まもなく引退!豪華寝台特急『トワイライトエクスプレス』の楽しみ方

まもなく引退!豪華寝台特急『トワイライトエクスプレス』の楽しみ方

更新日:2015/02/03 11:10

西藤 カオルのプロフィール写真 西藤 カオル 新潟清酒達人検定 銅の達人
大阪〜札幌間を走る『トワイライトエクスプレス』は、JR西日本を代表する人気の寝台特急です。オリエント急行をモデルとし、内装もシックで豪華。車体は深い緑に黄色のラインがエレガント!その上この路線、車窓が大変美しいこともありチケット入手は至難の業。
いつかは乗りたいという人も多いのですが、2015年春に運行終了が決まっています。
この夢のような列車に乗れるのもあとわずか!引退前にぜひ!

狙い目は比較的チケットの取りやすい『上り』

狙い目は比較的チケットの取りやすい『上り』

写真:西藤 カオル

『トワイライトエクスプレス』の魅力といったら、誰もがまず思い浮かべるのは“日本海に沈む夕陽”の車窓ですよね。これが見られるのは大阪発の「下り」なので人気は自然と「下り」に集中します。したがって、札幌発の「上り」と比べると格段にチケットは取りづらくなるのです。しかし、この夕陽、実は見られるシーズンは限られているのはご存知ですか。晩秋になれば陽が落ちるもの早くなり残念ながらこのダイナミックな景色は拝めません。

そこで一つ提案です。ここは「下り」にこだわるのはやめて、「上り」に乗ってみませんか?チケットが取りやすいだけでなく、『トワイライトエクスプレス』の「上り」にしかない楽しみ方もたくさんあるんですよ!

◆写真:4号車「サロンカー」からの車窓・座席はすべて日本海側を向いている

「上り」だけが走るルートで堪能しよう!北海道駒ケ岳の七変化!

「上り」だけが走るルートで堪能しよう!北海道駒ケ岳の七変化!

写真:西藤 カオル

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『トワイライトエクスプレス』は、日本一長い距離を走る列車といわれています。「下り」は1495.7kmに対して「上り」は1508.5km。あれ?この差は、どういうことなんでしょうか。
種明かしをしますと、走るルートが少し違うからなんです。

函館本線・大沼駅から森駅間を、「下り」は大沼公園よりの最短距離で走るのに対し、「上り」は駒ケ岳をぐるりと回る、通称「砂原(さわら)回り」で海岸沿いを走ります。山のまわりを大きく一回りするような経路をとるので、より多くの角度から駒ヶ岳を眺めることができます。方角の目安を駅で言うと、尾白内駅(北西)、渡島砂原駅(北)、渡島沼尻駅(北東)、鹿部駅(東)、銚子口駅(南東)、池田園駅(南)。見る方角で姿を変える“駒ケ岳の七変化”をお楽しみください!

おススメは、なんといっても池田園駅付近からの景色。豊かに広がる大沼湖畔と雄大な駒ケ岳がセットで見られる人気のビューポイントです!長いこと湖畔沿いを走るので、シャッターチャンスを逃すことはないでしょう。時にはカメラを置いて、美しい景色をその目に焼き付けるのもいいですね♪

『トワイライトエクスプレス』の「上り」は、札幌から大阪までの運行時間は22時間50分。「下り」よりも50分ほど余計に乗車することになりますが、「上り」に乗ることで“駒ケ岳七変化”と、“真の最長距離制覇”を体験しませんか。

北海道の夕焼けと函館の夜景

北海道の夕焼けと函館の夜景

写真:西藤 カオル

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季節によって前後しますが、大沼を過ぎる頃には陽も傾きはじめてきます。「下り」が日本海に沈む夕陽なら、「上り」は北海道の雄大な景色の夕焼けと、そこに沈む夕陽をみることができます。だんだんと紅く染まっていく空と、北海道の山々。

