タイ・バンコク随一の観光スポット!王宮の見どころベスト5

タイ・バンコク随一の観光スポット!王宮の見どころベスト5

更新日:2018/07/24 15:35

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
タイは、敬虔な仏教徒の国。しかし、同じ仏教国の日本と比べて、ずいぶんと文化が違うことに驚かされます。そんな独自のタイ文化に触れるには、歴代の国王が住んでいた王宮がおすすめ。敷地内には最も格式の高い王室寺院「ワット・プラケオ」をはじめ、きらびやかな建物がたくさん!ここはタイ国内で重要な施設が集まっている場所で、シンボル的な存在。数ある建物のうち、筆者の好みで王宮の見どころベスト5を選んでみました。

【5位】見どころは幾重にも波打つ屋根の美しさ!「ドゥシット宮殿」

【5位】見どころは幾重にも波打つ屋根の美しさ!「ドゥシット宮殿」

写真:沢木 慎太郎

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「王宮」は、初代国王(ラーマ1世)からラーマ8世まで8代の国王が暮らしていた広大な寺院で、タイの首都・バンコクにあります。建築様式が違う豪華絢爛な4つの宮殿が横一列に並んでいる姿は実に壮観!

まず、おすすめは4つの宮殿のひとつ、「ドゥシット・マハー・プラサート宮殿」。幾重にも波打つ屋根がとても美しく、深く印象に残る建物です。屋根は7層構造になっていて、とても複雑。建物を上から見ると、十字架の形になっています。王宮内で最初に建てられた宮殿で、ラーマ1世が建設。ここで歴代王の戴冠式が行われてきました。

【4位】一列に並ぶ3つの仏塔 強烈な個性の違いは見ごたえあり!

【4位】一列に並ぶ3つの仏塔 強烈な個性の違いは見ごたえあり!

写真:沢木 慎太郎

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続いては、王宮内に一列に並ぶ3つの仏塔。釈迦(しゃか)の遺骨などを納めた建物で、「チェーディー」(仏塔)と呼ばれます。ちなみに、仏教寺院のことをタイ語で「ワット」と呼びます。

◆左……ひと際目立つ黄金の仏塔で、燦々と輝いています。アユタヤで3人の王が眠る王室の守護寺院をモデルにラーマ4世が建てたもの。釈迦の遺骨である仏舎利(ぶっしゃり)を納める。スリランカから伝わる独自なデザイン。仏塔の名前は「プラ・シー・ラタナー・チェーディー」

◆中……こちらは色鮮やかなタイル張りの華麗な装飾をほどこした見事な仏塔。扉の前には「ナーク」と呼ばれるヒンドゥー教の神話に出くる蛇神の姿もあるので、こちらも要チェックです。純粋なタイ様式の塔で、内部には「トリビタカ(金の法典)」と呼ばれる仏教の経典(非公開)を納める。名前は「プラ・モンドップ」

◆右……四段重ねの屋根の建物で、円柱形の独自のデザインをした塔が特徴。この石造りの塔は、仏教の守護神の一つである帝釈天(たいしゃくてん)が住んでいるとされる山を表したもの。アンコール・ワットに見られるクメール様式の塔で、先端にはシヴァ神のシンボルも。ラーマ1世からラーマ8世までの歴代国王の像が安置されていますが、残念ながら内部はこちらも非公開。寺院名は「プラサート・プラ・テーピドーン」。

【3位】西欧とタイ様式の融合が見事!白亜の美しい建物「チャクリー宮殿」

【3位】西欧とタイ様式の融合が見事!白亜の美しい建物「チャクリー宮殿」

写真:沢木 慎太郎

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次に、もう一つ宮殿を。こちらも独特のデザインで、迫力あふれる白亜の美しい建物「チャクリー・マハー・プラサート宮殿」。
大理石を使った風格のある姿はビクトリア様式を取り入れたもの。しかし、屋根に取り付けた金色の飾り付けや尖塔は純粋なタイ様式です。こうした西欧とタイ様式を融合した宮殿は、タイの建築界に大きな影響を与えました。

ラーマ5世が、1世から現在まで続くバンコク王朝(チャックリー王朝)の100周年を記念して建てたもので、かなりお気に入りだった宮殿。内部のほとんどは非公開となっています。

【2位】仏像の楽しい仲間たち!可愛い萌え萌え「珍像」にもご注目!

