「桂離宮」は、八条宮初代智仁親王により宮家の別荘として創建されました。簡素な中にも格調ある山荘は、父君譲りの美的感覚を持った二代智忠親王により中書院、月波楼、松琴亭、笑意軒などが新増築され現在の姿に整えられました。しかし、明治になって宮家の断絶により宮内庁所管となり「桂離宮」と称されるようになりました。
桂離宮の総面積は約6万9千平方m、東京ドームの1.5倍ほどの広さです。中央には入り組んだ複雑な形の池があり、その周りに数寄屋風純日本風建築物が点在する回遊式庭園です。 一見地味に感じられる桂離宮ですが、御幸門から苑路を進んで行くと、池が全く見えなくなったり、また突然洋々と目前に海のように広がったり…真・行・草に例えられる延段や、州浜、築山、山里と、あらゆる視点から計算して作られた庭は、ため息が出るほどの美しさです。
桂離宮は、いかに月を美しく鑑賞するかを最大の目的として造られています。古書院縁側から張り出した「月見台」や、月を見るのに最適な場所にある茶亭「月波楼」…また、夜の散策のために庭内のあちらこちらに石灯籠が配されています。それらの灯籠は「園林堂」前にある2基を除いて、残りの22基すべて足元を照らすための小さくてかわいらしい灯籠です♪
60分の参観コース、ガイドさんのお話を聞きながら進んでいくだけでも十分興味深いのですが…
ここで、桂離宮参観をさらに楽しむために提案です!
“桂離宮にある石灯籠、24基をすべて見つけよう!”
というのはいかがでしょうか?
灯籠を探しながら細部まで注意しながら見ていくと、さらに新しい発見があるかも知れませんよ♪
桂離宮にある石灯籠は、配置されている位置やそのデザインまでにも、美を計算し尽くしている…と言われています。石灯籠の中でも多いのが「織部灯籠」ですが、十文字のような形やマリア像らしいレリーフがあることから「切支丹灯籠」とも呼ばれています。
皇室の別荘にキリシタン灯籠???
と、不思議な気がしますが…。智仁親王の妻がキリシタン大名、京極高知の息女だったから…とも、親王の臣下のひとりがキリシタンとして処刑されたから…とも言われているようです。
6つの丸い下地窓が斬新な田舎風茶室「笑意軒」の船着場には、火袋に笠をのせただけのとても可愛らしい「三光灯籠」が置かれています。四角・丸・三日月形の窓は、星・日・月を表しており、その形は「笑意軒」の建物の姿に似せて作られたとのことです。
桂離宮の中にはこの他にも、笠も火袋も脚もすべてが三角形の「三角灯籠」や、天橋立の灯台に見立てた灯籠など、ユニークな灯籠がたくさんあります。
お気に入りの灯籠を探してみてくださいね♪
60分の参観コースは、長いようであっという間に終わってしまいます。今回は灯籠にスポットを当てて「桂離宮」を紹介してみましたが、建物や橋などと毎回違ったテーマを決めて、何回かに分けて参観するのも楽しいと思いますよ♪
「桂離宮」は人気が高いので予約が取りにくく、参観時間も厳しく制限されています。不便な面は感じますが、その分限られた観光客しかいないので、静かに落ち着いて参観できます。参観料や駐車場が無料なのもうれしいですね。
参観予約の方法は[MEMO]宮内庁公式サイト「桂離宮」をご覧ください。
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