写真:すがた もえ子
地図を見る東京都日野市にあり、人々に「高幡のお不動さん」と呼ばれて親しまれている高幡不動は、正式名称を高幡山明王院金剛寺といいます。
6月中は境内で山アジサイを楽しむことができ、アジサイの名所としても知られています。
土方歳三の出身地という事で新撰組に縁の深い日野市ですが、この高幡不動にも新撰組に関する資料が展示されています。
写真:すがた もえ子
地図を見るこの高幡不動に関わりのある生まれ変わりの物語。
「勝五郎再生記聞」という言葉を耳にした事はありますか?
文政5年(1822年)に国学者の平田篤胤(ひらたあつたね)によって記された報告書です。
後に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)によって「仏の畠の落穂」の中で紹介され、海外でも知られるようになったお話でもあります。
世に生まれ変わりの伝説は数多くありますが、日本ではこの勝五郎の話がもっとも有名ではないでしょうか。
高幡不動には、この勝五郎の前世・藤蔵のお墓があるんです。
写真:すがた もえ子
地図を見る文政5年(1822年)、現在の八王子市東中野で生まれた小谷田勝五郎(こやたかつごろう)という少年が、「自分の前世は程久保村(現在の日野市程久保)の藤蔵である」と語りました。
藤蔵の家族の事や、疱瘡で亡くなったなどの事実を言い当て、江戸でも評判になりました。
当時8歳の少年が後から情報を得たというのは考えにくく、また藤蔵の家族も詳細を確認したのだというのですから不思議な話ですよね。
このお墓は、その前世である藤蔵のものとされています。
平成22年(2010年)には藤蔵没後200年を記念して、お墓の側に「勝五郎再生記」のあらましが書かれた説明看板が立てられました。
写真:すがた もえ子
地図を見る高幡不動に続く参道には多くの飲食店が軒を連ねています。
その中でも気になるのが「そば処 開運そば」です(詳細はMEMO参照)。
店内にはお地蔵さんもまつられており、名物の「開運そば」と並んで「地蔵そば(写真)」「福よせそば」など、縁起の良さそうな名前を連ねています。
土日もやっている日替わりセットがボリューム満点。
数量限定のそば団子は蕎麦の風味が満点で、女性には特におススメです。
散策で疲れた足を休め、美味しいお蕎麦でお腹を満たすと、ひょっとしたら運も開けるかもしれません。
勝五郎の話は登場する関係者が全て実在し、時間や場所もはっきりしているという、世界的にも珍しい例です。
前世を記憶した勝五郎は55歳まで生き、現在は八王子市柚木の永林寺に眠っています。
勝五郎伝説の真偽のほどはわかりませんが、たまには説明のつかない不思議な話にひたってみる・・・なんていうのはいかがでしょうか?
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(2024/3/28更新)
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