2015年大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台を先取り!萩をレンタサイクルでまわろう!

2015年大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台を先取り!萩をレンタサイクルでまわろう!

更新日:2014/06/25 16:08

「古地図で歩ける町」といわれるほど江戸時代の区画に沿った町並みが残る城下町「萩」。
レンタサイクルでまわるにちょうどよい広さで、見どころスポットがたくさん。
2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台となる長州藩の城下町をまわってみましょう。

維新の志士を生んだ城下町へ

維新の志士を生んだ城下町へ
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JR東萩駅前でレンタサイクルを借りたら幕末の志士達が生まれ育った地「萩城 城下町」へ。

萩の城下町は「日本の道 100選」にも選ばれていて、ゆっくりそぞろ歩くにはぴったりの場所。
江戸時代の区画割りが残っていて城下町であった当時の姿を感じることができます。
レンタサイクルで周る際には、駐輪場があちこちに設けられていて便利。
とはいえ、その駐輪場も屋敷跡の区画を利用しているので、自転車をたまたま停めたら有名人の屋敷跡だった!ということも。

高杉晋作、木戸孝允(桂小五郎)など幕末に活躍した維新の志士の旧宅以外では、重要文化財となっている「菊谷家住宅」「旧久保田家住宅」など商人の屋敷を見学することができます。

高杉晋作の家はかつて約500坪の広さがありましたが、残念ながら現在はその一部しか残っていません。
木戸孝允の旧宅跡は、木戸孝允が誕生した部屋や庭園など当時の姿を残しているので、当時の上流・中流階級の屋敷の造りについて知ることができます。
木戸邸を参考に、高杉邸はどんな家だったのか?を想像してみましょう。

高杉晋作、伊藤博文が学んだ円政寺へ

高杉晋作、伊藤博文が学んだ円政寺へ
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高杉晋作、木戸孝允の旧宅近くにある円政寺。
ここは神仏分離令(明治新政府が神道と仏教、神社と寺院とを分離させた)にもかかわらず、寺と神社が同じ敷地内にある珍しいお寺です。
高杉晋作や伊藤博文は子どもの頃にこの円政寺で学びました。

金毘羅社の社殿に飾られている巨大な「天狗の面」は、子どもたちにとってはとても恐ろしく、高杉晋作などが子どもの頃に肝試しをしたという話が伝えられています。
また、高杉晋作、伊藤博文が遊んだ木馬(神馬)が残っていたりと、彼らの幼い頃の姿が目に浮かぶようです。

なお、円政寺の近くには楫取素彦(かとりもとひこ)が住んでいました。
楫取素彦は明治時代に群馬県令を務め、世界遺産認定された富岡製糸場が一時、閉鎖の危機にあった時に存続をさせることに尽力しました。
大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公である杉文(すぎ ふみ)はのちにこの楫取素彦と結婚しますが、「楫取」と改名する前の小田村家は円政寺の本堂の左側にある池の先にありました。

城下町散策の合間にはカフェでひと休みはいかが?

城下町散策の合間にはカフェでひと休みはいかが?
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城下町散策からひとやすみをしたいときには、城下町のはずれにある「珈琲 蔵」へ。
萩博物館近くにあるカフェで、外観はその名の通り「蔵」のよう。
地元客が集まるカフェで、その日につくられる手作りパンとサラダのランチがおススメです。

手作りパンは食感が異なり、サクサクしているパンもあれば、もっちりとしたパンもあり、どれもおいしく味に飽きることもありません。
特においしいのが丸いパンの中に入っている謎の黒いもの。
昆布の佃煮のような味で、パンの中の具として意外に合います。
マスターに中身を聞いたのですがとても意外なものが入っていました。
これはぜひお店で食べてみてください!

「珈琲 蔵」は他にもピザやシフォンケーキなどのメニューがあり、食事でも喫茶でも利用できるカフェです。
他にも城下町にはカフェや萩焼のお店があったりと、食べても見ても楽しいお店があるので、ぜひ探してみてください。

維新志士を生んだ萩の町のシンボル、萩城へ

維新志士を生んだ萩の町のシンボル、萩城へ
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「珈琲 蔵」の前にある大きな通りは、かつて萩城の三の丸と城下町を分ける「堀」がありました。
ここまで来ると萩城のある指月山に近づいてきたことが感じられます。

すぐ近くに当時の門が再建されているので訪れてみましょう。
「北の総門」は三の丸への入口の門。
堀と土橋、木造の門、船着場(ふなつきば)が再現されています。
門の両サイドには土塁が築かれ、守りのためのテクニックである「枡形(ますがた)も組まれています。

北の総門から再び城下町を抜けて萩城の本丸を目指します。
高杉晋作らの旧宅があった「萩 城下町」とは異なり、城内に入っただけあって、道幅も広くなり、並ぶ建物も大きく敷地も広くなったことに気がつきます。
一軒一軒、漆喰の塀で囲まれ、「御屋敷が立ち並ぶ」様相になってきます。

