池袋から25分!石神井公園で東京に残る自然に親しもう

池袋から25分!石神井公園で東京に残る自然に親しもう

更新日:2014/05/08 15:03

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター
東京・練馬区の閑静な住宅街の真っ只中にある、緑と水のスポット・石神井公園。
石神井池と三宝寺池(下写真)という森に囲まれた2つの大きな池が中心で、とても東京の一角とは思えない恵まれた環境です。青々と茂る雑木林や、カキツバタが彩る湿地など、初夏の緑に目を向けてみましょう。多くの野鳥や昆虫の姿を見かけるはずです。今日は園内でも必ず見ていただきたいポイントを、5つのテーマに分けてご紹介します!

〜石神井の水景〜「遊び」と「癒し」の2つの池をぐるりと廻ろう!

〜石神井の水景〜「遊び」と「癒し」の2つの池をぐるりと廻ろう!

写真:鷹野 圭

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石神井公園駅から最短距離で公園に来ると、まずは石神井池のボート乗り場が見えてくることでしょう。おなじみのスワンボートに乗って奥へ進むと、右手にはサクラの木とおしゃれな住宅街が、左手には木の葉に覆われた涼しげな緑道が見えてきます。水面にはカルガモやカイツブリなどの野鳥がよく見られますが、人馴れしているのか近づいてもなかなか逃げ出さず、むしろボートと一緒に泳いでくれることも多いくらいです。冬場にはキンクロハジロやハシビロガモ、オナガガモなどの渡りのカモが飛来してますます賑わいますよ!

一方の三宝寺池は、より草木が豊かに生い茂る奥まった自然景観が特徴です。池に隣接する水辺観察園では、木道の上を歩いて湿地帯の中を通ることができます。また、池の中島には国の天然記念物『沼沢植物群落』があり、貴重な水生植物の宝庫であると同時に、数多くの鳥たちの楽園にもなっています。前述の水鳥たちのほか、コサギやダイサギ、カワウなどの大型の鳥たちの姿が見られることでしょう。時にはオオタカのダイナミックな狩りが見られるかも……?

〜石神井の野草〜野草観察園で野に咲く貴重な花を楽しもう!

〜石神井の野草〜野草観察園で野に咲く貴重な花を楽しもう!

写真:鷹野 圭

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山野草という言葉を耳にしたことはありますか? 花壇でよく見るチューリップやパンジーなどとは違い、自然の草原や林の中などに生える草花のことです。一か所に生えている本数は花壇の植物と比べると非常に少ないですが、厳しい自然に生きる姿はとてもたくましく映るものです。しかし近年は開発などによって山野草は全体的にめっきり数が減ってしまい、あまり見られなくなってしまいましたね。

ここ石神井公園の『野草観察園』は、そんな最近ご無沙汰気味の山野草を観察するのにうってつけ。植えられている植物は武蔵野の自然空間に咲く種にこだわっていて、しかも非常に多くの種類を植えていますから、春夏秋冬とどんな時期でも何かしらの花を楽しむことができます。例えば春なら、エビネ(上写真の下部に咲いている花)などのラン科植物や、とても可愛らしいハート形の花を咲かせるケマンソウ、かつて荒川流域の代表的な花であったサクラソウなどが美しく咲きますね。これからの夏場なら、ヤマユリやキキョウなどの人気所の花が期待できるでしょう。山野草は一般的に夏場が見頃。最も美しいシーズンを、ぜひ逃さずチェックしてくださいね。

