福岡県太宰府市はその昔、西日本の政治の中心地及び海外とのゲートウェイとして栄え、後に太宰府政庁の地として発展。後に菅原道真公の死後、太宰府天満宮が道真公を葬った場所の上に建立されました。
今では年間700万人以上が参拝に訪れ、日本国内はもとより、近年では海外からの参拝客も多く訪れる人気スポットです。
参拝客で溢れる参道から外れ、静かな細路地を南へ歩くこと5分。参道の賑やかさとはうって変わり、閑静な住宅街が現れます。天満宮周辺は門前町として栄えた時期があり、その名残の一つとして未だ健在なのがこの光明禅寺。
光明禅寺の門をくぐり、境内に一歩足を踏み入れると、そこは参道の賑やかさからは想像出来得ない程の静かな空間。紅葉豊かな時期には多くの観光客が燃えるような錦の織に深く見入っていますが、意外に知られていないのが木々の緑が青々としている涼しげな一面。秋の艶やかさとはまったく異なる景色を見ることが可能。
光明禅寺の庭園は数少ない九州唯一の枯山水様式であり、大海を表す白砂の庭にふんわりとした大地を表す苔が豊かに覆い、白と緑のコントラストが非常に美しい「苔寺」として有名です。
庭園と前庭には置石の配置により、それぞれを「一滴海底」「仏光石庭」と表現されますが、勿論、難しい知識が無くてもひと目で心から美しいと感じること間違いない庭園と明言しても過言ではありません。自然が織成す美しさに目を奪われ、そして心をも癒されることでしょう。
本堂の廊下に佇み、ただひたすらに緑を愛で、時に鳥のさえずりにのみ耳を傾ける。雨の日もまた乙なもので、廊下の欄干や屋根際に当たる雨音、雨に打たれる草葉のざわめきが、本堂の静寂さをより深いものにすること間違いありません。常日頃、音のある世界に身を置く者にとっては実に贅沢な事。可能ならば、この空間に少しでも長く身を置きたいと考えるのは誰もが同じでしょうか。
本堂を訪れる拝観者は、ひたすら緑を感じていたり、読書をしたり、瞑想したりと思い思いの時間を過ごすのです。
本堂は風の通りが良く、聞こえるのは風に揺れる木々の音と鳥のさえずりのみ。当然のことながら拝観客も一切の音を立てることなく、本堂のひんやりとした廊下や畳に座り、間近に迫る緑を思い思いに目で味わいます。
庭園に手を入れるのは朝晩の箒目作りと必要最小限の剪定のみとし、自然の在るがままを活かしつつ体を成しているこの庭園には、多くの野鳥が飛んでくることでも有名。
光明禅寺
住所:福岡県太宰府市宰府2-16-1
電話:092-922−4053
拝観料(維持費):200円
営業時間:午前8時〜17時
休業日:不定休 ※行事法要の際、拝観出来ない場合あり
静寂の中に豊かな自然を感じられる光明禅寺、いかがだったでしょうか。日々当たり前となっている音や光から遠ざかり、緑と静けさの中に身を置くことで、現代人に多くあるストレスや身体の不調から開放されること間違いありません。心を落ち着けたい時、心穏やかになりたい時には特におすすめ!太宰府天満宮参拝の際には是非足を伸ばしてください。
尚、禅寺には拝観料を徴収する場所は無く、本堂入口に拝観料箱が置かれています。おつりは出ませんので、前もって小銭の準備が必要です。最寄の店は参道沿いとなりますのでご注意ください。
今回は光明禅寺の紹介でしたが、実は太宰府天満宮周辺にはまだまだ多くの自然や文化的要素の詰まった観光スポットが点在。詣参りが盛んだった古の頃と同じように、天満宮周辺の散策をご堪能あれ!
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(2024/4/25更新)
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