衛星の運営も目の前で!JAXA相模原キャンパス特別公開

衛星の運営も目の前で!JAXA相模原キャンパス特別公開

更新日:2014/06/05 15:32

すがた もえ子のプロフィール写真 すがた もえ子 妖怪伝承収集家、フリーライター
探査機はやぶさの故郷でもあるJAXA相模原キャンパス(神奈川県)では、毎年7月の下旬に施設を一般に公開する「特別公開」が開催されます。
2014年の特別公開の日程は7/25(金)・26(土)10:00〜16:30です。

普段は見ることのできない施設や研究室の見学、最新の研究内容の講演、かさ袋ロケット制作や宇宙探査ロボット集合など、大人も子供も楽しめる内容です。

ゲート前には入場待ちの長蛇の列が

ゲート前には入場待ちの長蛇の列が

写真:すがた もえ子

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「特別公開」自体は事前申し込みや参加費用なども必要ありませんが、イベントや講演など参加人数が限定される催しの中には整理券が必要なものもあります。
人気のある講演などは、一般入場開始とともに整理券配布列が作られ、定員数を終了してしまう事も。
入場開始時間の前から入場ゲート前に長蛇の列ができるので、お目当ての講演などがある場合は混雑を予想し、少し早目に来場するのをオススメいたします。
(写真は開場45分前の様子)

キャンパス内は非常に混雑する上、敷地内に自販機はほとんど無く、売店や生協で飲み物を購入する事になります。
もちろんどこも並ぶ事になりますので、熱中症予防の為にも事前に飲み物を持参される事が推奨されています。
忘れずに飲み物を準備して出掛けましょう!

展示室には歴代の探査衛星の姿や、日本初のロケットの実物も!

展示室には歴代の探査衛星の姿や、日本初のロケットの実物も!

写真:すがた もえ子

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探査衛星といえば「はやぶさ」が有名ですが、それ以外にも日本はたくさんの衛星を打ち上げていることをご存知でしたか?
打ち上げや運用が失敗した時ばかりニュースになりますが、ここに来ると日本の宇宙開発の科学技術の高さを再確認でき、こんなにたくさんの種類の衛星が打ち上げられているのだなと驚かされます。

現在運用中の衛星たちはもちろんですが、日本初の人工衛星「おおすみ」の模型や、日本の宇宙開発を切り開いたペンシルロケット(実物)も見ることができます。
日本の宇宙開発は、ほんの30センチほどのオモチャのようなロケットを、垂直ではなく水平に飛ばす事からスタートしたのでした。

また、冷戦当時にハレー彗星(1986年)の調査の為に、国境を越え各国の衛星が集結した「ハレー艦隊」に日本から参加した「さきがけ」と「すいせい」という双子の衛星の模型も展示されています。ハレー彗星来訪当時を覚えている大人の皆さんには懐かしいかもしれません。
これらの衛星模型の展示は特別公開以外でも見る事ができます。

また現物大のはやぶさの模型や微粒子を持ち帰ったカプセルのレプリカ、微粒子の拡大写真も展示されています。
はやぶさの模型は室内で見ると大きいと感じますが、宇宙空間を60億キロも旅をして来たのかと思うと感慨深いものがありますよね。

ちなみに相模原キャンパスは映画「はやぶさ」のロケ地でもあり、展示室のはやぶさ原寸大模型後ろのガラスケースの中には、映画出演者のサインなども並べられています。

普段は見られない研究・実験設備も見学可能!

普段は見られない研究・実験設備も見学可能!

提供元:(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

http://www.jaxa.jp/地図を見る

特別公開の一番の目玉は、普段は見る事ができない研究・実験施設の見学が可能だという事です。会場ごとに見学できる施設も変わり、それぞれ見学可能な時間帯で整理券を配布する場合もあります。
あらかじめ自分の見学したい施設を決めて整理券を受け取り、上手くスケジュールを組んで周る事をおすすめします。

電波の無限空間「電波無響室」や人工的に超高速の空気流を作り出す「風洞実験設備(写真)」、宇宙空間の熱負荷環境を再現する「宇宙環境試験室」など、どの研究施設も興味深い場所ばかりです。
まさにこの場所から日本の宇宙開発が始まっているのだと実感する事ができます。

施設の見学の他にも、研究発表の展示や講演もあるのでお見逃し無く。
そういう難しい事はよくわからないし・・・という方にも、解説員の方が丁寧に教えてくれるので安心です。
基本的に一般向けの公開なので、分かりやすい内容になっています。

体験コーナーではロケットの打ち上げ発射音の音響体験などもあるので、種子島宇宙センターで打ち上げを見ているような疑似体験ができます。

衛星との架け橋・衛星管制運用を目の前で見る

衛星との架け橋・衛星管制運用を目の前で見る

写真:すがた もえ子

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JAXA相模原キャンパス屋上のアンテナを利用して、衛星へ指令を出す実際の運用風景を目の前で見る事ができます。
「今、衛星は地球のこの辺にいます。あと○分で皆さんの頭の上を通過しますよ」
と、世界地図を前に丁寧に解説していただけます。

衛星が相模原キャンパスの上を通過する瞬間、それまで沈黙していた機材たちが一斉に反応する光景は必見。普段の生活では実感しにくい衛星の存在を改めて再認識できる体験です。

食堂や売店、出店などのチェックもお忘れなく

食堂や売店、出店などのチェックもお忘れなく

写真:すがた もえ子

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普段は相模原キャンパスにお勤めの皆さんが使っている食堂や売店ですが、この日は一般来場者も使用する事ができます。
食堂では、ここでしか食べる事ができないJAXAランチ(スペースピラフ)も注文可能!

売店(生協)や物販のテントでは宇宙食や衛星・宇宙関連のグッツ販売が、またJAXA相模原キャンパス周辺の飲食店が出展している食べ物のブースでは「はやぶさ焼きそば」や「ダークマターカレー」など、見ても食べても楽しめるメニューが盛りだくさんで来場者を迎えてくれます。

最後に

JAXA相模原キャンパスの一般公開は、宇宙に興味がある方や、お子さん連れのご家族にも満喫できる事間違いなしです。
これだけいろいろな物が見学・体験でき、一日楽しめるのにもかかわらず、入場料も見学費もかからないのは嬉しいかぎりです。

2日間ある日程のどちらに行くかが決まったら(もちろん両日でも)、事前にJAXAの相模原キャンパス・特別公開の情報サイトや特別公開用のTwitterアカウントを確認しておきましょう。(MEMO参照)
現地に行ってから楽に周れると思います。

2014年は、あの「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」の打ち上げも予定されています。
ぜひこの機会に宇宙を身近に感じてみてはいかがでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/26 訪問

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