4000年前の丸木舟がある!茨城・龍ヶ崎市歴史民俗資料館へ

4000年前の丸木舟がある!茨城・龍ヶ崎市歴史民俗資料館へ

更新日:2014/08/10 13:03

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
茨城県にある「龍ヶ崎市歴史民俗資料館」は、「龍ヶ崎の歴史と民俗」をコンセプトとして展示されている。近年、移り変わるニュータウン建設や、市街地整備の傍らで埋没しそうな歴史や文化を掘り起こすことが、大きなワークとなっている。

オススメの展示品は、縄文時代の丸木舟や、中国大陸から輸入した舶載鏡とされる「内行花文鏡」や、かつてこの地に「仙台藩の陣屋」があったことを示す「仙台領柱」などだ。歴史愛好家なら必見!

龍ヶ崎市歴史民俗資料館

龍ヶ崎市歴史民俗資料館

写真:井伊 たびを

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茨城県龍ヶ崎市は、豊かな自然に恵まれたまちだ。このまちの歴史は古く、多くの史跡や文化財が、先人たちから受け継がれている。ところが、近年これらの価値ある歴史的資料が、徐々に失われつつある。

そこで、まちのいままでの営みを明らかにしつつ、市内に現存する資料を中心に、文化遺産を保存し、それを展示して市民の教育や学術、文化の発展に貢献しながら後世の人々に伝えて行くことを「基本理念」に設置された。

この資料館には、地域の考古、歴史、民俗資料を調査研究、収集保存し、展示や出版物に生かしている。館内は、常設展示室、企画展示室のほかに、調査研究のための図書、研究室、資料保存室がある。

原始・古代のコーナー

原始・古代のコーナー

写真:井伊 たびを

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1階展示室には、「原始・古代」「中世」「近世」「近代」のそれぞれの時代の龍ヶ崎市の歴史と民俗が展示されている。単なる龍ヶ崎市の歴史や民俗を学ぶだけでなく、その時代の背景を知ることで、わが国の辿ってきた歴史や風俗も、あわせて学ぶことができる展示内容になっている。

この「原始・古代の龍ヶ崎」コーナーでは、旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、奈良・平安時代のそれぞれの時代の道具が展示されている。また、縄文時代の狩猟や採集生活など興味をそそる展示で、歴史とは無縁だった人も、歴史を学ぶことの面白さに目覚めることになる。

特に、竪穴住居のくらしについては、当時の住居を設え、当時の人々があたかも生活しているようなビジュアルな展示と、その時代に採集された食物などの展示品などとあわせて見れば、興味がさらに膨らんでくる。

どんな歴史書を読むよりもまさに、「百聞は一見に如かず」である。

4000年前の丸木舟(県指定文化財)

4000年前の丸木舟(県指定文化財)

写真:井伊 たびを

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この丸木舟は、残念ながら船首と船尾の一部を欠失しているが全長約6mで、松の木の幹をくり抜いて造られている。放射性炭素を使った年代測定で、今から約4000年前の縄文時代後期のものと判定された。

この舟のようにほぼ完全形で出土している例は少なく、縄文時代の人々の暮らしを知る上で貴重なものである。底板が平らであることから、穏やかな河川や沼で、運搬や漁労に使われていたのだろう。オススメの展示品のひとつだ。

昔の暮らしと道具のコーナー

昔の暮らしと道具のコーナー

写真:井伊 たびを

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懐かしい昭和時代の生活道具や、雑貨などが展示されている。小学校の社会科見学での利用が多いと聞く。中でも、玄関ホール中央には、昭和41年から平成17年まで乗られていた「スバル360」があり、訪れた人の多くが、懐かしさの「ためいき」をつく。

箱階段・ちゃぶ台・茶だんすなどはお母さんたちが、メンコやベーゴマにはお父さんたちが、電気蓄音機や壁掛け電話や、昔の暖房器具などには子どもたちが、世代を越えてそれぞれの「ためいき」の連発である。

屋外展示の「まで屋」と「商家」

屋外展示の「まで屋」と「商家」

写真:井伊 たびを

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資料館の前庭には、水車小屋、まで屋(茨城弁で、農家の納屋のこと)、商家などを模した建物や、かつて龍ヶ崎鉄道で活躍した4号機関車が展示されている。

最後に

この資料館は、間違いなく穴場だ!豊富な展示内容の割に、入館料が無料とは信じがたくウレシイ限りだ。たっぷり時間をかけて、展示品のひとつひとつに見入ってしまう。また、この資料館から県指定史跡「馴馬城跡」には200mで、国指定重要文化財「来迎院多宝塔」には700mでアクセスできる。ぜひ、あわせて立ち寄ってみたいオススメのスポットだ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/08 訪問

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