『トワイライトエクスプレス』に乗ったからには夕陽の写真を撮りたい!と思うもの。夕陽のシャッターチャンスは結構短いので、迷わずシャッターを切ってくださいね!
(写真:構図を欲張りすぎていたら夕陽があっという間に山に……)

しかし、お楽しみは夕陽の後にもやってきます。あたりが暗くなる頃には、北海道ともまもなくお別れ。列車は函館あたりを走ります。時期によっては函館湾に浮かぶ漁火や、函館市街の夜景を遠くにみることも!この景色は、夕刻に函館付近を走る※「上り」ならでは!おまけとして、青函トンネル通過も、眠気と戦わずにすむ時間帯に体感できるのでさらにおススメです。

※2014年現在

降車して見学できる『トワイライト』カラーの機関車交換

降車して見学できる『トワイライト』カラーの機関車交換

写真:西藤 カオル

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日付が変わって翌日。『トワイライトエクスプレス』の「上り」限定で、ちょっとしたイベントがあるのをお忘れなく!

長距離を走る寝台列車に付き物の「機関車の交換」があります。長い区間を走るので、その区間に適した機関車が客車に取り付けられるという訳です。

「上り」では、福井県・敦賀(つるが)駅で『トワイライトエクスプレス』のカラーに塗装された、EF81形機関車どうしの交換が見られます。この機関車は、大阪-敦賀(つるが)-青森間を走ることができる交流直流両用電気機関車なので、「下り」は大阪-青森間を走りぬけてしまいますが、整備の便宜上「上り」は、ここ敦賀(つるが)駅で交換をするのです。停車時間も16分※と長めなため、「ぜひ降車してみて」と車内アナウンスも流れます。

なにしろ長時間の旅なので、長めの停車時間は貴重!有効に使いましょう。降車して外の空気を吸うもよし!「撮り鉄」よろしくベストポジションを順番待ちして1枚カメラに収めるのもよし、敦賀(つるが)名物の駅弁“鯛の舞”をゲット(予約をしておくと確実)するのもよしですよ〜!

※2014年現在
◆写真:機関車交換時に後続のスイート車の窓が清掃される様子

このプラチナチケットを抑えるには

このプラチナチケットを抑えるには

写真:西藤 カオル

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『トワイライトエクスプレス』の魅力をご紹介してきましたが、この列車、席によっては発売から秒単位で売れ切れてしまうというプラチナぶり。同じく人気寝台列車「カシオペア」と並んで、チケット入手が困難なことで有名です。この度、引退発表がなされたので、プラチナ化に一層拍車がかかることが予想されます。

そこで、ちょっとしたチケット入手のコツをご紹介します。

・「下り」より「上り」が取りやすい

・発売日の10時前に並ぶ(列の先頭であること)

・切符の購入は規模の大きな駅を避けること、小さすぎても駄目
(大都市の大きな駅には窓口を利用する乗客が多く、同じような目的の人も集まりやすい。また小さい駅では、処理する人員や、10時打ちのような特殊操作があまりなく手馴れていないことが多いので、ある程度の規模というところが大事となる)

・希望の個室がダメならB寝台を押さえる(後でキャンセル待ちでグレードアップ)

・旅行代理店枠もあるので、代理店の企画ものを利用する

こんなところです。
キャンセルは、乗車3日前によくでるのでここをお見逃し無く!

◆写真:琵琶湖周辺の車窓

運転日を確認の上、計画を

いかがでしたか?『トワイライトエクスプレス』の旅は、ほぼ丸一日車内で過ごすことになりますので、全ての人におススメではないかもしれません。しいて言うなら、「予定がないことを楽しめるタイプ」の方に向いていると思います。

ガイドブックとにらめっこの旅は、下車してからいくらでもできますので、この『トワイライトエクスプレス』に乗ったら、その瞬間から心の時計で動いてみてください。

運転日が限られますので、ご確認の上、計画を!【MEMO】欄、『寝台特急「トワイライトエクスプレス」の最終運転日について/JR西日本』をご参考ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/17−2014/05/18 訪問

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