京都鴨川沿い「半木の路」。紅枝垂桜に酔いしれる800mのお花見コース

京都鴨川沿い「半木の路」。紅枝垂桜に酔いしれる800mのお花見コース

更新日:2014/04/01 16:52

桜と言えばソメイヨシノ?圧倒的に多いのはソメイヨシノですが、カイドウのような少し色の濃い桜もとてもチャーミング! そんな濃い桃色の枝垂れ桜の美しさを堪能できるお散歩路が京都にあります。知る人ぞ知る「半木の路」。変わった名前ですよね。この冒頓とした名前からは想像もつかない可憐な花道なんです。その由来と見所をご紹介します。

桜、桜、桜のトンネルが続く・・・賀茂川の土手

桜、桜、桜のトンネルが続く・・・賀茂川の土手
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ソメイヨシノが散り始める4月中旬から中頃。おしゃれなお店が立ち並ぶ京都の北山通り沿いにある京都府立植物園を左手に通り過ぎ、賀茂川に架かる橋の手前を左に折れると、藤棚ならぬ桜の棚がわぁっと目の前に広がります。紅枝垂桜(べにしだれざくら)のトンネルです。ソメイヨシノより色の濃い桃色の桜が川の方へ枝を下げて咲く姿はとても可憐・・・。この賀茂川の左岸を彩る散歩道が「半木の路」。「なからぎのみち」と読みます。昔々、京都府立植物園があった辺りは神木が流れ着いたことから「流木(ながれぎ)神社の森」と呼ばれていたそうです。この流木が訛って「半木」となった、あるいは「流木神社」が洪水で流され、縁起が悪いので「半木」と名付けたという説があります。さて、どちらなのでしょうね? ちなみに、京都府立植物園内には、昔の「流木神社の森」の植生をとどめる自然林が今も残されているそうです。それにしても、この眺めは圧巻ですよ。

ソメイヨシノと入れ替えに咲く74本の紅枝垂桜

ソメイヨシノと入れ替えに咲く74本の紅枝垂桜

この800mの「半木の路」に植えられているのは74本の紅枝垂桜。一言で紅枝垂桜といっても品種はさまざまです。一重や八重、変わった花弁のものもあり、色の濃淡もバリエーションに富んでいます。この道を歩きながら、まるで桜図鑑を眺めているようにいろいろな桜に出会うことができるんです。できれば、途中鴨川の土手に腰かけてお花見弁当を食べて、一日中たっぷりこの「半木の路」を満喫することをおすすめします。賀茂川に張り出すように枝を伸ばし、頭を下げる桜。青空を背景に青と桃色のコントラストがそれは見事です。もちろん、提灯の灯りに恥らうような夜桜も最高です。

「桜守り」佐野藤右衛門さんと市民が創った憩いの道

「桜守り」佐野藤右衛門さんと市民が創った憩いの道

京都には「桜守り」と呼ばれる人がいます。植木職人として京都・仁和寺御室御所に江戸時代から仕えてきた佐野家で代々引き継がれている職種?!生業です。現在の「桜守り」佐野藤右衛門さんはその16代目。京都御所の左近の桜を作った人として知られています。「半木の路」はこの藤右衛門さんと京都鴨川ライオンズクラブの手によって1972年〜1976年の間に作られました。「桜守り」、なんだか素敵な呼び名ですね。桜を生き物のように扱う藤右衛門さんの姿を以前テレビで見たことがあります。「きれいよ」と言うと桜もさらに美しく咲こうとするとか。「半木の路」の紅枝垂桜たちは、そんな作り手たちの支えで毎年美しく咲いてくれるのでしょう。

折り返して、高野川沿いのソメイヨシノへ

折り返して、高野川沿いのソメイヨシノへ

北山通りから歩き始めた「半木の路」が終わる頃、ちょうど賀茂川と高野川が交わる出町柳に出ます。タイミングがよれば、ここで高野川沿いへとまた北へ逆戻りを。今度はソメイヨシノの並木道を堪能できます。ポイントはソメイヨシノと紅枝垂桜が共に咲く1週間ほどの間です。桜の開花情報を確認してくださいね。高野川沿いには330本のソメイヨシノが植えられています。

朝桜に始まり夜桜で終える桜三昧の京の一日をご満喫!

さらに、時間が許せば、賀茂川と高野川に挟まれたエリアを流れる白川疎水沿いの桜並木を歩いてみてください。この京都の北の三角地帯は本当に見事な桜のスポットです。意外に穴場かもしれません。神社仏閣を彩る桜とは違って、街中に作られた桜の道。ゆっくり歩いて、街並みを眺めながら桜の鋭気を得ることができます。おしゃれなカフェもありますのでおいしいお茶を飲みながら休み休みどうぞ。歩き続けて一乗寺方面へ・・・なんて。桜に誘われてついつい、歩いてしまうのが京都の春。疲れ知らずの身体で歩き回れるのは桜が放つ元気エキスのお蔭かもしれません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/10 訪問

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