京の新緑・苔・青もみじを愛でに、静寂なる大原と瑠璃の庭へ

京の新緑・苔・青もみじを愛でに、静寂なる大原と瑠璃の庭へ

更新日:2014/04/16 15:42

一年中観光客で賑わう京都ですが、春の観光行事が一段落する5月〜7月の新緑の頃は、比較的ゆっくり観光できるお薦めシーズン。初夏のすがすがしい鮮かな新緑が広がり、幻想的な青もみじや歴史が息づく寺院の苔を、静寂の中鑑賞することができます。中でも、大原三千院と、八瀬にある瑠璃光院のエリアは、爽やかな風が癒しと新緑の香りを届けてくれる場所。今回は、そんな京都の新緑の時期に訪れたいスポットをご紹介します。

大原三千院の、新緑眩い聚碧園

大原三千院の、新緑眩い聚碧園
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のどかな風景がいまも残る大原の里。自然の風景を楽しみながら呂川沿いを歩き三千院へ。大原三千院の2つの庭園のうち、まずは受付からすぐの、緑が集まる園を意味する聚碧園(しゅうへきえん)を訪れましょう。

聚碧園を眺めるように建立された客殿では、有料ですがお抹茶をいただくこともできます。目の前までせり出すように迫ってくる青モミジや、新緑美しい庭は何時間でも眺めていたくなるほどです。
客殿から続く聚碧園の池には、清流・律川から取り込んだ清らかな水を満面に湛え、池の周りを散策しながら自然豊かな新緑を楽しむことができます。
池に映り込む青もみじも素晴らしく、むせかえるような若葉の香りが風に乗って運ばれてくるようです。

青苔にたたずむわらべ地蔵

青苔にたたずむわらべ地蔵
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厳かな空気の中、美しく広がる新緑の風景を静かに味わいながら進んでいくと、三千院の中ほどに、苔むしたなだらかな丘のような庭が現れます。
立ち入ることはできませんが、青苔に覆われた美しさから、瑠璃光庭とも呼ばれる庭には、拝む姿や、寄り添う姿の可愛いわらべ地蔵たちがいくつもたたずんでいます。

数十センチほどの小さいわらべ地蔵なので、気が付かずに通り過ぎてしまいそうになりますが、よく見ると顔を持ち上げて寝ころんでいるようなお茶目なわらべ地蔵も!目を凝らして、青苔や大地と一体化したお地蔵さまを見つけてみてくださいね。

石楠花(しゃくなげ)も見頃

石楠花(しゃくなげ)も見頃
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紅葉するもみじの若葉、青もみじが瑞々しいこの時期、三千院のいたるところで“石楠花(しゃくなげ)”が満開を向かえます。
大原は、京都市内より山が多い北に位置するため、市内より3度近く気温が低いと言われています。山つつじの1種である石楠花も大原では、5月中旬頃まで楽しめるのです。

石楠花の見頃がすぎる6月に入ると、約三千株以上の紫陽花(あじさい)が、芳香ただよう小紫陽花から品種ごとに花を咲かせていく“あじさい祭り”が催されます。
春の桜から秋の紅葉まで、大原三千院では四季の花や緑が楽しめます。

新緑あふれる八瀬大原の瑠璃光院(るりこういん)

新緑あふれる八瀬大原の瑠璃光院(るりこういん)
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比叡山の山麓にひろがる八瀬(やせ)は、先ほどご紹介しました大原三千院からバスで約20分ほどの新緑が美しく静寂に包まれた地。新緑を眺めながら、自然豊かな高野川沿いをゆっくり歩くだけでも、心がゆるりと和んでいきます。

八瀬でも特に青もみじや青苔が美しいと言われるのが、一万二千坪の敷地に京数寄屋作りの書院と苔庭が広がる瑠璃光院です。山門をくぐると、頭上が青もみじですっぽり覆われ、まるで別世界に訪れたような瑠璃光院は、通常非公開ですが春と秋にのみ特別公開されていました。
残念ながら2013年の5月31日をもって、老朽化を防ぐため特別公開がなくなりましたが、門に沿って歩く道沿いにまで青もみじが葉を伸ばし、外からでもその静寂な空気に心が震えるほどです。

瑠璃色に輝く瞬間があると言われた瑠璃の青苔

瑠璃色に輝く瞬間があると言われた瑠璃の青苔
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瑠璃光院の書院から眺める庭一面の見事な苔のじゅうたんは、青もみじの新緑と相まって、眩いほどでした。
現在は拝観できませんが、正門前の石積みで出来た階段をはじめ、歴史を感じる外門に沿って続く道にも、同じ青苔のある石積みがまだいくつも残っており、付近を散策するだけで十分風情を堪能できます。

新緑眩い八瀬で、高野川の水音を聞きながら、歴史ある瑠璃の緑を満喫してみてはいかがでしょうか。

最後に

ご紹介した瑠璃光院は、特別拝観が昨年で終わりましたが、中に入れなくても、古い木の門はまだまだ一生懸命頑張って、青もみじの木々たちを支えています。長い門越しに新緑の青もみじも充分楽しめますので、比較的観光客の少ないこの時期、新緑眩い京都にお出かけしてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/05/17−2012/05/19 訪問

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