登山経験者にオススメ!屋久島の深部に広がる絶景を見に行こう!

登山経験者にオススメ!屋久島の深部に広がる絶景を見に行こう!

更新日:2014/05/15 15:10

世界遺産としてあまりに有名になった屋久島。
ほとんどの観光客が縄文杉を目指しますが、屋久島の魅力的な山や森を、縄文杉だけで満足してしまうのはもったいない!
登山としては健脚向けで九州最高峰の宮之浦岳と、景色の素晴らしい永田岳。また、登山経験者におすすめの穴場・花山歩道など、心奪われる大自然を紹介していきます。

九州トップクラスの山々が連なる洋上アルプス!

九州トップクラスの山々が連なる洋上アルプス!
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写真は永田岳から望む宮之浦岳(1936m)。
宮之浦岳は美しい緑に覆われた山肌で、山頂からは種子島・口永良部島・トカラ列島などの島々が見晴らせます。
屋久島には、九州最高峰の宮之浦岳・2位の永田岳・3位の栗生岳があり、九州トップ10のほとんどの山は屋久島にあります。
亜熱帯の植物や、海には珊瑚があるというのに、冬場の山は雪に覆われるという変わった環境です。
北海道から沖縄までの気候を凝縮したような島で、『洋上アルプス』とも呼ばれています。

宮之浦岳は、登山の技術的に難しい場所があるわけではないですが、一番近い淀川登山口からでも往復約9時間半かかる為、健脚者向けです。
ゆっくりと森や山を楽しみたい方は、山で一泊して満天の星空や、朝焼けで木々が輝く姿を堪能しましょう!

奇石がゴロゴロ!登山者に人気の永田岳!

奇石がゴロゴロ!登山者に人気の永田岳!
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威風堂々としたかっこいい姿をもつ永田岳(1886m)は、実は最高峰の宮之浦岳より好きだという登山者が多い場所。
永田岳は宮之浦岳から約1時間半の場所にあります。頂上直下にロープを使い登る大岩がありますが、そこまで角度はなく、宮之浦岳まで登ってきた人であればまず問題なく登れます。
縦走で訪れる場合、宮之浦岳から縄文杉方面へ向かう人が多いですが、ぜひ永田岳へ登ってほしいです。

永田岳直下の大岩を駆け上がった先は、急に視界が開け絶景が広がります。
頂上からは雲海が見えることが多く、周辺が霧に包まれていても、しばらく待っていると晴れてくることもあるので、時間があれば待ってみましょう。
運がよければブロッケン現象という珍しいものが見られるかもしれません。

屋久島には豊潤な森や自然が溢れていますが、豊かな土壌があるわけではありません。島自体が大きな花崗岩でできているようなもので、その岩に苔が育ち、さらにその上に植物や大木が育っているのです。
山肌の緑の間に岩がゴロゴロしている風景は、屋久島がひとつのどでかい岩だということを実感させられます。

永田岳山頂は言葉を失う絶景!

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写真は永田岳からの雲海。
水の島と言われるほど雨が多く、特に標高の高い縦走路では天気が目まぐるしく変わっていきます。霧で周囲が見えないと思えば、次の瞬間には青空が広がったり、照りつけるような日差しの中を歩いていたかと思えば、突然の雨で道が川のようになったり、山は訪れる度に違う姿を見せてくれます。
縦走路に入れば人の気配はなくなり、雲が通り過ぎて行き、水が血液のように島を循環しているということを、じっくりと味わうことができます。

穴場の花山歩道!衝撃のヒルロード!(登山経験者向け)

穴場の花山歩道!衝撃のヒルロード!(登山経験者向け)
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花山歩道は屋久島の西南部にあり、永田岳近くの鹿の沢小屋から約5時間で、花山歩道入口に辿り着けます。
約1000mの高低差を一気に下る為、急坂が多いですが、標高差で変化する森の様子がよく分かります。

花山歩道は、屋久島の中で最も原生に近い森の姿を見ることができます。縄文杉にも引けを取らない存在感の大木がいくつも点在し、自分が小人になったような気分になります。

写真は標高1200mの花山広場で、物語の中に入り込んでしまったような美しい場所です。雨上がりには木々が纏った苔が輝いて幻想的な世界になります。
この花山広場の水場も美しく、ずっとここにいたい!帰りたくない!と思ってしまうような場所です。

しかし花山広場の先の、カスミ谷展望台から花山歩道入口までの約1時間はヒルが多く、通称『ヒルロード』と呼ばれる恐怖の道です。
ヒルに怯えて森歩きを楽しめないのはもったいないです。
おすすめは、『ヒル下がりのジョニー』というヒルよけスプレーです。足元と帽子、首元のタオルなどにかけると、不思議なくらいヒルが上ってきません。ぜひお試し下さい。

花山歩道は道が険しく標識も少ない為、ピンクテープを目印に進むことになります。道迷いも多いので、初めて訪れる人や単独登山の人は、ガイドさんに案内してもらうことをおすすめします。

山登りはしっかり準備と計画を!

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今回紹介した場所は、山小屋に1泊する縦走で巡ることができます。
簡単にコースを紹介します。

淀川登山口スタート
↓【60分】
淀川小屋(見とれるほど美しい川がある)
↓【120分】
花之江河(日本庭園のような美しい湿原)
↓【150分】
宮之浦岳(九州最高峰)
↓【90分】
永田岳(絶景の山頂)
↓【90分】
鹿之沢小屋(無人の山小屋)
↓【60分】
大石展望台(原生自然環境保全地域が一望)
↓【120分】
花山広場(幻想的な森)
↓【120分】
花山歩道入口

屋久島の山小屋は、雨風を凌げて眠る場所があるというシンプルなものです。
寝袋や食事などは自分で用意し、小屋を出る際には次の人の為に、綺麗に掃除をしましょう。

雨の多い屋久島では、レインウェアや靴は防水性の高いものを準備しましょう。
小物の収納にはジップロックが便利です。
標高の高い場所や夜は冷え込むので、防寒着は必須です。

春でも山頂は積雪の可能性があります。計画的に予定を組みましょう。

カメラを持っていく方は特に注意です!
屋久島はかなり湿度が高いうえに、1泊する場合は夜からの気温差が激しくなります。その為、結露でカメラやレンズが壊れてしまう場合があるのです。
そんな悲劇を起こさない為に、夜や使わない時はジップロックで密閉したり、冷やさないように抱いて眠るなどの対処をおすすめします。

大自然のパワーをもらいに屋久島へ行こう!

屋久島といえば縄文杉。
屋久島といえばもののけの森。
一度屋久島の山に入り深部に足を踏み入れれば、そんな固定概念は消え、新しい屋久島を知ることができるでしょう。

屋久島は雨が多いから…と気を揉むかもしれませんが、雨の降る屋久島こそ美しいのです。
苔が水を浴びて膨らみ輝きだし、濃密な緑色を帯びた霧が森を包むと、現実離れした夢の中にいるような風景が広がります。

島自体が生きているように感じられる屋久島。
そんな生命力溢れる屋久島に、パワーをもらう旅にでかけましょう!

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/10−2012/09/11 訪問

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