真言宗の開祖として知られる空海（弘法大師）。その空海が1,000年以上前に悪疫流行から庶民を救う為に開いたのが関東三大師の1つ、東京都足立区の「西新井大師」。正式名称は「五智山遍照院総持寺」、真言宗豊山派の寺院です。牡丹の名所としても有名で、4～5月の花まつりには約4,500株の牡丹が境内を彩ります。
この西新井大師では、参拝者の悩みや願いを込めた厄除けの護摩焚きが1日に6回程度行われます。目の前で行われる護摩焚きは、燃え盛る炎を前に、火の粉を全身に受けながら読経する僧侶の姿に目が釘付け！また祈祷時に仏具の生み出す甲高い神聖な音と力強い読経に心が研ぎ澄まされ、身を清めることが出来ます。日々の雑念や悩みから心を開放できるひと時。
境内に続く参道を進むと、たわしを持った老若男女が中腰になって、我先にと一心不乱に地蔵様を磨いている様に遭遇します。この地蔵様は「延命水洗地蔵尊」と呼ばれ、丁寧に磨くことにより十種の福徳を得られ、特に不老長寿・寿命長延の功徳があることで有名な為、長年多くの参拝客に磨かれていることから美しい金色に照り輝いておられます。
地蔵様の足元にあるたわしで丁寧にこすることで功徳を得られる手軽さから、通勤途中に磨いて行く人も多く、また東武大師線・大師前駅から徒歩すぐというアクセスの良さから、病気治癒や人生の節目を迎える人々の心の拠り所になっています。
平日は比較的参拝者が少ないので、地蔵様を独り占めして丹念に磨くことが可能。たわし片手に地蔵様を磨き、これであなたも長寿人生、間違いなし！！
祈願・祈祷の場所のみならず、人々の交流の場としての役割も担う寺社仏閣では、季節を感じられるイベントが多く開催されています。西新井大師では仏事に関するイベントは勿論のこと、植木市や風鈴祭り、そして縁日祭も頻繁に開催されており、その賑わいたるや押すな押すなの大盛況。また毎回満員御礼となる写経会、西新井大師所蔵の葛飾北斎による晩年最大級の肉質画「弘法大師修法図」の鑑賞会「北斎会（ほくさいえ）」も一般公開されるなど、文化面における取組も多く見られます。どのイベントにも沢山の参拝客が押寄せ、境内や参道、そして門前町も大賑わいとなり、少しレトロな雰囲気の中にある賑わいを直に感じることが出来る貴重な場所となっている西新井大師。
毎月4～5回行われる縁日では、女性誌に頻繁に取上げられる程に有名となった人気アイテム「恋愛成就リング」を販売している出店があり、女性陣がリングを買い求める姿も多く見られます。また一年の締めくくり縁日として行われる「納めの大師」では、商売繁盛祈願をした熊手やだるま等がきらびやかに並べられる様は実に豪華！
一年を通して多くのイベントが行われるこの西新井大師は、訪れる人が直に季節や文化を感じることが出来る貴重な場所なのです。
西新井大師入口の参道には今もレトロ風情を残す老舗店が多くありますが、中でも特に有名なのが草団子屋。その昔、弘法大師がよもぎを煎じて病人に飲ませたところ、病気がたちまち治ったという伝説から、よもぎを用いた草団子が、弘法大師と縁深いこの場所の名物菓子となったとのこと。
一口に草団子と言っても店により微妙な味の違い、餡の種類や形状が異なる為、古くからの参拝客や地元の人は好みの店に通いますが、初めて西新井大師を訪れる人にとっては大師入口門前にある向い合わせ２軒の老舗団子屋、清水屋と中田屋の強烈な呼込合戦には驚かずにはいられないはず！揃いのエプロンを着用した呼込隊が味見用の団子をどんどん手渡してくれます。店によりそれぞれに味わいが違う団子は買う前に味見も出来、イートインスペースもあるので、ちょっと一休みにおススメ！あなた好みの１軒を見つけましょう！
草加せんべいで有名な草加市の隣に位置するここ西新井大師。古くからの門前町には多くの手焼せんべい屋があり、大きなガラス壷の中に入れられた色とりどりの手焼せんべいは、１枚から買うことが可能。その為、オーソドックスな醤油や辛味噌味から、抹茶味やコーヒー味等の目新しい味まで手軽に楽しめます。タイミングが合えば、店先でせんべいを焼いている場面に遭遇出来るかも！好きな味を選んで、門前町散策のお供にいかが？懐かしい味がするはず！
日本っていいなぁ･･･と思わせてくれる風景や行事、文化は、近代化の波により年々少なくなってきていますが、実はまだまだ身近に多くあります。近代化の波から、昔懐かしの門前町へ出かけてみませんか？
無病息災・長寿延命を念じ、門前の街を味わいながら参道をそぞろ歩く時間。
古き良き日本の良さをゆったりと感じてください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい！と思ったらトラベルjpでまとめて検索！
条件を指定して検索
(2024/4/23更新)
- PR -
- 広告 -
