華やぐタイの王宮文化!萌え萌え寺院にキュンキュンしよう!

華やぐタイの王宮文化!萌え萌え寺院にキュンキュンしよう!

更新日:2018/07/24 15:54

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
微笑みと情熱の国・タイ。人々はとても気さくでフレンドリー。その王宮も明るく、とってもきらびやか!歴代の王さまが増改築した王宮は、壮麗な宮殿が建ち並び、首都バンコク随一の観光スポットです。その中でも最大の見どころは「ワット・プラケオ」と呼ばれる王室専用の寺院。エメラルドの仏さまをおまつりしている本堂で、“エメラルド寺院”と親しまれています。そんな華やかで美しいタイの王宮寺院に、萌えキュンしませんか?

タイ国王は絶大なる人気!王宮では銃を手に兵士たちがしっかり警備!

タイ国王は絶大なる人気!王宮では銃を手に兵士たちがしっかり警備!

写真:沢木 慎太郎

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タイは王国。朝夕には国歌が流れ、その間は直立姿勢を保ったまま動いてはいけない。
タイは戦争でヨーロッパからの植民地支配から逃れた唯一の国。現在の国王・ラーマ9世(プミポン国王)の政治手腕によるもので、タイ国民を戦争から守り、絶大なる人気を誇っています。

「王宮」は、初代国王(ラーマ1世)からラーマ8世まで8代の国王が暮らしていた広大な寺院。
現在のプミポン国王はチットラダー宮殿で暮らされていますが、王宮は迎賓館や記念式典の会場として、今も現役で使われています。
そのため、王宮の入り口では兵士たちが厳重に警備。彼らが手にしているのは、本物の銃!

「ちょっと銃を貸して下さい」と筆者。
「だめだ!」「なんで?」「危ないからだ」
警戒された筆者は、たちまち兵士たちに取り込まれて、職務質問。
「おまえは何をしている?」
「観光のライターをしている。みんなに銃を見せたい。だから貸して欲しい」
「じゃあ、おれたちを撮ればいい」

まじめな顔で警戒する兵士も、なんだかんだと会話していくと、こんなふうに写真を撮らせてくれることも。
別れ際に、兵士は一言。
「カミカゼ日本人!今度は戦場で会おう。戦場のメリークリスマス♪」
なかなか爽やかな青年たち。ちょっと怖くて胸がキュンキュンするところもありましたが、これもタイならではのふれあいではないでしょうか?

白亜の壁の向こうにそびえる3基の仏塔 実に華麗で美しい眺め!

白亜の壁の向こうにそびえる3基の仏塔 実に華麗で美しい眺め!

写真:沢木 慎太郎

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銃を持った兵士が警備する詰所を通り、服装のチェック(肌の露出が多い衣服での入場は禁止)を受けて、いよいよ王宮内へ。

まず、目にするのは、白亜の壁の向こうにそびえる3基の仏塔。ひときわ目立つのが手前にある黄金の仏塔「プラ・シー・ラタナー・チェーディー」です。
金色のタイルが細かく貼られ、とても美しく、これも萌え萌えポイントの一つ。スリランカから伝わる独自なデザインで、ラーマ4世がアユタヤで3人の王が眠る王室の守護寺院をモデルに建てたもの。建物の内部には、お釈迦(しゃか)さまの遺骨である仏舎利(ぶっしゃり)が納められています。

2番目の奥に見える仏塔がタイル張りの装飾が華麗な「プラ・モンドップ」。純粋なタイ様式の塔で、内部には「トリビタカ(金の法典)」と呼ばれる仏教の経典(非公開)が納められ、いわば図書館のようなものです。
いちばん奥にある3番目の塔が「プラサート・プラ・テーピドーン」といって、ラーマ1世からラーマ8世までの歴代国王の像が安置されていますが、残念ながらこちらも内部は非公開。

そして、これら3つの塔の右に見える大屋根の建物が本堂の「ワット・プラケオ」。では、実際に敷地内に入ってみましょう。萌え萌え!

萌えキュンなタイの寺院!燦々と輝く黄金の仏塔は必見!

萌えキュンなタイの寺院!燦々と輝く黄金の仏塔は必見!

写真:沢木 慎太郎

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まず、右の建物がさきほどご紹介した3番目の塔で、歴代国王の像を安置した「プラサート・プラ・テーピドーン」。屋根に取り付けられたメラメラと燃える炎のような金色の飾り付けに、思わず萌え萌え〜!「チョーファー」という神話の鳥をイメージした飾りで、タイの仏教寺院によく見られます。

この建物は上から見ると、十字の形をしているのですね。屋根も四段重ねで、なかなかのオシャレ。典型的なタイ様式の建築で、これは「とても大切なものが入っていますよ」という意味があるのです。つまり、歴代国王の像を守っているわけですね。

建物の上に突き出た円柱の塔は石造りで、塔の先にはシヴァ神のシンボルが取り付けられています。こんもりとした丸みのある塔ですが、これは仏教の守護神の一つである帝釈天(たいしゃくてん)が住んでいるとされる山を表したもの。

次に左の金色に輝く塔は、3基の仏塔でご紹介した黄金の塔とはまた別のもので、「プラ・スワンナ・チェーディー」。こちらも、気持ちいいくらいに燦々と輝く金色の塔で、歴代国王の像を安置した「プラサート・プラ・テーピドーン」の両脇に建っています。

ラーマ1世が両親にささげるために造ったといわれ、見学できるのはラーマ4世時代に再建された1基だけ。寺院内で最も古い建物なのですが、それよりも注目していただきたいのが塔の台座を両手でしっかりと持ち上げている人形たち。これは……いったい、何?