〜石神井の花畑〜2014年4月誕生!ツツジの咲き誇る石神井松の風文化公園

〜石神井の花畑〜2014年4月誕生!ツツジの咲き誇る石神井松の風文化公園

写真:鷹野 圭

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たっぷり花の咲いた華やかな景観を楽しみたいのなら、迷わず『石神井松の風文化公園』へ! 4月に竣工したばかりの公園で、三宝寺池から程近い高台に位置しています。新しい公園ながらも花は豊富で、曲線状の園路に沿って溢れんばかりのツツジが咲きます。街中でよく見る低木タイプに、可愛らしい球状のもの、ハナモモと並んで1メートル以上の高い位置に花をつけるものなど種類も豊富です。特に三宝寺池側の園路を挟む赤いツツジは、その色の鮮やかさもあって間違いなく目を惹くことでしょう。写真に収めるもよし。近くの芝生に腰を下ろしてスケッチするのもよし。思い思いのスタイルで花を愛でましょう。

園内の事務所にはカフェテリアもあります。一休みしたいときはぜひ♪

〜石神井の生物〜水と緑の景観に暮らす生きものたちを探そう!

〜石神井の生物〜水と緑の景観に暮らす生きものたちを探そう!

写真:鷹野 圭

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時間に余裕がある時は、草むらや水辺、木の頂などに一つひとつ目を向けてみてください。元気に動き回る昆虫や野鳥の姿をいくつも観察できるはずです。カルガモやコサギなどは最早当たり前。人気のカワセミも、池に突き出した木の枝などをチェックしていれば高確率で出会えることでしょう。昆虫も多く、特にチョウトンボやゴマダラチョウなどの近年数の少なくなった種も見られます。足場や身を隠す場所の多いスポットを通りかかったら、まず足を止めて、動くものの姿を探してみましょう。

もし運が良ければ、水鳥の子育てする光景が見られるかもしれません。私も先日は石神井池でカイツブリとバンの親子に立て続けに出会ってしまいました(写真はバン)。親鳥にエサをねだったり、懸命に親鳥についていこうと水をかくヒナの姿は本当に可愛らしく見ていて飽きないものです。そしてヒナがいる=水鳥が繁殖しているということは、それだけ居心地のいい豊かな生態系がキープされていることの証と言えるでしょう!

〜石神井の文化〜ふるさと文化館で武蔵野の美味しいうどんをご賞味あれ!

〜石神井の文化〜ふるさと文化館で武蔵野の美味しいうどんをご賞味あれ!

写真:鷹野 圭

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公園のすぐ近くには『練馬区立石神井公園ふるさと文化館』という建物があります。ここは公園だけでなく、練馬区全体の歴史や文化の情報発信拠点。各種展示コーナーのほか、区の特産品も販売されています。分室では9月28日(2014年)まで漫画家・松本零士氏(練馬出身)の特設展示を実施中。練馬ゆかりの著名人にも焦点を当てているようですね。

お腹がすいたら館内の休憩コーナーへどうぞ! 地場産の小麦を使った武蔵野うどんが名物ですが、個人的なイチオシは焼豚うどん(写真)。大ぶりな肉が5枚も入っていて食べごたえ十分です。付属のお酢をかけると油分が抑えられてさっぱりとした味わいになるので、女性の方にも安心。麺はもっちりとしていて良い歯ごたえがあり、讃岐うどんを少し細くしたような感じです。ちなみにトレイの左下にあるのは、うどんを揚げて作ったかりんとう。食前にサービスでついてきますので、おつまみにどうぞ。

気軽に行けるのが魅力!土日のウォーキングや森林浴にいかがですか?

東京・池袋から気軽に行ける立地で、車がなくても大丈夫です。水辺環境とそれを取り囲む森林環境が同時に楽しめますから、自然散策や環境学習の場としてはピッタリでしょう。園路には程よい起伏があり、歩いて回るとなかなか良い運動になります。そのほか、テニスコートや野球場、ピクニックにちょうどいい広い芝生広場もあります。

土日にちょっと外出してみたい、森の中でリラックスしたい……そんな時にはぜひ石神井公園に足を運んでみてください。


【石神井公園プロフィール】
住所/東京都練馬区石神井台1・2、石神井町5
アクセス/西武池袋線「石神井公園駅」より徒歩7分
電話番号/03-3996-3950(石神井公園サービスセンター)
駐車場/あり(有料)

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/29 訪問

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