龍河洞は、坂本龍馬で有名な高知市から北東20km、土佐山田町にあります。
「龍泉洞(岩手県岩泉町)」、「秋芳洞(山口県秋芳町)」と並ぶ日本三大鍾乳洞の一つであり、龍河洞洞内に弥生時代の居住跡が残るとして、1934年に国の天然記念物および国の史跡に指定されました。また、2007年には日本の地質百選に選定されています。
鍾乳洞とは、石灰岩地形が地表水、地下水などによって侵食されて出来た洞窟の事ですが、ここ龍河洞は土佐山田町の三宝山の山頂付近の盆地にたまった雨水が長い年月をかけて侵食し形成されたものです。
龍河洞は、全約4kmのうち、約1kmが観光コース(所要時間40分程で大人・高校生以上1000円、中学生700円、小学生550円)で、洞内には長いものは10m、大きいものは直径4mに達する鍾乳石、石筍(せきじゅん)、石柱があります。
洞内は階段などのアップダウンが激しく、体を横にしないと進めない程の狭い場所もあり、さらに足元が滑りやすい事もあるので、スニーカーで行くことをお勧めします。
このほかに、難易度の高い探索が楽しめる冒険コース(前日までの要予約、所要時間1時間30分程でプラス1000円)もあります。
このコースは、ヘルメットとヘッドランプ(無料貸し出し)、つなぎと長靴(レンタル料1000円)を身に着けて、観光コースの途中から距離にして約200メートルの冒険コースに挑戦するもので、終了すると「龍河洞踏破証明書」がもらえます。
鍾乳洞を進んで行くと出口付近に、弥生式土器や炉跡などと共に弥生時代の居住跡がありますが、鍾乳洞の中に居住跡があるのは世界的にとても珍しいことのようです。
さらにその居住跡の水くみ場だったと思われる場所には、龍河洞のシンボルとも言える神の壺があります。
約2000年前の弥生式土器が鍾乳石と一体化している(石灰華に覆われている)もので、このような現象のものは他にはなく世界で唯一の貴重な考古資科となっています!
その隣りには、昭和12年に『同じように石灰華に覆われた壺ができるかどうか』という再現実験の為に置かれた壷がありますが、こちらも鍾乳石と一体化しています。
龍河洞では、数十点の弥生式土器や炉跡、獣骨などが発見されました。
見学後の遊歩道のルート上にある無料の龍河洞博物館には、龍河洞が造られた過程などの歴史のパノラマをはじめ、約2000年前の古代人の生活の様子や弥生時代の遺跡・出土品、洞内から出土した土器や石器、植物標本など、さまざまな分野の資料研究物が1500点ほどあり、こんなに見られて良いのだろうか…!?と贅沢な気分になります。
龍河洞博物館と共に併設されている龍河洞珍鳥センターでは、特別天然記念物に指定されている高知県原産の尾長鶏をはじめ30羽ほどの特殊な鶏を集めています。
尾長鳥は鳥類最長の尾羽を持っており、尾長鳥の雄は尾羽が換羽しない為一生伸び続けて10m以上にもなります。
地上で普通に飼っていたのでは尾羽がすれて地面と接触し、傷ついたり抜け落ちたりしてしまいそれほど伸びない為、専用の箱で飼育しなければならないようです。
尾長鳥の飼育箱の注意書きには「かわいそうなどという 憐憫(れんびん)の情 同情の念 一切無用に願います」と書いてあります。
説明書きが詳しく書いてあるので生態が分かりやすく、珍しい鳥が見学できる貴重な体験ができます。
世界で一つしかない神の壺、世界でも珍しい鍾乳洞の中の居住跡…日本ではなく世界というところがすごいと思いませんか?
日本には様々な鍾乳洞がありますが、約2000年前の古代人をこんなに身近に感じられる鍾乳洞は他にあるでしょうか?
1億7500万年もの歳月、一滴一滴のしずくが造り上げた素晴らしい龍河洞を見に行ってみませんか?
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