日本各地に「城下町」や「武家屋敷跡」は残っていますが、ここまで広い場所で当時の区画や建物が残っていることは珍しく、特に三の丸の内側は、現在も「生活の場」となっていることが驚きです。
時間に余裕があるなら、立ち並ぶ立派な長屋門を眺めながら武家屋敷散策を楽しみましょう。

北の総門からレンタサイクルで約10分で萩城に到着。
関ヶ原の合戦後、広島から萩に移ってきた際のお殿様「毛利輝元公」の銅像を見ながら、左に右に折れる石垣を進んでいくと内掘とともに石垣と天守台が見えてきます。

萩城は指月山(しづきやま)のふもとにあり、山麓に平城、山頂には「詰丸(つめまる)」を配置した平山城でした。
「詰丸」とは、「攻められたときの最終拠点」のこと。
毛利氏は、関ヶ原の合戦で総大将としてまつられ、出陣こそはしなかったものの、最終的には徳川家康によって萩に移動させられてしまいます。
敗北した西軍であったことからか、あるいは江戸幕府に後ほど攻められる可能性を考慮していたのか、「守ること」を意識した作りになっている城です。

残念ながら明治7年(1874)に建物は解体されてしまい、お城のシンボルである天守などの建物は残っていません。
しかし、天守があった天守台は残っていて、その「反り」は見事。

天守台には当時、五重の望楼型天守が建っていました。
柱が建っていた礎石跡が残っているので、入口がどこにあり、天守台のどのくらいの位置まで建物が建っていたかがわかります。

天守台に立ったら周りを見回してみましょう。
すぐ後ろには詰めの城がある「指月山」。
本丸の周囲は堀で囲まれている。
(石垣が並び、その上には城壁や櫓が立ち並んでいました。)

そして、守りが弱いとされていた建物が立ち並ぶ東側に築かれた土塀や城壁。
(復元されているので、こちらも帰り道に見ることをおススメします。)

料金所のあった本丸門から眺めた時は、あっけなく攻め落とせそうに思えますが、意外に「守られている」と感じられ、安心感がある城の作りなのです。

※指月山の山頂の詰丸までは、急な山道を登ることになります。
 登る際にはご注意ください。

杉文の兄、吉田松陰の開いた「松下村塾」を訪ねる

杉文の兄、吉田松陰の開いた「松下村塾」を訪ねる
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萩城の駐車場からレンタサイクルで約20分。松陰神社へ。
松陰神社には吉田松陰の私塾である「松下村塾」の建物が保存されています。

吉田松陰はもともとは杉家の次男坊。
叔父にあたる吉田家の養子となったため、大河ドラマの主人公となる「杉文(すぎ ふみ)」とは名字が異なりますが、文は妹です。

松陰は「松下村塾を開いた」と言われることが多いのですが、杉家から吉田家に養子に行ったのち、叔父の玉木文之進が開いた寺子屋を引き継いだのです。
「松下村塾」と名付けられたその寺子屋は、吉田松陰の手により「農民だろうと武士だろうと、学びたい人は誰でも無料で学べる場」となりました。

当時、武士や上流階級の子は藩校である「明倫館」で学んでいました。身分に関係なく学ぶことができる場というのは異色な存在でした。

自宅の物置小屋を改造して開いた松下村塾は、塾生が増えると手狭になり、塾生と一緒になって改築。
とはいえ、18.5畳の広さというからさほど広いわけではない。
しかし、ここから高杉晋作、久坂玄瑞、山縣有朋、伊藤博文などそうそうたるメンバーが巣立っていったのです。

最近、発見された塾生が当時の授業の様子をスケッチした資料では、学校の授業形式のように「前に先生、対面で机を何列にも並べて生徒が着席」していたのではなく、「コ」の字型に机を配置し、ディスカッションするような授業も行っていたというから驚きです。
その「コ」の字型の机がこの建物の広間に並べられていたのでしょう。

境内の敷地内には、吉田松陰が下田で黒船に密航しようとして捕らえられた後、蟄居していた「吉田松陰 幽囚の旧宅」も残されているのでこちらの見学も忘れずに。

なお、奥にある松陰神社のおみくじは、「松陰先生の教訓入り」。
旅の記念にいかがですか?

おわりに・・・

幕末の志士から総理大臣まで多くの政治家を輩出してきた萩。
それだけ多くの人が活躍するには、当時から学びの環境がとても整っていたことがわかります。

歴史に興味が無くても城下町の建物や雰囲気のおかげで江戸時代や明治時代に一気にタイムスリップできます!

萩は道幅が狭いところもあることから、車よりレンタサイクルのほうが便利で気軽にまわれます。

今回のプランは、午後から東萩駅を出発して最後の松陰神社、東萩駅を周るまでの半日プランです。
萩博物館や城下町をゆったり巡ると半日では足りないので朝から周ることをおススメします。

大河ドラマを楽しむために「萩を先取り!」しましょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/15 訪問

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