SLファン必見!懐かしのD51、石川県松任駅前に静態保存中!

SLファン必見!懐かしのD51、石川県松任駅前に静態保存中!

更新日:2014/04/14 11:55

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
蒸気機関車(SL)が日本国内から姿を消して、はや数十年。いまでは「SL」の名は知っていても、実際にSLの実物を目にした人も、少ないのではないでしょうか。実は石川県のJR松任駅前には、そのSLの実物が静態保存されているのです。しかも、展示されているのは「デゴイチ」の愛称で知られた、あのD51型!今回は松任駅前に展示されたD51を紹介し、蒸気機関車の往年の魅力に迫ってみましょう。

圧倒的な存在感!駅前の一角に展示されたD51型蒸気機関車

圧倒的な存在感!駅前の一角に展示されたD51型蒸気機関車

写真:乾口 達司

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蒸気機関車の代名詞というべき51型はJR松任駅の中央口を出て左手、建設中の新幹線高架に寄り添うようにして設けられている駅前緑地広場の一角に、保存展示されています。D51型は昭和11年から20年にかけて製造され、その両数も何と1115両におよびます。一つの形式で製造された機関車としては、ディーゼル機関車などを含めて、その両数は史上最多!現在でもその記録は破られていません。正面には「D51 822」と刻まれたプレートが掲示されていますが、これは総製造数1115両のうち、822番目に製造された機関車であることを指し示しています。

「822」は、昭和18年2月9日、鉄道省浜松工場において製造され、昭和45年3月、廃車の指定を受けました。そして、その翌日、国鉄から貸与され、松任駅前に保存展示されることとなりました。27年におよぶその稼働期間中は、敦賀機関区、福井機関区、糸魚川機関区に配備されており、北陸本線が通過する当地に保存展示されるのにもっともふさわしい蒸気機関車であるといえるでしょう。

鮮やかな彩色によって再現された力強い動輪

鮮やかな彩色によって再現された力強い動輪

写真:乾口 達司

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なかでも、目をひくのは、彩色がほどこされた動輪部分!蒸気機関車の場合、加熱管で温められた蒸気は蒸気室を経由してシリンダに送られ、ピストンを動かす力となります。それが主連棒に伝わり、動輪を動かすもととなりますが、その複雑な仕組みも相俟って、存在感のある動輪を見るものに強く印象付けてくれます。

実際に乗り込んでみよう!機体に乗り込めるのは最大の魅力!

実際に乗り込んでみよう!機体に乗り込めるのは最大の魅力!

写真:乾口 達司

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この「822」、実は実際に機体に乗り込むことも出来るのです!蒸気機関車を展示しているところは全国にも幾つかありますが、実際に機体に乗り込めるのは、当機関車最大の魅力であるといえるでしょう。ぜひ、中に乗り込むことをお勧めします。

機関士になった気分!運転機器類がひしめく運転室の内部

機関士になった気分!運転機器類がひしめく運転室の内部

写真:乾口 達司

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運転室には、当時、実際に使われていた運転機器類がそのまま残されています。機器類のうち、赤く塗られた扉は焚口戸と呼ばれるもので、ここから石炭などの燃料を投入し、蒸気を発生させます。その上には各機関につながったバルブ類や各種の圧力計、水面計などが設置されています。窓際には運転席も残されているので、運転席にすわり、機関士になった気分で運転機器類に目をやると、実際に自分の手でD51を動かせているような気分にひたれますよ!

運転室の背後にも目を向けよう!蒸気機関車の生命線・炭水車

運転室の背後にも目を向けよう!蒸気機関車の生命線・炭水車

写真:乾口 達司

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運転室に立ったら、ご自身の背後にも目を向けてください。大きな台車のようなものが連結しているのが、おわかりになるでしょう。これは炭水車(テンダー)と呼ばれるもので、燃料となる石炭や水などを積載した車両。下部に水を入れ、上部には石炭などの燃料を積載しました。写真の下方に取手のついた引き出しのような部分見えますよね。火室に石炭を補給するときはここを開けて、石炭をかき出します。いわば、蒸気機関車にとっての生命線というべき部分が、炭水車なのです。

おわりに

D51の構造やその魅力をおわかりになられたでしょうか。蒸気機関車といえば、ほかにもさまざまな部位がありますが、松任駅前のD51822は、その構造を見学するのに最適の機関車であるといえます。松任駅に降り立ったら、ぜひ、その勇姿をご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/01/14 訪問

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