屋久島「永田いなか浜」の夜〜神秘のウミガメ産卵に立ち会おう!

屋久島「永田いなか浜」の夜〜神秘のウミガメ産卵に立ち会おう!

更新日:2016/05/22 17:47

月宮 うさのプロフィール写真 月宮 うさ ブロガー
世界自然遺産の島・鹿児島県「屋久島」。高い山々が連なり、神秘的な森が広がるこの島は、映画「もののけ姫」の舞台となったことでも有名です。
しかし、この島には森だけではなく、海にも神秘があるのをご存知でしょうか?
屋久島の「永田いなか浜」は、日本一のウミガメの産卵地であり、その産卵に立ち会うことができるのです。
屋久島滞在の夜は、神秘に包まれたウミガメ産卵見学に出かけましょう!

ウミガメ産卵見学は「ウミガメ観察会」か「エコツアー」へ

ウミガメ産卵見学は「ウミガメ観察会」か「エコツアー」へ

写真:月宮 うさ

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屋久島の「永田いなか浜」は、屋久島の西海岸に位置する日本一のウミガメの産卵地。特に、アカウミガメは日本の総上陸数の3分の1を占めるほどです。産卵シーズンは毎年5月から始まり、6月〜7月にピークを迎えます。
ウミガメは、光や人の気配に大変敏感な動物。そのため屋久島では「ウミガメ観察会」を設けています。まず最初に、ウミガメ観察会について説明いたします。

●20時〜20時30分に現地集合し受付を済ませます。受付が完了しましたら「永田浜ウミガメ観察ルール」のビデオを見ながら待ちます。

●20時30分より、観察会やウミガメの生態等についてレクチャーがあります。しっかりと聞きましょう。その後、ウミガメが上陸し産卵体制に入るまで、小屋の中で待ちます。相手は野生の動物なので、いつ頃見ることができるのかはわかりません。時には2時間程待つことも。

●産卵を開始し、見学可能になりましたら、スタッフが誘導してくれますので、指示に従って観察しましょう。道中ライトはスタッフの持つ1つだけですので、足元にはお気をつけてお進みくださいね。

●観察はウミガメの後方より行います。ウミガメが産卵を終え穴を埋め、産卵場所をカモフラージュする行動を始めてしばらくしましたら、観察会は終了です。観察会の所要時間は、20時〜23時の3時間程を見積もってください。

観察会に直接向かう他にも、ウミガメ産卵見学をする方法があります。
それは屋久島エコツアー会社のウミガメ産卵ツアーに参加する方法です。ウミガメ観察会との大きな差は、夜の屋久島の見所を巡り、宿までの送迎に対応してくれることです。夜道の運転に不安を覚える方、交通の手段がない方はこちらをご利用するのも一案です。
ツアー会社の検索は、記事一番下のMEMO内「屋久島観光協会」にお問い合わせください。

※観察会での写真撮影・ビデオ撮影は禁止となっております。お気をつけください。(その他ツアーでも許可がない場合は撮影できません。各ツアー会社にお問い合わせください)

屋久島でウミガメの産卵を間近で見よう!

屋久島でウミガメの産卵を間近で見よう!

写真:月宮 うさ

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ウミガメが上陸し産卵体制に入りましたら、いよいよ観察のスタートです。
産卵時間は約1時間で、60cm程の深さに掘られた穴に、100個以上の卵を産みます。卵は柔らかいので、穴の中で重なり合ったり押しつぶされたりしても割れることはありません。産卵後は、太陽の光と大地の熱で温められ、約60日で孵化します。

ウミガメの神秘的な生態についても少しだけお話いたします。
産卵は年1回ではなく、複数回産卵します。中には5〜6回産卵する個体も存在するとか?!そして、産卵周期は2〜3年です。
また、卵を温める砂浜の温度が29度より高いとメス、低いとオスが産まれます。数度の差で性別が変わるなんて不思議ですね!

産卵中にウミガメが泣いている、と言うお話についても豆知識を。
エサを食べるときに海水ごと丸呑みをするのですが、このままですと血液中に海水が残り生命の危険があるため、目にある塩類腺と言う場所から濃い塩水を排出しています。その姿が泣いているように見えるのです。

産卵を終え海へ

産卵を終え海へ

写真:月宮 うさ

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ウミガメは産卵を終えると海へ帰ってゆきます。また屋久島・永田いなか浜に帰ってきてね!と言う気持ちで見送ってあげましょう。
ツアー状況によっては、ここまで見学することができない場合も多いのですが、運よく見れたときは最後まで見送ってあげてくださいね。
母ガメが歩いたこの道は約60日後に、子ガメ達が歩き旅立ってゆきます。

日中に永田いなか浜で、写真のような波打つような砂紋を見つけたら、それはウミガメが歩いた跡です。

「永田いなか浜」に、立てられている棒の意味

「永田いなか浜」に、立てられている棒の意味

写真:月宮 うさ

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屋久島ウミガメ産卵シーズンの昼に「永田いなか浜」を訪れると、砂浜に棒が立っているのを見かけます。これはこの場所でウミガメが産卵した印。この下にはたくさんの卵が眠っていますので、優しく見守ってくださいね。
また、昼間でもウミガメ保護柵内には立ち入らないようにお気をつけくださいませ。

ウミガメの産卵地は景観も楽しめる美しいビーチ

ウミガメの産卵地は景観も楽しめる美しいビーチ

写真:月宮 うさ

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ウミガメの産卵期以外に屋久島にいらした時も「永田いなか浜」へ足を運んでみてください。ここはラムサール条約にも登録されている800mの砂浜が続く美しいビーチです。
白く美しい砂浜に、コバルトブルーの海。屋久島は山だけではなく、海も魅力的な島であることを、五感で感じることができるでしょう。

いつまでもウミガメに出会えるように…

最後に屋久島「永田いなか浜」ウミガメ観察のルールを説明いたします。

1.観察前に必ずレクチャーを受けましょう。
2.スタッフの指示に従ってください。
3.ウミガメがびっくりしちゃいます、光は消しましょう。
4.むやみに歩いたり、騒いだりしないでくださいね。
5.ウミガメには触れないよう、お願いします。
6.カメラ、ビデオ撮影は禁止となっております。
7.酒類の持込、喫煙はご遠慮ください。
8.ゴミは必ず持ち帰りましょう。
9.焚き火、キャンプ等は禁止されています。砂を持ち帰ることも禁止です。
10.観察会終了後は浜は立ち入り禁止です。
※ 永田いなか浜をはじめとする周辺の砂浜では、ウミガメ保護のため5月〜8月まで19時30分〜朝5時までの間、砂浜への立ち入りが禁止されております。

ウミガメは、世界的にも数が減っていて絶滅の危機がある動物。いつまでもその姿に出会うことができるように、ルールを必ず守って観察しましょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/05/12 訪問

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