安藤忠雄の建築物がこんな所に。穴場!熊本・山鹿「装飾古墳館」

安藤忠雄の建築物がこんな所に。穴場!熊本・山鹿「装飾古墳館」

更新日:2014/05/07 17:05

舟津 カナのプロフィール写真 舟津 カナ アウトドアライター、撮影コーディネーター
建築界のノーベル賞と言われるアメリカプリツカー賞や国際建築家連合ゴールドメダルなど、数多くの世界的な賞を受賞する建築家、安藤忠雄氏。国内では「光の教会」や「ベネッセハウス」などはよく知られていますが、熊本県山鹿市にも彼が設計した建築物があることをご存知でしょうか。
今回は、彼の公共建築初期の博物館「装飾古墳館」を紹介します。

安藤氏らしい、自然と共生したゆったりとした空気が流れる博物館

安藤氏らしい、自然と共生したゆったりとした空気が流れる博物館

写真:舟津 カナ

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安藤氏の特徴としてよくいわれる「打放しコンクリート」と「自然光の使い方」。その2つの特徴がよく現れた博物館です。
自然に溶け込むべき、周りの景色を損なわないように地下に広いスペースを設けた落ち着いた空間。直島にある地中美術館と似た雰囲気を持っています。
周辺には古墳群が点在していますが、その環境と調和された環境博物館で、屋上からそれらが一望できるようになっています。

日本にある装飾古墳の3割が集中する、古墳大国熊本

日本にある装飾古墳の3割が集中する、古墳大国熊本

写真:舟津 カナ

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全国にある古墳は20万基以上といわれ、そのうち装飾古墳は660基しかありません。その中の386基が九州に、そして195基が熊本に集中しています。

装飾古墳とは、石室に彫刻や色彩が施されている古墳のことですが、この博物館は全国でも唯一の装飾古墳を専門にした博物館です。県内の主要な装飾古墳13基を精密に復元したレプリカや、出土した副葬品が展示されています。

トレードマークは野外展示場にあるガラス張りのスロープ

トレードマークは野外展示場にあるガラス張りのスロープ

写真:舟津 カナ

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地下1階と地上1階からなるこの博物館のトレードマークは野外展示場です。
円形状で中庭には、出土した石棺や装飾古墳石材レプリカが展示されています。
ここのすばらしいところは、「静」。
コンクリートに囲まれ、外からの音が遮断され自分の足音だけが響きます。誰もいなければちょっと声を出してみましょう。きれいに音が響き渡ります。

屋上から一望できる、古墳群にコーフン!

屋上から一望できる、古墳群にコーフン!

写真:舟津 カナ

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緑に囲まれた岩原大地の中央にあり、屋上展望所からの景色は絶景!
大きな前方後円墳の岩原双子塚古墳をはじめ、「こんもり」とした古墳群が一望できます。
「肥後古代の森」鹿央区に位置するこのエリアには、岩原横穴群や横山古墳、はにわの動物園など野外には本物の古墳がたくさん!歩いて散策できます。
芝生が広がる古墳群は公園になっており、天気がよければピクニックに最適!

車で20分ほどの場所には、ここでレプリカが展示されているチブサン古墳があります。
熊本を代表する保存状態のよい装飾古墳で内部の見学も可能です。(午前10時、午後2時。要予約)

カップルや家族連れも楽しめるイベントがいっぱい!

カップルや家族連れも楽しめるイベントがいっぱい!

写真:舟津 カナ

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「装飾古墳館」では、古代アクセサリーづくり、プラ板づくりなどの体験教室が行われています。
時期により、縄文土器づくり、糸織り体験、古代火おこしなど普段できない「ここでしか!」できないものも!
年間イベントスケジュールはホームページで確認できます。体験を通してより一層古代へのロマンを馳せてみるのもよいでしょう!

おわりに、

熊本県が行う、地域の整備・活性化を目指した建築文化事業「熊本アートポリス」。この博物館もその事業の一環ですが、海外メディアには「県全体が建築博物館である地域」として紹介されるほど、県内にはさまざまな建築物が点在しています。

熊本県は「くまモン」だけではありません!アートの県として観光するのも楽しいですよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/09 訪問

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