【2位】仏像の楽しい仲間たち!可愛い萌え萌え「珍像」にもご注目!

写真:沢木 慎太郎

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王宮内の見どころは建物ばかりではありません。イモトの珍獣ならぬ、「珍像」が王宮にはいっぱい!

まず、左をご覧ください。黄金の仏塔を、人形たちが「よいしょ」というように持ちあげていますが、こちらは実は仏像。古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に出てくる「ヤック」(鬼神)と、「モック」(猿神)です。きらびやかな衣装を身に付け、顔には派手なタトゥー。日本の仏像とはまったく違いますね。

右端には、黄金の鳥のような像が見えますが、こちらは「ギンナリー」と呼ばれる仏像。タイの神話『ラーマキエン』に出てくる伝説の半魚人です。男性は「ギンナリー」で、女性は「キンリー」。「キンリー」は、胸の前で両手を合わせた天女で、歌や踊りが得意の可愛い女の子。
ほかにも、ヴィシュヌ神の乗り物の「ガルーダ」や、蛇の神さま「ナーク」もいるので、可愛い萌え萌え像を見つけて下さい!

【1位】最大の見どころ!タイ人すべての信仰を集める「ワット・プラケオ」

【1位】最大の見どころ!タイ人すべての信仰を集める「ワット・プラケオ」

写真:沢木 慎太郎

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そうして、王宮の最大の見どころは本堂「ワット・プラケオ」。ここを訪れずして、バンコクは語れません。
色鮮やかなガラスのモザイク模様と、きらびやかな金箔がほどこされた豪華絢爛な寺院です。スリランカ様式を基本に、タイ美術の古典期にあたるスコータイ様式や西欧の要素を融合し、きらびやかで独特な姿は誠に圧巻!
「ワット・プラケオ」には、美しいエメラルド色に輝く仏像が納められ、霊験あらたかな守護仏として、多くのタイ人から崇められています。

日本も同じ仏教国ですが、タイの仏教とはずいぶんと文化が違いますね。仏教はインドで生まれ、日本へはすべての人々を救うもの(大乗仏教)として入ってきました。これに対してタイの仏教は、出家して修行を積み、悟りをひらいた者だけが救われる(上座部仏教)という教え。

また、タイでは、ヴィシュヌ神の乗り物の「ガルーダ」など、インドで仏教を弾圧したヒンドゥー教がかなり色濃く混在するという珍しい特色があり、これがタイの仏教寺院全体にも表れています。アユタヤ王朝時代に、王さまが自分の権力を示すために意図的にヒンドゥー教を取り入れたもので、これが大きな影響を及ぼしたのですね。

【王宮】
◆利用時間8:00〜16:30(チケットは15:30)まで。
◆利用料金500B

おわりに

いかがでしたでしょうか?
壮麗なタイの仏教寺院と、きらびやかな装飾。日本の仏教文化とは、かなり違うものがありますね。しかし、異質なものの中にも、どこか懐かしく、ものすごい親しみを覚えます。それは、タイも日本と同じ、“イースト・アジア≪黒い瞳の国≫”だからなのでしょう。

現在の国王・ラーマ9世(プミポン国王)はチットラダー宮殿で暮らしていらっしゃいますが、王宮は迎賓館や記念式典の会場として、今も現役で使われています。
非公開の部分はあるとはいえ、実際に国王が公務を行っている王宮に自由に出入りできるということは東京・皇居の庭を自由に歩きまわっているのと同じこと。タイの自由さ、おおらかさを感じないわけにいきません。

タイ人にとってプミポン国王は、武力を使わず自国が戦場に巻き込まれるのを防いだ英雄。絶大な人気があり、国歌や国旗にも、すべてのタイ人は誇りを持っています。そんなタイへの旅。王宮で日本との違いや共通の文化を見つけるのもおもしろいですよ!

なお、王宮周辺の観光スポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/05 訪問

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