一度は食べたい、ド迫力の『きんし丼』。『逢坂の関』で出会う感動の丼体験をどうぞ!

一度は食べたい、ド迫力の『きんし丼』。『逢坂の関』で出会う感動の丼体験をどうぞ!

更新日:2013/11/11 15:22

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
「これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関」蝉丸。「夜をこめて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ」清少納言。「名にしおはば逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな」三条右大臣

百人一首の中に三首も歌われる逢坂の関ってどんなところなんだ?一度は行ってみなきゃと思っていました。そして、ここにある日本一って?

かねよの『きんし丼』はド迫力

かねよの『きんし丼』はド迫力

写真:SHIZUKO

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『日本一のうなぎ』と堂々と書かれたのぼりが、京阪電車が大谷駅に近づくと見えてきます。これは、もう、胸バクバク、期待はいやが上にも盛り上がります。        

無人駅を下りて、ちょっとだけ坂を登ると、ありました! かねよ本店。そして、本店はおひとり様には敷居が高いので、お気軽なレストランの建物へ。迷わず頼んだのは、上きんし丼2200円。だって、これを食べるためにわざわざやってきたんですから。

まずは、桜茶を出してくださいます。桜の香りと、疲れを癒す塩味にホッコリ。肝吸いか、麩のお吸い物か聞かれますので、肝吸いをチョイス。しばらくすると、お茶とお漬物。そして、そして、待つこと7分、とうとう『上きんし丼』とのご対面です。

ドーンと乗っかった卵焼き。うまきでもなく、出し巻きでもなく、錦糸卵の発展系?…だから『きんし丼』と名づけられたとか。

このボリューム、すごいです。でも、あっさりとしてるので、スルスルとお箸は進みます。そして、件のうなぎは、脂臭くなく身が締まった上物。いや、そりゃ、さすがです。

たれも甘すぎず、香ばしく焼き上げられて、これこそが国産・日本一のうなぎの味なんだなあって、ゆっくりとかみしめました。だって、大切な3切れのうなぎですから!   

メディアでもよく取り上げられている『かねよ』。

最近はうなぎが不漁ということで、かなりいろいろ苦労もされているようですね。ここのうなぎは、もちろん国産、浜名湖産。きんし丼以外にも、うまきは、出汁がしっかりきいた卵にフレーク状のうなぎが入っていて、食べ応え充分。蒲焼は、皮がパリっとしてて、さすが! のお味です。

逢坂の関記念公園と蝉丸神社の車石

逢坂の関記念公園と蝉丸神社の車石

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『かねよ』のある場所は、和歌によく詠まれている逢坂の関があった場所。京阪電鉄大谷駅の東約100mの国道1号沿いに「逢坂山関跡」の記念碑があり、逢坂の関記念公園として整備されています。

急坂を登ってくると、少し開けた場所が関跡。ここの前後は、細く曲がりくねった道が続いています。公園には、牛車が通りやすいように轍がある『車石』や、関所を髣髴とさせる木の柱や休憩所があります。また、とっても丁寧なパネル展示もされています。
 
逢坂山は、京都と東国・北国を結ぶ東海道(京都から太平洋側を通る道)・東山道(中央山間部から東北へ続く道)・北陸道(京都から日本海側を通る道)の3つの主要道路が集中する交通の要衝。武将や貴族、いろんな人がここを通過して、その厳しさを痛感して行ったんでしょうね。どうしても通過しなければならない難所がこの逢坂の関でした。

