長野・善光寺の宿坊「兄部坊(このこんぼう)」に泊まってみた

記事作成日:2012/10/04 17:59:04 │ 最終更新日:2013/01/11 17:39:43

浄土宗・天台宗合わせて39軒の宿坊が軒を連ねる善光寺で、今回お世話になったのは浄土宗派の「兄部坊(このこんぼう)」。

この宿坊は、日によっては一人客でも受け入れてくれる数少ない宿なのだ。

ひときわ目立つ赤門がお出迎え

写真:えんべる

赤い門をくぐり、打ち水のされた石畳を歩いて開け放たれた土間で挨拶をすると、
女性の方が出てこられた。旅館ではないから、フロントなどももちろんなく、そのまま2階へどうぞと案内される。
奥へ進み、艶のある黒塗りの階段を上がると、廊下沿いに客室となる和室がずらりと並んでいる。

畳廊下に、障子と襖で仕切られた客室

写真:えんべる

旅館というよりは、和室が続き間で並んでいる邸宅の一室に泊めてもらうような感じ。部屋同士も、廊下との仕切りも襖なので、話し声などは筒抜けである。まあ、外に聞こえるほどの声で部屋であまり騒ぐような宿ではないので、むしろ意識して静かに過ごそうと思えていいのかもしれない。
もちろん鍵もないので、このあたりは防犯上不安になる人もいるかもしれない。
まあ、普通に考えて、宿坊に泊まってこれからお参りに行きますよという人が、そんな邪なことを考えるかどうかだ。

ただ、女性はどうしても不安になりがちということもあり、兄部坊では原則として男性のみの宿泊は受け付けていない。利用者の大半が女性であることを考えると、こういった部屋の構造上、どうしてもそうせざるを得ないのだそうだ。
もちろん、カップルや家族連れならOKである。

お寺らしく掃除の行き届いた綺麗な部屋

写真:えんべる

この日泊まっているのは私を含めて女性ばかり3組4名。
六畳の和室が続きで二間用意されており、一間は寝室である。
仕切りの襖の上には欄間があり、床の間には掛け軸と、仏花がきれいに活けられてある。質素だが清潔な部屋。
なるほど、こういう部屋でしばらく逗留しつつ、写経に励めば煩悩の抜けた真人間になれるだろうかと、できもしない想像をしてみる。

宿坊ならではの「お話の時間」

写真:えんべる

部屋に入ってしばらくすると、先ほどの女性の方がお抹茶と茶菓子を持ってこられる。
これが旅館なら、仲居さんが部屋に来て、備え付けのお茶を淹れながら非常口はエレベーターの横でございますとか言うわけだが、宿坊は違う。

善光寺の歴史に始まり、善光寺参詣客のメインイベント「お朝事」の説明など、善光寺にまつわるお話をしてくださるのだ。くつろいでもいいはずなのに、なぜかこちらも慣れない正座をしてしまい、「は!なるほど!」といちいち緊張してしまう。
「お朝事」とは善光寺の朝の参拝のことで、ここの客はこの参拝でいろいろとありがたい目に遭うために宿坊に泊まるようなものである。

ちなみに、ありがたいお話を聞きつつ、長野名物でもある茶菓子の落雁(石のように固い)がどうしても手で割れず、緊張しながら歯でかじったら、前歯の被せが欠けてしまった。ありがたい話のついでに、落雁には気をつけろという注意事項も添えて頂きたい。

あとは夕食の精進料理を早めの時間にいただく他は自由である。ただ、寺院ということもあり、門限や消灯は早い。隣の迷惑にならないよう、翌早朝のお朝事に寝坊しないためにも、早めに床につくのが一般的。


■兄部坊
長野県長野市元善町463
026-234-6677

宿泊料金(2012年9月時点)
\10,500(通常精進料理)
\13,650(無量寿精進料理コース)←こちらを強くおススメ!

翌朝は善光寺メインイベント「お朝事」へ参加

写真:えんべる

善光寺では、毎朝1日も欠かすことなく、本堂を司る2名の住職以下、僧侶たちによるお勤めが行われている。善光寺参りで必須の「イベント」がこのお朝事で行われる「お数珠頂戴」と「お戒壇巡り」。
なお、宿坊宿泊者は無条件かつ、暗黙の強制としてこの「お朝事」参加がデフォルトとなっており、朝5時〜6時には玄関に集合である。というわけで、宿坊に泊まったら酒盛りなどせず、おとなしく早く寝なければならないのだ。

【お数珠頂戴】
写真では、本堂前の山門に参拝客が横一列に並んでいる。これは「大本願」の住職と「大勧進」の住職(分かりやすく言えば、山内の浄土宗と天台宗のお寺の中で一番偉いお二方)が本堂に入る際、数珠で頭を撫でてもらい、ご利益を願うというもの。天気の悪い平日だとこの程度だが、土日ともなれば朝も早くから場所取り合戦である。住職がお付きの僧侶とともに近づいてきたら、膝まづいて頭を差し出す。

住職が本堂に入ると、今度は本堂の内陣(中の畳の間)に入り、読経を聞く。なお、ここからはお戒壇巡り含め、内陣券を購入する必要がある。
この読経が圧巻なのである。脇に10名ほどの僧侶が並び、木魚をポクポク叩きながら朗々とお経を唱え続ける姿は必見!

【お戒壇巡り】
お戒壇巡りは他の寺にもあるが、善光寺のお戒壇巡りが最も有名。善光寺といえばお戒壇巡りは必須と言われるくらいである。
内陣の右奥の階段を下り、ご本尊が安置されている部屋の床下を巡るように、真っ暗な回廊を歩くのである。そしてご本尊の真下にあたる箇所にある極楽の錠前に見事タッチできれば、極楽浄土が約束されるという。

見事タッチと書いたが、実際の回廊内は参拝客がみっしりと連なり、宿坊客の場合は案内人の執事が錠前まで誘導してくれるので、まあ、まず間違いなくタッチできるはずである(笑)
とはいえ、なかなか胸ときめく行事なので、善光寺ではぜひお朝事体験をおススメ!

■善光寺お朝事
夏は5:30頃から、冬は7:00頃から毎朝
内陣、お戒壇巡りは内陣券を購入
大人:500円 高校生:200円 小中学生:50円 未就学児:無料

■兄部坊
長野県長野市元善町463
026-234-6677

宿泊料金(2012年9月時点)
\10,500(通常精進料理)
\13,650(無量寿精進料理コース)

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掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/20−2012/09/21 訪問

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