写真:よしおか
地図を見る『のとキリシマツツジ』という花の名を聞いて、どうして「能登」なのに「キリシマ?」と思われた方も多いと思います。
『キリシマツツジ』は、鹿児島県と宮崎県の県境付近に広がる火山群「霧島山」に自生していたものが、江戸時代に園芸品種として江戸に伝わり、当時園芸家の中で大流行したそうです。中でも「江戸霧島」は全国に広まり、各地域性に合った品種になったと言われています。能登地域にも300年以上も前に植えられたものが、愛好家たちによって大切に育てられ、「のとキリシマツツジ」として今もなお伝承されています。
樹齢100年以上の江戸霧島系のツツジは全国で約450本あると言われています。その中でも石川県の能登地域には350本以上も植栽され、大半を占めていることからも、能登の人に『キリシマツツジ』がいかに大切にされてきたかということがわかります。
写真:よしおか
地図を見るのとキリシマツツジの特徴は、なんといっても深紅に咲き誇る「花びら」。遠くからでも存在がわかるほどに密集して花が咲き、能登半島の春を彩ります。燃えるような花びらは「見事」の一言で、樹齢が長い古木は特に見ものです。
また、必ずしも「のとキリシマツツジ=深紅色」というわけではありません。近年、学者により学術的な研究が進んでいますが、現在のとキリシマツツジには9つの種類(本霧島・蓑霧島・二順霧島・八重霧島・紫霧島・紅霧島・四季咲霧島・けら性一重・けら性二重)の花が確認されています。能登半島で最も分布しているのが深紅色に咲く「本霧島」という種類ですが、他にもピンク色や紫色に咲くものもあり、色とりどりに咲くのとキリシマツツジを楽しむことができます♪
写真:よしおか
地図を見る「のとキリシマツツジを鑑賞してみたい!」という方は、ゴールデンウィーク期間中に能登空港にて開催される「のとキリシマツツジフェスティバル」がオススメです♪ゴールデンウィーク期間中(5月3日から5日)に恒例となったフェスティバルは、毎年多くの人で賑わい、3日間で2万人近くの観光客が訪れるようになりました。
イベント開催期間中は、愛好家たちによって大切に手入れされた自慢の盆栽や、写真家による写真の展示があり、のとキリシマツツジに対する愛情を感じることができます。
フェスティバルの一番の見所は、推定樹齢300年を超える日本一大きい「のとキリシマツツジの盆栽」。どうやって運ばれてきたの?と不思議に思うほど大きく、能登空港の芝生広場に特設された場内を圧倒します!
芝生広場では盆栽の展示の他に、フリーマーケットや能登空港まいもん市等のテントが並び、能登の味覚も味わうことができます!のとキリシマツツジの苗木も販売されているので、お土産にいかがですか♪空港で行われていることもあり、交通の面でも便利です。ゴールデンウィーク期間中に能登へお越しの際は是非お立ち寄りください!
写真:よしおか
地図を見るのとキリシマツツジフェスティバルに加えて、開花時期に合わせて開催されるのが「のとキリシマツツジオープンガーデン」。オープンガーデンとは、のとキリシマツツジ愛好家の庭先が公開されるイベントで、4月下旬〜5月中旬に行われます。能登2市2町(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)を中心に行われ、50箇所以上の愛好家の個人のお庭が一般公開されます。
オープンガーデンが行われる庭先の案内は、能登空港や、奥能登の各道の駅、のと里山海道の各パーキングエリアなどで配布されているパンフレットに記載されています。パンフレットを持って回るとアクセスも便利になるのでオープンガーデンには必需品。のとキリシマツツジを鑑賞し、愛好家たちと親睦を深めたい方は是非参加してみてはいかがでしょうか。各個人のお庭を回り、のとキリシマツツジに対する想いを直接聞くことができるチャンスです。
なお、オープンガーデンといえども個人のお宅がほとんどです。愛好家の方々に迷惑がかからないよう、マナーは十分にお守りください。
写真:よしおか
地図を見る「のとキリシマツツジオープンガーデン」にて公開されている庭で特に注目なのが石川県の天然記念物に指定されている名木。先祖から大切に守り育てられてきたのとキリシマツツジの古木は、文化財的な価値も高いです。
天然記念物に指定されているのは「大谷ののとキリシマツツジ」(珠洲市大谷町)、「赤崎ののとキリシマツツジ」(輪島市赤崎町)、「五十里ののとキリシマツツジ」(鳳珠郡能登町)。
育ての親がいないと1年ももたないともいわれているほど、過保護にしなければならず、現在に至るまでには数々の困難があったことでしょう。ある愛好家の方にお話を聞くと、のとキリシマツツジの枝に少しでも荷重がかかると折れてしまうため、冬の間は雪おろしの作業を繰り返し、心配で寝れないのだとか。まるで大切に大切に子育てをしているかのようです。
キリシマツツジは、花言葉で「愛情」と言われています。まさに能登人が育てた愛の結晶といえるでしょう♪
のとキリシマツツジが咲き誇る期間、能登人のモノや文化を大切にする気持ちを知ることができ、伝統を絶やしてはいけないと改めて感じる時間となることと思います。能登人が造り出した真っ赤な愛情の花を是非ご覧ください。
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(2024/4/24更新)
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