駅のほうに戻ると『蝉丸神社』があります。

琵琶の名手・蝉丸を祭った神社。芸能の神様として人気があります。ここにも『車石』が見られます。どれほどの牛車が、この山の急坂を越えていったんでしょう。

「大津と京都を結ぶ東海道は、米をはじめ多くの物資を運ぶ道として利用されてきました。江戸時代中期の安永八年(1778)には牛車だけでも年間15894輌の通行がありました。この区間は、大津側に逢坂峠、京都側に日ノ岡峠があり、通行の難所でした。京都の心学者 脇坂義堂は、文化二年(1805)に一万両の工費で、大津八町筋から京都三条大橋にかけての約12kmの間に牛車専用通路として、車の轍(わだち)を刻んだ花崗岩の切石を敷き並べ牛車の通行に役立てました。これを「車石」と呼んでいます。大津市・藤尾学区自治連合会 平成七年(1995)二月」と、解説されています。

三井の晩鐘は、日本一の湖に届ける音

三井の晩鐘は、日本一の湖に届ける音

写真:SHIZUKO

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京阪電車・三井寺駅を降りて、徒歩10分。近江八景の一つ、歌川廣重の浮世絵『三井の晩鐘』で有名な、三井寺(園城寺)に行ってみましょう。比叡山をバックに背負ったこのお寺の敷地はかなり広くて、ゆっくり廻ると2時間以上かかります。

各地にあるいろんな有名寺院は、お堂のすばらしさやご本尊の有難さなどでそれぞれ人気がありますが、この三井寺(園城寺)は、『鐘の音の素晴らしさ』で全国区のお寺です。

漁師の青年が美しい娘と出会い夫婦になる。子どもが生まれると、女は自分は琵琶湖の龍神の化身だから、もう湖に帰らねばならないと告げる。男は、昼間はもらい乳をして何とかしのぎ、夜は浜へ出て現れた妻が乳を与えた。とある日、右の目玉を乳の代わりに子に与えた。子はそれを嘗め尽くしたので、左目も与えることになった。両目を子どものために与えた竜神が、もう、自分の子を目で見ることが出来ないので、鐘の音で子どもの無事を知らせて欲しいと願ったため、三井寺では晩鐘を搗くようになった。哀しいけど、優しい話です。それゆえ、三井寺の鐘は素晴らしい音で響くのだそうです

乱打を防ぐためと、祈りのため、1回300円を納めると、この素晴らしい鐘を搗かせていただけます。西日が差し込む鐘堂で、心をこめてひと搗き。重厚な鐘の音が広がっていきました。

秋の琵琶湖に響く鐘の音、龍神様に届いたかな。皆様も一度、いかがですか?

琵琶湖疏水のそばをゆっくり歩くのもいい

琵琶湖疏水のそばをゆっくり歩くのもいい

写真:SHIZUKO

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駅から三井寺までは、琵琶湖疏水の横を通ります。   

琵琶湖の水を京都まで届ける、壮大な水路です。レンガ造り疎水は、今も使われています。比叡山を越えて、延々と流れ続け京都まで、いくつものトンネルを越えていく水路。

明治維新で人口が減ってしまった京都の復興のためにも計画されたとか。

もちろん、現在、自分の暮らす町には上下水道は完備されています。でも、それは道路の下を通っているので、作った人の労力や技術を実感できない。それが、こうして目に見える形で存在していることに感動しませんか。しかも、風景として美しいんですから。

そして、この水路の途中に作られた日本初の水力発電所で、日本初の路面電車も走らせたというのですから、すごいですよね。

皆さまも、滋賀県にちょっと足を伸ばされてはいかがですか?
日本一の琵琶湖を要する滋賀県。地味だけど、奥深く、いろんな顔を見せてくれます。琵琶湖周辺は、まだまだ見所満載。いろんなところで自分のお気に入りを見つける旅に出かけませんか!

おわりに

わざわざ食べに出掛けたい物っていろいろありますか?

繁華街で行列になっている人気店に行くのもいいのですが、ちょっと不便な場所まで電車で出かけて食べるというのも、楽しい時間ではないでしょうか。わざわざ出かける価値のあるものって、そうそう出会えません。でも「きんし丼」は、数少ない、出掛けても価値のある食べ物だと思います。

ついでに尋ねることができる場所も多いので、とってもお勧めのスポットです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2010/10/01 訪問

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