写真:西藤 カオル
地図を見る上野−札幌間を結ぶ『北斗星』には、札幌行きの「下り」と上野行きの「上り」がありますが、人気はやっぱり都心から北の大地へ行く「下り」です。上野発19時03分※、仕事を終えてからでも出かけられそうなこの時間も魅力のひとつ。また、上野は北の玄関だけあって、駅弁の種類も豊富に揃います。時間に余裕があれば、お気に入りの駅弁さがしもいいでしょう。
懐にも余裕があって、もっとリッチに過ごしたいなら食堂車でのディナーはいかがですか?
フランス料理のコース(7,800円)又は懐石御膳(5,500円)の二択になり、こちらは乗車3日前までに予約が必要になります。
◆夕食の予約はお早めに、繁忙期は予約が取れないこともあります
※2014年6月現在
写真:西藤 カオル
地図を見るフルコースも魅力的ですが、私がおススメしたいのは、『北斗星』食堂車の名がついている「グランシャリオ弁当」(900円)。こちら『北斗星』の下り限定車内販売です。
まず、お弁当を開けるときには、掛け紙をビリビリ破かないでくださいね!それというのも、裏面が乗車記念証になっているから!!こんな小さなサプライズ、粋な計らいにシビレます。海鮮ちらし寿司も、添えられた煮物もとっても上品なお味。やや小ぶりかな?というこのサイズも、実は色々と都合がいいのです。
【好都合その1:パブタイムも楽しもう】
『北斗星』の食堂車は、ディナータイム終了後から「パブタイム」となり、予約なしで利用できるようになります。夜の食堂車は灯りがともり、車窓を楽しめないかわりに雰囲気が十分に楽しめます。ロマンチックな夜を過ごしたい人は、この時間をねらってみてください。北海道限定「サッポロクラシック」生ビール(620円)、北斗星オリジナルデザイン仕様のワイン(2060円)が人気です。
【好都合その2:腹八分目で翌朝の食堂車朝食に挑む】
例えば、あとは寝るだけのまったり旅をする場合、夕飯は軽めにすると消化がいいもの。空腹は、旅の楽しみのひとつ「食」を最大限に美味しくしてくれます。翌朝、北海道のすばらしい景色とともに朝食を!『北斗星』の食堂車は、朝食は予約なしで利用ができます。
写真:西藤 カオル
地図を見るさて、お腹も満たされたら、今日の疲れをサッパリと熱いお湯でながしませんか。
『北斗星』には、シャワールームもあります。一人30分単位の予約制で、車内でシャワーカード(320円)購入時に希望時間を伝えます。人によっては、狭い空間で短時間のシャワーをわずらわしく感じるかもしれませんが、せっかくですから色々ためしてみましょう。
シャワー時間30分のうち、お湯が出るのは6分。女性は洗髪までするにはちょっときついかもしれませんが、お湯は止めたり出したりできるボタンがあるので、節約しながら使うことも可能。それに残湯タイマーまでついているのです。残り1分を切るあたりでアラームが大音量で鳴ります。このせわしない感じさえ面白く感じてきたら旅の上級者です(笑)。
旅行ならタオルくらいは持参しているかもしれませんが、シャワーセット(430円)もぜひご購入を。市販のシャンプー・リンス・ボディソープのミニボトルと共に、『北斗星』ロゴ入りのタオルが付いているんです。このタオル、温泉旅館で出てくるようなテイストで素朴でありながら、つくりは何気に「泉州製」。日本のタオル産業発祥の地でもある大阪泉州地域で作られた高品質のタオルです。使い込んでヘッドマークが色あせても、それはそれで良い風合いをだしてくれそうです。旅の記念にもなりそうですね。
写真:西藤 カオル
地図を見る早朝、食堂車の準備が整うと車内アナウンスが入ります。予約なしでも利用可能な上、価格も手ごろだから混雑は必至です。ここはできるなら朝イチ(6:30〜)で出向きたいもの。
朝食のメニューは、和食・洋食(各1,650円)から選べます。客層にもよりますが、ご飯・味噌汁・焼き魚・香の物…といった和食は人気。一方、洋食は肉厚のハム、プリプリのソーセージに卵、デニッシュ系のパンとボリューム感たっぷり。どちらにするか迷ってしまいますね。
どちらにもデザートとコーヒー(又は紅茶)がつきますので、熱いコーヒーでしっかり目を覚ましておきましょう。
すっかり花より団子になってしまいましたが、車窓についてもご紹介しますね。席に案内される時に、選択できるようでしたら進行方向右側を選んでみてください。7:30頃※には、右手に標高1,131 mの北海道駒ケ岳がその雄姿を現すはずです。ダイナミックな北海道らしい景色とともにいただく朝食を想像してみてください、最高です。
※2014年6月現在
写真:西藤 カオル
地図を見る東京から北海道まで飛行機なら1時間ちょっとの時代に、この寝台特急『北斗星』を選ぶからには、ライトかヘビーかは別としても「鉄道好き」ですよね?
お楽しみどころはたくさんありますが、『北斗星』に乗車していちばんのイベントは「青函トンネル通過」でしょう。青森と北海道を結ぶこのトンネルは、海底部を持つトンネルとしては世界一の全長53.85 km。時間にして40分程度で通過します。トンネル進入時刻は予めアナウンスされるので、早朝になると思いますがちょっと早起きを!そして余裕があれば左右に大きな窓のあるロビーカーでその通過を体験してみてください。それまでの線路を通過するガタンゴトン音が、急にゴ〜ッとかわり揺れもなくなるので、体感でもわかると思います。
もうひとつは、「機関車の切り離し&連結」。『北斗星』は3つの機関車を使用しており、上野〜青森はEF510系、青森〜函館はED79形、函館〜札幌はDD51形が牽引(けんいん)しています。函館では停車時間がややあるので、たくさんの乗客が機関車の交換を一目見ようとカメラを片手に集まってきます。“青函トンネルの中を引いてくれた”と思うと頼もしいかぎり。思わず1枚、写真に収めたくなります。
『北斗星』の魅力は、まだまだ語りきれません。時間をふんだんに使った贅沢な旅になりますが、きっと思い出に残ると思います。
車内販売のお弁当、シャワー券については、購入希望が殺到するため、なるべく乗車したらすぐに購入を。シャワー券は購入が遅れると翌日早朝になったり、完売することもあります。
乗車チケットは、一番人気のA寝台1人用個室「ロイヤル」以外ならば、1ヶ月前のいわゆる「10時打ち(10時前に並んで、10時に入力してもらう)」で取れるかと思いますが、厳しい場合は旅行代理店などを通すとよいでしょう。
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(2024/4/27更新)
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