「和歌山ラーメン」大解剖!スープの特徴と独特の風習とは?

「和歌山ラーメン」大解剖!スープの特徴と独特の風習とは?

更新日:2014/06/20 13:14

しののプロフィール写真 しの 旅する調理師
数あるご当地ラーメンの中でも老舗的存在なのが「和歌山ラーメン」。地元では「和歌山ラーメン」などとは呼ばず「中華そば」と呼ぶのが一般的ですが、各種メディアで紹介されたこともあり今では「和歌山ラーメン」として認知されています。
和歌山市を中心に店が軒を連ねていますが、主流は大きく分けて2派(豚骨醤油ベース派と醤油ベース派)です。それぞれで代表格とされているお店と地域特有の風習をご紹介します。

日本一美味しいラーメンとして紹介?!「井出商店」

日本一美味しいラーメンとして紹介?!「井出商店」

写真:しの

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豚骨醤油ベースの代表的なお店が「井出商店」。
かつて日本一美味しいラーメンと某テレビ番組に紹介されたことから和歌山県内だけでなく全国的にも名が知られる事になったほど。

近年では「和歌山ラーメン」と言う呼び方がすっかり定着していますが、地元では「中華そば」と呼ばれており、メニューも「中華そば」となっています。

味のベースは豚骨と鶏ガラを10対1の割合で骨からゼラチンが溶け出すほど煮込み、どろっと乳化させたような濃厚スープ+醤油。行列店なので、店の前で並んでいると、豚骨の香が店の外まで漂っています。

どろっとした濁りスープに醤油色・・・さぞかし濃いのではと思うのですが、食べてみるとくどさや臭みはあまり感じないです。全国的な中華そばのジャンルではかなりこってり寄り、しょっぱさもあります。

麺は細めのストレート。チャーシューは柔らかめというよりは、もちもちとした弾力があるタイプ。その他トッピングとしてかまぼこ、ネギがオンされています。

尚、大盛りを注文すると見た目は小ぶりな器にこれでもかと麺がすし詰め状態に入っており、奥から奥から麺が出てきますので、ボリューム満点です。たくさん食べたい方にはおすすめ。

■ご紹介したお店■
店名:井出商店
住所:和歌山県和歌山市田中町4-84
電話番号:073-424-1689

和歌山ラーメンの主流醤油ベーススープの名店「○京」

和歌山ラーメンの主流醤油ベーススープの名店「○京」

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和歌山ラーメンの主流はかつてあった路面電車の停車場に軒を連ねていた屋台を発祥とする醤油ベースのスープ。一時はこのカテゴリーの和歌山ラーメンをわかりやすく「車庫前系」と呼ばれていたことがありました。
また、この「醤油ベーススープ」「車庫前系」には丸を屋号に掲げているお店が多数存在しますが、レシピを伝えた発祥店の屋号に丸が含まれており、その流れを汲んでいるとか。

そう言った醤油ベースの名店が「○京(まるきょう)」。

「中華そば」のスープは醤油の旨み、豚骨のコクがうまく調和し、やや感じる酸味がさっぱりとした味わい。
麺は断面が角張った太さ並のストレート麺で、やや硬めでもちっとした食感です。

トッピングはチャーシュー、メンマ、かまぼこ、ネギと言ったオーソドックスなタイプです。

■ご紹介したお店■
店名:○京
住所:和歌山県和歌山市雑賀町120
電話番号:073-423-5754

和歌山ラーメン特有の風習代表格「早寿司」とは

和歌山ラーメン特有の風習代表格「早寿司」とは

写真:しの

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和歌山ラーメンの特徴は中華そばだけではなく、この地域特有の慣わしがあります。

代表的なものが各テーブルの上に置かれている早寿司(はやずし)。
小ぶりの鯖寿司で、中華そばが提供される前に食べる人が多いです。

紀州では有名な郷土料理「なれずし」と言う自然発酵の寿司があります。自然の発酵が必要ななれ寿司は作成に時間がかかるのに対し、早寿司は簡易発酵又は酢を用いる為作成に時間がかからないもの。

なれ寿司は見た目もどろっと(なかにはドロドロ)していた腐れ寿司で一般の方には食べづらいのに比べ、早寿司は柿の葉寿司や押し寿司に近い味わいです。
もともとはアセの葉に包まれていましたが、現在ではプラスチック製の包みです。

最後に・・・

「和歌山ラーメン」と一口に言っても、主流だけでも2つあります。是非現地で食べ比べてお好みの「中華そば」を見つけて下さいね。

何となく遠いと思う和歌山は、意外にも関空からならわずか30分。
少し足を延ばして和歌山へ「中華そば」を食べに行きましょう♪

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/26−2014/05/02 訪問

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