最初の見どころは鶴見駅から一駅目の「国道駅」です。
国道駅は1930年に開業した駅で、当時の国道1号線(現国道15号線)と交差しているところからその名が付きました。
見どころはなんといっても駅舎内の造りとその雰囲気。
薄暗い駅舎へ一歩足を踏み入れるとそこは時間が止まったかのような不思議な世界が広がります。戦前に建てられた重厚なアーチ形の橋脚、昔ながらの改札、弱々しい光を放つ昔ながらの電燈・・・。
普段見ることや感じる事がないものばかりで、どこかノスタルジックな気持ちにさせてくれます。
この独特な雰囲気からTBSドラマ「華麗なる一族」等幾つかのドラマや映画のロケ地としても使用されました。
また、太平洋戦争時にアメリカ軍から受けた射撃の跡なども当時のまま残っています。こちらは国道15号線側の出入口付近で見ることが出来るのでぜひ押さえておきたいポイントです。
続いてご案内するのは「海芝浦駅」。
この駅は「海芝浦支線」の終点にあたり、日本一海から近い駅として有名です。また徒歩や車では訪れることが出来ない日本でも珍しい駅であり、鉄道ファンやファミリー、カップルなど様々な利用客がいます。
見どころはなんといっても目の前に広がる海。
ホームの真下を覗くとすぐそこまで海が迫っており、キラキラ光る目の前の運河を船が行き交い、運河の対岸に目を向けると首都高速の「鶴見つばさ橋」の全景を眺めることができます。また大黒ふ頭の奥には「横浜ベイブリッジ」の橋脚が見られます。
夜にはライトアップされた姿を見せてくれるので、ちょっとしたデートスポットにもなっています。
時期によっては始発列車に合わせて駅から日の出を見ることもでき、初日の出にはわざわざ海芝浦まで来る方も!
駅舎自体が東芝の私有地となっており、改札を出ても自由に散策することは出来ません。ただ、駅のすぐ横にある「海芝公園」はどなたでも自由に利用することが出来るので、こちらを散策されるのも良いかもしれません。
(改札口付近には守衛さんがいます)
日中は本数が少ないので、来た列車でそのまま戻る方が大半。
到着後、折り返すまで10分少々の時間がありますので、周囲を見渡すには十分な時間かと思われます。
少々風が強いときがあるので羽織るものを持っていくと良いです。
鶴見線では各駅で多くの猫たちをよく見かけます。
特に終点の「扇町駅」では多くの駅ネコたちを見ることができるので、鉄道ファンのみならず猫好きなど多くの方が訪れる場所。駅員はいないが猫は常駐する駅として有名です。
朝夕しか列車が来ない「大川駅」では、駅舎の雰囲気が秘境駅さながらの雰囲気で、駅手前の踏切は関東地方では唯一「手動式の踏切*」を見ることが出来ます。
また、鶴見線は駅間が短いところが多いので、日中の本数が少ないときには駅間を散策してみるのも良いかもしれません。
*…2023年9月追記:廃止されました。
という事で今回は鶴見線のお勧めスポットをご案内して参りましたが、ここで幾つか注意点。
初めて無人駅やローカル線に乗車される方は参考にして頂ければと思います。
●切符について
鶴見線を廻るのに相応しいフリーきっぷは残念ながら発売されていません。また沿線は鶴見駅以外無人駅です。その為、降りる先々でIC乗車券のタッチもしくは全駅にある券売機で切符を購入するのをお忘れなく。
●列車の時刻について
鶴見線は基本的に朝夕以外は本数が少なくなり、昼間の一番多い区間でも1時間当たり3本しかありません。
特に支線は昼間の列車の本数が極端に少なくなったり全く無い場合もありますので、乗車前に必ず時刻を確認して下さい。場所によってはバスが運行している場所もあるので、こちらも合わせて利用すると利便性がぐんと上がります。
●お手洗いついて
一部の駅ではお手洗いが無かったり構造的に入りづらいお手洗いもありますので、特に女性は鶴見線への乗車前に済ませておいた方が宜しいかと思います。
鶴見線は駅間が短いところが多いので、日中の本数が少ないときには駅間を散策してみるのも良いかもしれません。
普段なかなか味わう事の出来ない景色や雰囲気を都会でも味わうことが出来る貴重な路線。皆さんもぜひ一度は足を運んでみてはいかがでしょうか。
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(2024/4/19更新)
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