる久寿餅。ここにたっぷりのきな粉がかかっています。一つ口の中に運ぶと、ねっちりもちもちした質感が楽しめます。久寿餅そのものにそれほど味はついていないのですが、「池上池田屋」のきな粉は、ほのかな甘さがあり、上品な甘さの黒蜜と合わせると、きな粉がより「久寿餅」と絡み、絶妙な味わいになります。

上質の天草でできた寒天が絶品!「浅野屋本舗」

池上本門寺最寄りの駅、東急池上線池上駅からそのまま北に伸びる道、池上本門寺通り商店会の通りには、色んな店舗が軒を連ねています。この中に「浅野屋本舗」があり、「久寿餅」も食べることが出来ます。
ここの「自家製くずもち」は、もちもちした食感は浅目ながら、プリンプリンな感じが強く、弾力がしっかり目。黒蜜がやや甘めなんですが、きな粉の香ばしい風味が強く、いいバランスを保っています。

このお店はもう一つ、寒天を紹介しておきたいですね。
クリームあんみつには、キューブ上にカットされた寒天がコロコロと入っています。寒天はしっかりした質感なのか、エッジがきいているのですが、口に含んだ途端崩れ、その食感がホロホロとして快感。
伊豆の上質天草100%を使ったこだわりの手作り寒天を、ぜひご賞味あれ。

上質の天草でできた寒天が絶品!「浅野屋本舗」
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老舗の貫録「浅野屋本店」の小倉くずもち

東急池上線池上駅のすぐ前、「浅野屋本店」。
店の看板には「葛餅」とありますが、「久寿餅」発祥の店といわれており、宝暦2(1752)年創業の老舗です。
ここの、小倉くずもちが絶品。先に紹介してきたくず餅とは、また食感が違うんです。出だしの食感は生麩のようで、軽いもっちり感とほどよい弾力がたまりません。餅そのものに、独特な風味を感じるところも個性的ですね。
くず餅に添える小倉あんが、これまた程よい甘さで美味い!

池上には、まだ他にも「久寿餅」を売るお店がありますが、見た目は同じようでも、個性が出ていますよ。

老舗の貫録「浅野屋本店」の小倉くずもち
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おわりに

新しい観光スポットが次々に誕生する一方で、歴史・伝統を守り続けているものにも、是非触れてみたり食べてみて下さい。それは、素朴なもので、決して華やかで豪華なものではないかもしれませんが、今の時代にも、しっかりと根付いて受け継がれている価値は大きいと思います。
是非、池上本門寺におでかけし、江戸伝承の「久寿餅」を食べてみて下さい!

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/06 訪問

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