まるで別の惑星に来てしまったかのような光景が広がるのは白根山頂の火口湖の湯釜で、世界でもトップレベルの酸性湖のため周辺は生物が住めない環境になっています。
エメラルドグリーンの神秘的な湖は直径300m・水深30mで氷点下20度以下にならないと凍結せず、有毒な火山ガスの噴気地帯が点在しているという強烈な環境はまさにアナザーワールド。
草津温泉から車で30分、駐車場(有料)から徒歩20分という距離のため草津温泉宿泊の翌日に立ち寄る観光客が多く、午前中から昼にかけて観光バスが駐車場に増えてきます。マイカーの方は混雑を避けて朝一番に出掛けるといいでしょう。
湯釜の標高は2000mを超える山岳地帯でもあるため天候が変わりやすく、草津温泉が曇っていても山頂は晴れていたり、その逆もあります。曇っていても諦めず出かけてみましょう。
また、有毒ガスの危険があるため立入り禁止地区域があり、湖までは降りず展望台からの見学となります。
駐車場から湯釜までの道のりは整備されていますが、息を切らしての登りとなるので登り始めの入口にある無料の杖を借りるといいでしょう。
駐車場は志賀草津道路上にあるので、冬期の通行止めの期間は湯釜の見学ができません。4月下旬〜11月中旬の期間のみ見学可能です。
駐車場:草津白根レストハウス駐車場(¥410)
湯釜とは駐車場の道路を挟んで反対側にある弓池。こちらは荒々しい湯釜とは反対に緑が美しい静かな火山湖で、周りに遊歩道が整備され20分ほどで1周できます。
風のない日には湖面は鏡のようになり、写真右奥の蓬莱岩と呼ばれる噴出した溶岩でできた岩と緑が綺麗に水面に映り、より神秘的な雰囲気になります。
遊歩道を歩くと湿原もあり、夏には白い綿のようなワタスゲが群生し、緑の上に雪が落ちたような美しい光景を見ることができます。
高低差のほとんどない歩道を歩くので、湯釜に登った後にゆっくり散歩をするのがおすすめです。
関東屈指のドライブルートである志賀草津道路(※)はルートの大半が標高の高いところを通り、2172mという日本の国道最高地点がある雄大な道路です。(※通行料無料)
2000mを超える標高であるため雲の中を走ったり、雲海を見下ろしたり、晴れた日には北アルプスまで見えるくらい開けた道路なので、まるで空の中を走っているようです。
写真は2013年10月上旬の国道最高地点からの風景です。緑の絨毯の上に紅葉になり始めの木々が色づいて、奥の雲海は生きているように動き、現実の世界とは思えないほど美しい光景が広がっています。
冬期は積雪により閉鎖され、4月下旬から11月中旬までの期間に通行することができます。2014年は4月25日午前10時から志賀高原陽坂〜草津まで開通となり、なんと、開通後から5月中旬ごろまでは雪の回廊をドライブすることができます。積雪の状況にもよりますが、高いところで5〜8mにもなる雪の壁は圧巻です。
夏は新緑の絶景の中をドライブでき、標高が高いため避暑地としてもおすすめです。
さらに紅葉の名所でもあるためシーズンの10月中旬から11月上旬は美しい紅葉ドライブが味わえます。
群馬県・鬼押ハイウェイ(※)の途中にある鬼押出し園は、世界で有数のランクAの活動数である活火山、浅間山の噴火によってできた溶岩群や奇岩がごろごろしている不思議な場所です。(※通行料:普通車 ¥260)
天明3年(1783年)に大噴火を起こし、その際に浅間山に住む鬼が暴れて溶岩を押し出したように見えたことから鬼押出しの名前がついたとされています。
当時の噴火で流出した溶岩流は幅3km・長さ6kmにもおよび、1000名を超える死者を出す大惨事となり、園内には犠牲者を慰霊する浅間観音堂が建てられています。
溶岩群の中にある歩道を、30分・40分・60分のモデルコースで周ることができるので体力に合わせて行くといいでしょう。
おすすめは40分・60分コースで、コース沿いにある標高1358mの見晴台からはごろごろとした溶岩の間から緑が出ている、芸術のような溶岩の森を見渡すことができます。
また、晴れていれば北アルプス・谷川連峰などが見渡せる絶景となり、5月頃になると高山植物が観察できます。
現実離れした風景に圧倒され、自然の驚異を肌で感じることができるでしょう。
冬期は休園になるため毎年3月下旬から12月上旬までの営業です。
2014年は3月21日にオープン。
営業時間:午前8時〜午後5時(入園は4時半まで)
駐車場:無料
入園料:大人¥400〜¥600・子供¥200〜¥400(期間により値段が変わるので要確認)
白糸ハイランドウェイ(※)沿いにある白糸の滝は、鬼押出し園から約8km・車で15分ほどの距離にあり、鬼押ハイウェイの終点である峰の茶屋の交差点で左折すると白糸ハイランドウェイへアクセスできます。(※通行料:普通車 ¥300)
この白糸の滝は、浅間山の伏流水が岩肌から染み出し3mほどの高さから白いカーテンのように水が流れている美しい滝で、湾曲した岩肌に70mもの幅に広がっています。
地下水が源流となっているため一定の流量で濁ることがなく、天候に左右されることなく白糸のように清流が流れ落ちています。
しかし実はこの滝、昭和初期に人工で創られた滝なのです。
元々2つの谷底に湧いていた湧水の尾根を切り取って繋げ、前面に池を造ったため庭園のようになっています。
さらに下流にある段瀑も水を誘導して造った人工滝。
人工の滝と聞くとそんなに大したことないのでは…と思われる方もいるかもしれませんが、その優美な姿のファンは多く、人気の観光スポットとなっています。
一度と言わず何度でも行ってほしい草津。
温泉の質が良いのはもちろん、周辺に点在する絶景に心も体も癒される旅となるでしょう。
特殊な環境故に、普段なかなか目にすることができない現実離れした風景が待っています。
首都圏から今回紹介した場所に行くのであれば、白糸の滝→鬼押出し園→(草津温泉で観光・宿泊)→翌日・湯釜→弓池→志賀草津道路・・・と巡るのがおすすめです。
※紅葉の時期を筆頭にG・Wやお盆は渋滞必須なので余裕を持った予定で、なるべく平日の訪問をおすすめします。
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