美しい自然と文化のまち・松本でミュージアムめぐり

美しい自然と文化のまち・松本でミュージアムめぐり

更新日:2014/05/01 16:14

長野県は時に「博物館王国」と呼ばれるほど博物館の数が多いということはあまり知られていないのではないでしょうか。その数は東京都に次いで日本で二番目に多く、1000館を優に超えます。今回は、北アルプスをバックに従えた漆黒の松本城を中心に、松本市中心部に点在する魅力的なミュージアムのいくつかをご紹介します。

青空に映える北アルプスと松本城

青空に映える北アルプスと松本城
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国宝・松本城は、文禄(1593〜1594)年間に建てられた五重六階の天守としては日本最古のお城です。戦乱の世が終わり、世の中からお城が無用の長物として扱われていた江戸時代末期には管理する人もなく放置され荒れ果てていましたが、明治時代の大改修などを経てその美しい姿を取り戻し、昭和27年に国宝として指定を受けました。
天気が良ければ、北アルプスの飛騨山脈をバックに勇壮な姿を見せてくれます。さらに運が良ければ、堂々たる頂を誇る常念岳の左側に、名峰・槍ヶ岳の山頂部分も顔をのぞかせてくれるかもしれません!

松本市立博物館に歴史あり

松本市立博物館に歴史あり
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松本城公園内、松本城のすぐ隣に松本市立博物館があります。豊富な歴史資料・民俗資料で松本市とその周辺の歴史や文化を展示する博物館であり、グッズも充実した博物館です。博物館は歴史を紹介する施設ですが、松本市立博物館そのものにも松本市の歴史を背負った興味深い歴史があります。

前身は明治39年に松本尋常高等小学校内に開館した「明治三十七、八年戦役紀念館」にまでさかのぼります。日露戦争の戦果を記念した博物館がその母体になっていたということに、長野県が多くの博物館を持つことになった歴史的深さが表れています。日本の敗戦後、昭和23年に山岳・民俗・考古・歴史・教育の5部門をもつ総合博物館として「松本市立博物館」が開館し、当時は小さな動物園も併設されていました。城址公園の中に博物館や動物園が各地に建設されていったことは、松本のみならず戦後の日本全国で起こっていた現象です。

昭和43年に日本民俗資料館として新たに開館しましたが、平成17年に日本民俗資料館を吸収する形で松本市立博物館として独立し現在に至ります。
博物館が持つ歴史的経緯や立地なども、その街が持つ歴史や文化を学ぶ重要な要素となっていることを、松本市立博物館の歴史が教えてくれます。

松本市立博物館
【開館時間】午前8時30分から午後5時
【入館料】高校生以上 200円 中学生以下 100円

蔵の町・中町商店街

蔵の町・中町商店街
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松本市中心部には、江戸時代からの問屋街であったなまこ壁の土蔵が連なる蔵のまち・中町商店街があります。古き良き面影を残す商店街の一角にある松本市はかり資料館は、明治35年創業の竹内度量衡店が閉店後に資料館として生まれ変わったものです。昔から使われてきた珍しいさまざまなはかりが展示されており、うれしいことに多くの展示品に実際に触れてみることができるのです。

松本市内にはこのような資料館や博物館が数多く、「松本まるごと博物館」というネットワークが形成されています。市立博物館を中核施設としつつ点在する多くのミュージアムをネットすることにより、市文化財の保存と活用、産業振興と地域づくり、生涯学習と観光振興を目的とした市民主体の活発な文化活動が振興されています。世界の時計を集めたコレクションを持つ時計博物館、江戸時代の民家建築を保存している馬場家住宅、市内で発見されたマッコウクジラの化石を展示した化石館など、魅力あふれるミュージアムが目白押しです。

松本市はかり資料館
【開館時間】午前9時から午後5時まで
【入場料】高校生以上 200円 中学生以下 無料

学都・松本

学都・松本
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明治6年に開校した小学校建築を今に伝える旧開智学校も、「松本まるごと博物館」のひとつです。

旧開智学校は日本に残るもっとも古い学校建築のひとつで、昭和36年に重要文化財に指定されました。

木造寄棟2階建の土蔵造りで、随所に和風と洋風の入り混じった擬洋風建築を代表する建築です。工事費はびっくりするくらい高額でしたが、その多くは松本市民からの寄附金であったそうです。松本が早くから教育の重要さに目覚めていた「学都」であったということが、この学校が市民にずっと親しまれ大事にされてきたことから伝わってきます。

重要文化財 旧開智学校
【開館時間】8:30AM-5:00PM
【休館日】月曜日、祝日の翌日、12/29-1/3
【入館料】300円

巨大水玉花に圧倒

巨大水玉花に圧倒
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松本は重厚な歴史だけが横たわっている街ではありません。現代の作家が形作る新しい文化も芳醇に花開いています。

松本市美術館には、市出身の世界的現代アーティストである草間彌生の作品が数多く展示されています。美術館の屋外スペースに設置された草間彌生の巨大な花!!大きい!!この大きく不思議な植物の迫力は、ぜひ実際に訪れて体感してみてください。

美術館では、郷土ゆかりの作家の常設展示室をはじめ、ジャンルにとらわれないさまざまな企画展が日々開催されており、歴史に基づいた松本の非常に活発な現在の文化活動を感じることができます。

松本駅と市美術館との間には、草間彌生デザインの水玉ラッピングが施されたかわいいバスも運行されています。

松本市美術館
【開館時間】 午前9時〜午後5時まで 月曜・年末年始休館
【入館料】(常設展)大人 410円 大学生・高校生 200円 
     企画展は展覧会により異なります。

おいでませ松本へ

美しい自然に囲まれ、古くから教育や商業も活発であった城下町・松本は、現在も華やかで力強いエネルギーを持った魅力的な文化都市です。奥深い文化あふれるまち松本のさらなる魅力を探しに、ぜひ松本へお越しください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/11 訪問

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