今回おススメするのは、御嶽山の溶岩の絶壁「巌立(がんだて)」展望台のある「がんだて公園」周辺の滝や溶岩台地の森を歩くコースです。何万年もの時間をかけて作られた自然の美しさを満喫でき、初心者でも手軽に歩くことの出来るコースでもあります。
まずは、がんだて公園駐車場にある「滝めぐり案内所」を訪れます。案内所には、NPO法人飛騨小坂200滝のガイドが常駐し、滝めぐりの説明を行ったり、コースの相談、おススメの滝などを案内してくれます。
また、山奥にあり、簡単には見ることが出来ない滝の映像や、御嶽山と巌立峡の地形の成り立ちを説明した15分ほどのDVDの上映もしているので、歩き始める前に立ち寄ることをおススメします。
がんだて公園駐車場から滝見遊歩道を5分ほど歩くと「巌立」の大岩壁に近づき、更に5分ほど岩壁沿いの階段を登ると、第一の滝「三ツ滝」に到着します。上段(6メートル)中段(11メートル)下段(5メートル)の3つの滝から成り、滝見橋からは水しぶきを肌で感じられるほど、間近で見ることが出来ます。
滝付近には、毎朝ガイドが測定した気温、湿度、マイナスイオンの数の書かれた看板があります。取材日のマイナスイオン数、なんと14,600個/cc!通常の家庭では100個/cc程度との事なので、その数の多さが良く分かります。
三ツ滝を過ぎると遊歩道が終わり、登山道につながります。この登山道の下が、御嶽山の大噴火で流れ出た溶岩流が冷えて固まって出来た「溶岩台地」です。そして、この台地の上には、長い年月をかけて作られた森が広がっています。
豊かな森の中には、たくさんの野生動物も住んでいて、鳥のさえずりが耳に心地よく響きます。運が良ければ、野生のカモシカに遭遇することもあるとの事です。
溶岩とは思えないほど落ち葉で「ふかふか」な登山道は、新鮮な空気が満ちていて、リラックスしながら、ゆっくり歩くのがおススメです。
溶岩台地を抜けると「どんびき平」と呼ばれる湿原に出ます。根尾の滝まで続く登山道と林道に出る分岐点となっていて、「がんだて公園周辺コース」では、ここから林道に出ます。10分ほど歩くと「あがねとよ」と「からたに滝」に通じる階段があり、渓谷に下りることが出来ます。
落差14メートルの「あかがねとよ」は、透明な水を湛えた滝壺の美しい滝です。かつては、岩肌が赤く苔むしていたことから、「銅」を意味する「あかがね」と、まるで雨樋をつたうように水が流れてることから「雨樋」を意味する「とよ」から名付けられた滝です。
「あかがねとよ」と向かい合うようにしてあるのが「からたに滝」です。御嶽山の柱状節理の岩に囲まれ、その間を流れ落ちる滝の轟きが林道まで響き渡ります。岩がドーム状になっているため音がよく響きます。
落差15メートルと、滝の規模としては大きくはありませんが、水量も多く、力強い轟きは迫力満点です。また、午後になると太陽の光が差し込み、虹が見えることもあります。
おススメしたコースは、遊歩道も整備され初心者も手軽に楽しめる初級コースですが、中級・上級のコースは地図もなく、道なき道を歩いたり、急斜面の上り下りや、水流に負けないように川を遡るコースです。そのため、手つかずの自然を満喫出来るコースとして人気ですが、安全上の理由からガイドが必要となります。
NPO法人飛騨小坂200滝のガイドは、遊歩道や山道、渓谷の整備も行っており、小坂の滝を知り尽くしています。中級・上級コースにチャレンジする場合は、ガイドと共に、安全に「滝めぐり」を楽しんでください。
もちろん、今回紹介した初級のコースにもガイド付きの定期ツアーや、溶岩台地で野点(野外でお茶を楽しむ)をするコースなどもあります。知識豊富なガイドさんと歩くと、より一層、「滝めぐり」を楽しむことが出来ておススメです。
新緑や紅葉、雪景色など、四季折々の景色が楽しめる「小坂の滝めぐり」。暑い夏には、涼を求め出掛けてみては如何でしょうか。
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