力持ちの「ヤック」(鬼神)と、「モック」(猿神) 仲良しの二人に、どうぞご注目!

力持ちの「ヤック」(鬼神)と、「モック」(猿神) 仲良しの二人に、どうぞご注目!

写真:沢木 慎太郎

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こちらが、さきほどの黄金の塔の台座をささえている人形たちをアップしたもの。きらびやかな衣装だけでなく、お顔にも派手なタトゥーを入れています。
日本の仏像では、まずお目にかかることはできません。さすが陽気な南国のタイ!見ているだけで、ハッピーになれる!

この二人は、古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に出てくる「ヤック」(鬼神)と、「モック」(猿神)。二人は仲良し。とてつもなく大きな仏塔を、“よいしょ”と支えています。そのけなげな姿に、かなりの萌え萌えキュンキュン!

「ヤック」は魔よけの神さまで、「モック」はその相棒。二人の見わけ方はすごく簡単!靴を履いているのが「ヤック」で、裸足なのが「モック」。巨大な仏塔を支える働き者の二人にも、どうぞご注目!

すべてのタイ人を萌えキュンに!霊力秘めたエメラルドの仏さま

すべてのタイ人を萌えキュンに!霊力秘めたエメラルドの仏さま

写真:沢木 慎太郎

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そうして、王宮で最大の見どころが本堂「ワット・プラケオ」。色鮮やかなガラスのモザイク模様と、きらびやかな金箔がほどこされた豪華絢爛な寺院です。
堂内には、写真のように美しいエメラルド色に輝く仏像が納められ、霊験あらたかな守護仏として、多くのタイ人から崇められています。ここを訪れずして、バンコクは語れません。すべてのタイ人を萌えキュンにしてしまう仏像!

仏像は高さ66センチと、大きくはないのですが、エメラルド色に輝く翡翠(ひすい)で作られた美しい姿は強い霊力に満ちています。
この仏さまは謎が多く、いつ作られたのか不明。15世紀にタイ北部のチエンラーイという小さな街に、凄まじい落雷があり、仏塔が壊されました。その中から偶然に見つかったのが、エメラルドの仏像。実に伝説的な登場の仕方です。

この霊験あらたかなエメラルドの仏さまは、その時代を治める王の手によって、ランパーン→チェンマイ→ラオスと場所を転々と変えていきました。そうして、バンコクのいしずえを築いたラーマ1世がラオスから奪い返し、現在の場所にまつられることになりました。
多くの歴代の王を魅了し続けてきたエメラルドの仏像は、タイ人のアイデンティティーの一つ。海外からも巡礼者が巡礼に訪れます。

タイ人の95%以上が仏教徒。エメラルドの仏さまの前では、いつまでもひざまずきながら祈りを捧げる光景が。タイ人の信仰心の篤(あつ)さを感じ、心が大きく揺れ動かされます。
エメラルドの仏像は年に3回、季節の変わり目に厳かな衣替えの儀式が行われるのですが、その際、国王みずからが仏像の衣装を取り替えることになっており、これは王室の重要な行事の一つ。すご〜く、大切な仏像なのです。

ところで、このエメラルドの像は、堂内での写真撮影は厳禁。そこで、建物の外から望遠レンズを使って撮影し、紙面への掲載許可を求めるため、冒頭でご紹介した門番の兵士にもう一度会いに行くことに。
大切な仏像を撮影してしまい、もしかしたら銃殺されるかもしれないと、かなりキュンキュンする場面に遭遇するも、兵士たちは「いい写真だ」と賞賛。彼らは微笑んでいたので、これは紙面への掲載もOK、ということなのでしょうか!?

【ワット・プラケオ(王宮寺院)】
◆利用時間8:00〜16:30(チケットは15:30)まで。
◆利用料金500B

おわりに

お楽しみいただけたでしょうか?タイの王室は、すべての寺院の中でも特に厳かで格式高い聖なる場所。
しかし、壮麗な寺院の装飾や奇抜な姿の仏像には、どこかタイ人らしいユーモアや優しさに満ちあふれていて、門番の兵士とともに、筆者はとても好きなところです。

王室寺院に参拝するにはミニスカートやノースリーブ、タンクトップといった肌の露出度の高い服装はNG。入り口で服を借りること(デポジットが必要)はできますが、服装には気をつけたいもの。
また、広い王宮内にはコンビニがないので、ペットボトルを持って行かれると良いでしょう。

このほかにも、「チャックリー宮殿」や「ドゥシット宮殿」といった壮麗な建物もあるので別途ご紹介!
また、最後の「ワット・プラケオ」では、エメラルドの仏さまだけでなく、ブッダの生涯や仏教の宇宙観を表した極彩色の壁画も、実に華麗で見事です。ぜひ、その目でご覧下さい!

なお、王宮周辺の観光スポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/05 訪問

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